2024年3月の記事一覧
詩『届け! ぼくの歌』
寂しい時 青い空の下で
ぼくは歌を歌う
大きな空に寂しさが吸い込まれる
楽しい時 道を歩きながら
ぼくは歌を歌う
太陽がいつもより眩しい
悲しい時 真っ赤な夕日に向かって
ぼくは歌を歌う
悲しみが涙に流れていく
歌を歌っていると
嬉しい時はもっと嬉しく
悲しい 寂しい気持ちが半分になる
だからぼくは歌が好き
誰かに聴いてほしいけど
上手くないから恥ずかしい
風が吹き抜けた
野原がなびく
陽光の中の回想 -モーツァルト『ピアノ協奏曲27番』の美しさ
よく、自分の葬式で流してほしい曲、というアンケートがあります。私の場合何かと考えると、ロックやポップ音楽と別に、クラシックの中だと、多分モーツァルトのピアノ協奏曲27番(K595)を選ぶと思います。
この曲には、落ち着いた午後、かつての楽しかった過去を思い出しているような、甘美さと静寂があるからです。
第1楽章の導入。静かに弦が入り、麗しいメロディが奏でられます。しかし、長調の明るいメロ
無垢が現代を染める -ウォーホルについてのいくつかの随想
少し前、現代美術家、アンディ=ウォーホルの作品がニュースになったことがありました。環境活動家が、ウォーホルが制作したアートカー『BMW M1』に小麦粉をぶちまけて、逮捕されたというニュースです。
そのことの是非はここでは問いません。私がこのニュースを聞いて思ったのは、きっと、ウォーホルが生きていたら、大喜びするだろうな、ということです。
ウォーホルなら、こんなことを言ったのではと妄想します。そ
走りながら思想しよう “列車霊と女神のエクソソーム”
困難な仕事に一区切りついて、春の嵐の先駆けが吹く日。私の中にロマンチシズムが兆し、余計なものにとらわれない、純粋な探索の一日にしようとでかけた。胸の中にもやもやと詩情が湧くと、風や雲の形、ゆき花が物を言う。
駅で3歳くらいの男の子と若い父親がおり、男の子がアナウンスに父親を急かす。「来るかもしれないよ」。次の瞬間、濃緑の気配をまとう瑞風が走り過ぎてゆく。男の子のために瑞風は気品ある出会いの記憶をプ