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ひきこもり同窓会~K太郎の場合~

ひきこもり同窓会というわけでもないが、前回に引きつづき開催することになった。地元のひきこもり自助グループのメンバーが中心だった。

その日は、遠くまで古着の仕入れをしてたので疲れたけれど、K太郎も来るので夕方会いにいった。K太郎は、ひきこもり当事者雑誌「ひきポス」3号の表紙を描いてくれた。

たまたま、個人的に僕のページのイラストを描いてもらうつもりだったんだけれど、ひきポスの編集部の評判がよかったので表紙になってしまった。

K太郎とは、どこで知り合ったんだっけかな。保健所の自助グループが最初ではなかったような気がする。僕ともう一人がメンヘラのフットサルチームを作りあげたときに偶然出会ったと思う。

ひきポス3号にK太郎の簡単なプロフィールが載っているけれど、「小学生のころにパニック障害をきっかけに自宅にひきこもり、二十歳のときに外の世界に出た」という。

そこから福祉施設に通う。定時制高校に入学・卒業する。バイトもした。アニメの専門学校に通い、今年その関係の仕事に就いて現在アニメーター。これもひきポスのプロフィール欄に載っているから言ってもいいだろうけど、彼は色弱なんだ。

アニメーターの労働環境は劣悪というけれど、そういう話までできなかった。ただ、K太郎は向上心があり、どんどん勉強しているので周りより仕事が早く終わってしまうらしい。もちろん、年齢的なものもあるので必死なのもあると思う。

前回もそうだったんだけど、集まったメンバーの一人がずっとハイになっていて延々と話し続けていたのでほとんど会話にならなかった。以前は寡黙だった人だから周りも気をつかい、深く話し合えなかった。彼もなにか変化がおきているんだろう。

K太郎も前は話すと否定から入るタイプだった。いまは、「なにをしたいか」「もっとあれをやりたい、これをやりたい」から話が始まる。まぶしかった(笑)。

外に出るとなにかが起きる。良くも悪くも物語が始まるんだ。

※僕がメンヘラのフットサルチームを作るときに意識したのは「ウォーターボーイズ」だった。「1年以内に県大会を優勝する」と僕が宣言したところ、周りから散々バカにされたけれど優勝した。K太郎は、初代優勝メンバーの一人だった。


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