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水の安全に関するパブコメ 7月22日23時59分まで!

「水循環基本計画」を変更することに伴い、「水循環基本計画(案)」に関するパブコメを募集しています。締切が2024年7月22日23時59分なので間に合わないかもしれませんが、外資の参入やPFASなど、重要な問題と関係しているので記事にしました。

水循環基本計画(案)に関する意見の募集


今日気づいたのですが、下記のページでパブコメを募集しています。

94ページもあるので、私が気になったところを取り上げます。

50ページ

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000276747

この部分については、いろいろ書けると思います。

例えば、柔軟剤に含まれるマイクロカプセルのことなども気になります。

東京大学大学院新領域創成科学研究科・山室真澄教授は下記の研究成果を報告しています。

市販の柔軟剤4製品を最適化した方法で分析した。各社ともほぼ同じ香料を組み合わせて使用していた。同じ方法で千葉県の人工河川の河川水を使って分析したところ、標準試薬にある12成分のうち10成分の人工香料が検出された。このことから、最適化した方法で環境水中の香料成分を検出できることが分かった。

環境水にマイクロカプセルの形で拡散している場合、環境水を濾過して懸濁物を接触する二枚貝がマイクロカプセルを取り込んでいる可能性がある。そこで西日本の汽水湖沼および首都圏の感潮河川で漁獲されたヤマトシジミを提供いただき分析したところ、柔軟剤から検出された香り成分と似た組み合わせで人工香料が検出された。

https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-17K20041/17K20041seika.pdf

合成香料を内包したマイクロカプセルが水界生態系に与える影響の検証

「柔軟剤中のマイクロカプセルの水環境中での挙動や、それが魚類などの水生生物に与える影響については、検索した限り全く研究例がなかった」とも書かれています。あれだけCMを流して柔軟剤を販売しているのに、なぜ研究しないのでしょうか。

私は柔軟剤の匂いが苦手ですが、街中ですれ違う人から強烈な匂いがすることも多いです。化学物質過敏症と診断される人も増えているのに、なぜ放置しているのでしょうか。「香害」という言葉も使われていますが、香りの好みの問題だけでなく、環境汚染をしているなら「公害」として扱うレベルだと思います。

PFOS、PFOAの危険性について

PFASとは有機フッ素化合物の総称で、代表的なものがPFOSやPFOAです。

50ページ

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000276747


PFOS、PFOA に関するQ&A集 2023 年7月時点 環境省


https://www.env.go.jp/content/000150400.pdf

PFASについては、CBCの大石氏も2023年に取り上げていました。

https://youtu.be/2YlxE4wq9Ug?si=0WKC4lFtLPUF3HS8

<参考>


2024年4月11日付の記事には、EPA(米環境保護局)はPFASのなかで毒性が強い「PFOS」と「PFOA」の基準値を1リットル当たり4ナノグラムと定め、50ナノグラムとする日本の暫定基準を大幅に下回る、と書かれています。

環境省の資料では「どの程度の量が身体に入ると影響が出るのかについてはいまだ確定的な知見はありません」と言っているのに、アメリカの10倍以上もOKにしているのです。


水道事業の「官民連携」

51ページ

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000276747

ウォーターPPPについて 国土交通省
水管理・国土保全局 下水道部 令和5年6月

https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/content/001617674.pdf


「PPP(Public Private Partnership)とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を行政と民間が連携して行うことにより、民間の創意工夫等を活用し、財政資金の効率的使用や行政の効率化等を図るもの」


宮城県議会は、2021年7月に上下水道と工業用水の運営権を、20年間、民間企業に一括売却する議案を可決しました。施設の所有権を公共主体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定するコンセッション方式で、フランスの大手ヴェオリアの水道事業子会社ヴェオリア・ジェネッツ等8社で構成したコンソーシアム「メタウォーターグループ」に上下水道と工業用水の運営権を設定。2022年4月から事業を開始しています。

ヴェオリア・ジェネッツ社が議決権株式の51%を保有しているので、上下水道と工業用水一括で外資系企業の意向に沿って運営されるということです。

宮城県上工下水一体官民連携運営事業(みやぎ型管理運営方式)について 令和4年6月 宮城県企業局

下記の記事には、よく失敗事例として挙げられるパリ市の再公営化について書かれています。以下、一部引用です。


パリ市は、2009年末にフランスの大規模水道事業会社「ヴェオリア・ウォーター」と「スエズ・エンバイロメント」との契約を終了し、翌10年から水道事業を公営事業に戻した。パリ市は1985年に水道事業を両社に委託したが、その結果、両社の経営に対する監督の目が行き届かず、パリ市の水道料金は85年から2009年までの間に、実に3倍以上も上昇した。

そのため同市は、09年末に両社との委託契約が満了するのを待って、市が直接、水道事業を監督する公営水道事業体「Eau de Paris(パリの水)」による運営に切り替え、料金の引き下げなどに取り組んだ。

 国際公務労連加盟組合日本協議会(PSI-JC)のリポートによると、近年、世界の主要都市では水道事業の再公営化に踏み切る事例が増えており、その数は2000年から14年までの間に180例に及ぶ。多くは、パリ市の事例と同様、民間事業者が利益優先の経営に走った結果、水道料金の値上げや水質の悪化を招くなど、住民サービスが低下したことが理由とされる。

https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/20170524-OYT8T50025/3/

このヴェオリアの子会社が、日本の水道事業をどんどん受託しています。なぜパリなどで失敗した企業の子会社に、次々と大事な「水」を任せるのでしょうか。


ヴェオリア・ジェネッツ堺南営業所の元嘱託社員によるお客様からの収納金の着服(124世帯 19,440,042円)が判明(2017-12-27)。

ヴェオリア・ジェネッツ堺北事務所の元従業員1名が、堺市上下水道局本庁舎窓口にて、給水工事事業者の方から収納した加入金等2,136,700円を着服していたことが判明(2024-05-01)。

長野県安曇野市の男性宅で、滞納していた水道料金を支払ったにもかかわらず、70日間にわたり給水が停止。市によると、水道料金の検針・徴収などを行う委託業者のヴェオリア・ジェネッツが開栓作業をしなかったことが原因と判明。

<参考>

パブコメは、匿名で送れます! 締切は、2024年7月22日23時59分です。