事件は会議室で起きている!? カメラが捉えた「税金泥棒」の実態
前回は、国会議員の国民をバカにしているとしか思えない答弁を取り上げましたが、県議会や市議会にも、本来の仕事をしていない議員がたくさんいます。居眠りをはじめ、個人的な検索、スピーチの練習など、議事とは全く関係ないことをしている人たちに、多額の税金が使われているのです。このような議員たちを当選させて、県民や市民のためになるのでしょうか。
テレビ番組内での「政治家を勝手に観察」という企画
フジテレビ系「Live News イット!」という番組では、議会での政治家の働きぶりを勝手に観察するという企画を継続して放送しているようです。私は動画を見て、初めてこの企画を知りました。
おそらく第1弾は、2020年に神奈川県議会を訪れた下記の放送だと思います。
記事によると、議会中に居眠り、「Kindle」での読書、「Amazon」でおもちゃの検索、スニーカーの検索などを行う議員が映像で捉えられています。
例えば、議会中に読書。
カメラは「脳の老化を止めたければ歯を守りなさい！」という本のタイトルを確認しています。
神奈川県議の報酬は、コロナ禍の今年度でも年収1635万4200円。加えて636万円の政務活動費が支給され、もちろん税金が使われている。
コロナ禍でも年収1635万4200円に加えて636万円の政務活動費が支給されていた人たちが、こんなことをしていたのです。みんなが大変だったときに、みんなの税金が使われているのに、こんなことを平気でできる人たちでした。
そして、当日の放送は見ていなかったのですが、3年後に再び神奈川県議会を訪れて撮影された追跡スクープの動画が公開されていました。
追跡スクープ第16弾（2023年11月公開） 神奈川県議会
映像の中では、3年前の放送についても語られていました。
3年前の放送後には「全議員に徹底する」としたようですが・・・。
2023年6月の県議会。何人もの議員が取り上げられていましたが、その中から何人かを取り上げます。
2人並んで居眠り！
なんと、6日間全部で居眠り！
しかも、この松田議員は、3年前に読書していた議員です。
以下、読売新聞オンラインより、2023年4月の選挙結果です。
松田議員は、トップ当選。当選回数10回。番組スタッフの取材に対しては、「寝てしまうとかそうゆうことではなかったと自分は認識しています」と答えていました。
松本議員は、当選回数5回。番組スタッフの取材に対しては、「たまたま目を閉じていた」と言い訳しています。
さらに、議事とは関係ないスピーチの原稿を見ながら、暗記している議員もいました。
桐生議員もトップ当選。当選回数6回。
さらにさらに、あれこれ検索しまくっている議員もいます。
議事とは関係ない「くろしお丸」。
議事とは関係ない「機内食」。
神奈川県議会会議規則には、「議事中は議事に必要な範囲を超えて情報通信機器を使用してはならない」とあるようですが、規則で決めるまでもないことです。こんなことも守れない人が、議員でいてよいのでしょうか。
さらに、議事とは関係ない「銀座のバー」。
当日、番組スタッフがそのバーに行って待っていたら、本人が来たのです。
これらについて取材すると、検索しているのが自分であることは認めました。
けれども、なぜ検索したか「覚えていない」と答えています。当日、そのバーに行ったのに、よくこんな答えができるものです。
当日、バーに入る議員を見たというと、来客を理由に逃げ、その後は外出して戻ってきませんでした。
後日質問書を送っても、回答なし。
こんな議員に、年に1600万円超えの税金が使われているのです！
今回の取材に対して神奈川県議会は、改めて議長と相談するとのことですが、このままでは、また3年後に取材しても変わらないでしょう。
てらさき議員も、5回当選しています。こんな仕事を何年も続けて、みんなの税金を使っているのです。
有権者が無関心のままでは、このような議員たちが変わることはないでしょう。
議員たちはこのような姿を、自信を持って今の子どもたちに見せられるのでしょうか。子どもたちは、こんな大人を見てどう思うのでしょうか。
神奈川県議会は、傍聴できるようです。
ぜひ、学校の授業などでもどんどん傍聴に行ってほしいです。そして議員たちに、どんどん質問してください！ 子どもたちの質問には、ごまかしは効かないでしょう。
テレビ番組はあまりに偏った報じ方をするのであまり見なくなりましたが、このような企画はもっとやってほしいです。議員たちの開き直った答えには呆れてしまいますが、それが通ると思わせていることには、私たちにも責任があります。もっと多くの有権者が関心を持ち、なんらかのアクションを起こすことが必要なのではないでしょうか。
第17弾まで、全部の動画が公開されているわけではないようですが、これまでの追跡スクープがいくつか公開されていたので集めておきました。ご自身の地域の議会があれば、ぜひチェックしてみてください！
追跡スクープ第5弾（2021年3月公開） 茨城県
追跡スクープ第6弾（2021年5月公開）東京23区の区議
追跡スクープ第8弾 2022年2月 国会、さいたま市
追跡スクープ第9弾（2022年3月公開）群馬県、東京都千代田区
追跡スクープ第13弾（2022年9月公開） 千葉県市川市
追跡スクープ第14弾（2022年10月公開） 東京都杉並区、八王子市
追跡スクープ第17弾（2023年11月公開） 茨城県、千葉県柏市