交互接種の安全性を確認したのは誰?
テレビ番組では、毎日毎日、新型コロナワクチンの3回目接種を勧めてきます。さらに、1回目:ファイザー、2回目:ファイザー、3回目:モデルナにすると抗体価が高くなる、というようなことを言っています。交互接種が安全だと言える根拠は、いったいどこにあるのでしょうか?
厚労省が公開している資料
厚労省のQ&Aでは、「大丈夫でしょうか」と聞いているのに「大丈夫です」とは答えていません。YesかNoで答えず、答えを質問からずらしていくという、FDAのファクトシート方式です(下記参照)。
その後、このように答えています。「推奨する国が多く」や「認めている国が複数ある」と言っていますが、それは単なる事実であり、大丈夫かどうかとは別の話です。推奨する国が多いからといって、安全性が確認されているとはかぎりません。
さらに読み進めると、「英国での調査結果によると」と言って、調査結果を出してきます。その調査については、追加接種における交互接種、組み合わせに関する諸外国の状況(第27回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)にリンクされています。
この資料は交互接種の有効性と安全性について、5ページに渡って書かれていますが、元の資料全体は下記にあります。
ここで注目したいのが、この部分です。
有効性と安全性、どちらも「アストラゼネカ社又はファイザー社ワクチンの2回接種を完了した30歳以上」を対象にした比較試験と書いてありますが、ファイザー社が行った臨床試験とは書いていません。「ファイザー社ワクチンを2回接種した人」を対象にした試験は、必ずしも「ファイザー社が行った試験」ではありません。
以前、悪徳商法に関する原稿を書いたことがありますが、その手口に似ています。例えば、高額な消火器の訪問販売に使われる「消防署の方から来ました」というセリフです。「消防署の方から来た」というだけでは、「消防署の職員」ということにはなりません。けれども、「消防署」という言葉に安心して、買ってしまう人がいるのです。
厚労省のQ&Aでは、ファイザー社の臨床試験のときは、臨床試験と書いてあります。例えば、「追加(3回目)接種にはどのような効果がありますか?」というQ&Aの説明には、「また、米国で実施されたファイザー社のワクチンの追加接種に係る臨床試験の結果によると」と書かれているのです。実際に、追加接種については、添付文書にも306例に行った結果が書かれています。たった306例ですが、行っていることは事実です。
ところが、Q&Aにも出てきた「英国での調査結果」というのは、ファイザー社やモデルナ社が行った臨床試験ではないのです。
添付文書
では、ファイザー社、モデルナ社、それぞれの添付文書には、どのように書いてあるのでしょうか。
どちらにも、「本剤と他のSARS-CoV-2に対するワクチンの互換性に関するデータはない」と書いてあります。
「データはない」ということは、有効性や安全性については何も言えないということです。
添付文書の最新版は、下記のサイトで見られます。改訂により、文章が変わる可能性があります。
この件は、プリンター用のインクを例に考えると、わかりやすいかもしれません。
互換性のあるインクも販売されていますが、メーカーはそれについては保証しません。純正以外を使って故障した場合は、保証期間内でも有償修理です。「純正品以外の品質や信頼性について保証できません」と書いてありますが、それでもコストを抑えたい人は使っています。うまくいけば、低コストで使うことができるからです。
けれども、ワクチンの場合は、人の命に関わることです。添付文書に「データはない」と書いてあるのですから、何が起きるかわかりません。ファイザー社もモデルナ社も、交互接種によって何か問題が起きても責任は取らないでしょう。
メーカーが安全性を確認していない使用方法を、都知事や首相はなぜ国民に勧めるのでしょうか? いったい誰が、安全性を確認しているのでしょうか。