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2024.07 大阪浮世絵美術館

朝井まかてさんの『眩』を読み終わってから数日。

ふわふわと高揚した読了感を味わいながら、
「浮世絵、ちゃんと見てみたいな…」と思っていた。

夏の暑さにもやられっぱなしで、
旅行とか行きたいな…
でも遠出はしんどいな…
美術館行こうかな…

と思って調べてみたら、

大阪にあった、浮世絵の美術館!

知らんかったードンピシャやん、と思いながら
次のお休みに行くことにした。


大阪浮世絵美術館


心斎橋と難波のちょうど真ん中にある、大阪浮世絵美術館。
立地ばっちり。めちゃ行きやすい。
むしろ繁華街の中すぎて、
こんなところに美術館があるとは考えもしなかった。

営業時間は10~17時まで。
平日朝10時過ぎに行ったら、
前に外国の家族連れの方々がいただけで、
すごくスムーズに入れた。

今の展示は、
「浮世絵が語る日本の名山」で
歌川一門、葛飾北斎の浮世絵がメイン。

何より、明治時代の吉田博氏の浮世絵もあった。
明治時代でも浮世絵っていうのかな?
と思ってたけど、
吉田氏の「ナイヤガラ瀑布」という浮世絵を見たとき
「浮世絵」の定義とは何ぞ?と思った。

海外の風景も浮世絵なのか…
明治時代も浮世絵なのか…
何をもって浮世絵とカテゴライズされるんだろう…
自分が持っていた「浮世絵」のイメージがちょっと崩されて、それもまた楽しい。

ちなみに、「ナイヤガラ瀑布」のポストカードは買った。
色合いがめっちゃよくて、
ナイヤガラの水しぶき部分の表現が好きで
私のお気に入りの一枚。

展示の序盤は近畿の山々を描いた浮世絵で、
自分の知っているところが
江戸時代に絵になっていたんだと思うと
なんだか嬉しくてむずむずした。

よく考えたら、普段鑑賞するのは
海外の絵画が多くて、
自分の知っている場所が
絵になっているのを見るのは
あんまりない体験かもしれない。

後半は
歌川広重の東海道五十三次と
葛飾北斎の富岳三十六景がメイン。

この中に、応為が手伝ったものもたくさんあるんじゃないかと思うと、これまた嬉しくてむずむずした。

富岳三十六景を見るたびに、にまにましていた。
人が少なくて本当に良かった。

有名な「神奈川沖浪裏」も見れて大満足。

今日改めて思ったのは、
摺り師さんすごすぎ、ということ。

浮世絵って、違う色を塗った版木を
何度も同じ紙に摺っていくと思っている。
つまり、一回でも、版木と紙がずれたら
それでボツになると思う。

そんな作業を何度も繰り返して、
色の違い、深さが出るのだと思うと
職人技に脱帽する。


大阪浮世絵美術館はビルの1フロアのみだけれど、
60枚弱の浮世絵が見れた。

大きな美術館で行われる展示も
もちろん好きだけれど、
こういうこじんまりとした、
テーマがはっきり決まっている美術館で
じっくりと絵を楽しむのもよいな、と思った。


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