見出し画像

世代を超えて、おしゃべりを楽しめる場所。

「芽が出たときが、嬉しいからやめられないんだよね」

「そうそう」

それから、どんどん話が進んで…

今朝、現役のベテラン農家さんと引退した元農家さんとの会話の一部。2人は74歳と90歳の男性だ。毎朝というわけではないが、お店では野菜や農業に限らず、様々なおしゃべりが、世代や性別、所属や肩書を超えて紡がれていく。幸せな空間と時間だ。

Withパンデミックな世界はとてもストレスフルだ。だからこそ、平和な時間が愛おしい。小さな野菜直売所だけど、僕たちが大事にしているものは、とてもはささやかなものだ。お店は単にお買い物をする場所にしたくはないという気持ちで日々時を過ごしている。

北海道に新冠町の野菜直売所をオープンして、僕たちがしてきた経験や気づきなど、とても小さなことだけれど、これからも伝えていきたいと思う。

人口約5400人の町の小さな野菜直売所は、市民そして観光客のコミュニケーションの場としても機能していて、このことは中々可視化しづらい領域だ。

特に町で暮らすシニアと対話できる場所として考えると、とても希少だ。

シニアの方との会話から学ぶことは多い。若者そして中年、シニアでは、見えている世界が違う。価値観も違う。

もしも、どこかの町で世代を超えたの交流の場をつくってみたいと考える方がいらっしゃるのならば、野菜直売所がおすすめだ。地域の平和にも繋がると確信している。

心の豊かさみたいなものだけではない、日頃、不断にコミュニケーションをとっていれば災害対策にもつながる。

野菜直売所は、先輩(人生の先輩)たちが野菜について話したり、町のこと、世界のことについて、お喋りする場所だ。

彼らと野菜直売所でおしゃべりしている間に、最近の野菜のトレンドに関する情報も得ることができるし、新冠という町の歴史にも触れることができる。あるいやWithパンデミックな世界で、どう人が暮らしていくべきかについてのアイデアが生まれる。

何も考えずにおしゃべりするだけで、人生を楽しむことができる。

こんな幸せなことってあるのだろうか?

そして僕らは、もっと「欲張り」になろうとも思う。

野菜直売所を起点として、地域の産業が活性化し、若者の雇用や高齢者の楽しみの創出につながるようにと。

先人たちの人生経験を若者が共有すること。店の温かみと町の歴史を感じて欲しい。

こんな時代だからこそ、過去、現在、未来を想像して知見を共有する。その蓄積がコミュニティに安全と豊かさをもたらすことだろう。

日本には大きな社会問題がある。世界にもある。多くの若者が地元を離れ、東京などの都市部に移り住んでいる。致し方ないことだとも思う。

でも都市部にも社会問題は沢山ある。東京で長く暮らしていた僕らだからこそ、わかることもある。都市部で家族(身寄り)のいないお年寄りは家に閉じこもりがちだ。僕が以前暮らしていた町でも、外に出たいと思っていてもなかなか出られないお年寄りがたくさんいる。

もちろん、全てではないが…

日高地方の地域のおじいちゃんおばあちゃん達の営みそのものを、どうにか可視化させることはできないものか思う今朝でした。

それでは!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?