旬野菜で四季の移ろいを定点観測。「和菜屋 宴」の野菜のうまみ120%御膳＆デザート＠山梨県山梨市

路地裏にたたずむ、一軒の家。
「宴」の黒い看板と、赤い扉から、なにやら敷居が高そうな気配がしてくる。

と思いきや入り口前にはカエルちゃんがお出迎え。
ちょっと怖気付いた心を癒してくれた。

そーっと赤い扉をあけ、中に入る。カウンターあり、テーブル席あり、木を基調にした割烹のような雰囲気だ。

ランチタイムは2種類。お野菜中心の菜々ランチか、創作和膳の遊々ランチ。2021年10月の時点では、ランチは月火金土日の5日間営業になっていた。

カウンターで手際のいい大将を見ながら待つ。
小鉢たちはほどなくして運ばれてくる。ちょっとずつ彩り豊かに盛られた子達は、目の前にきただけで心が華やぐ。

旬野菜なので、もちろんその時々によって料理内容は変わる。
ここでは、四季の移ろいの定点観測結果を記録していこうと思う。

2020年11月7日　遊々ランチ＆デザート

・お刺身（まぐろ、えび、ほたて）：口の中でだんだん脂がとけていくのがわかる
・水菜などの白和え：野菜のしゃきしゃき食感とゴマの風味がたまらない
・たたきごぼう：ごぼうの柔らかさ、お酢加減、ごまのすりつぶし具合、パーフェクト
・さつまいもが入った胡麻豆腐？：ねっとりしたものの中にさつまいもの角切りが入っていておいしかった
・卵焼き：甘めの味付け
・焼き鮭
・煮物：ごま油香る、野菜の甘みが滲み出たスープ
・揚げ物：衣がカリッカリ、塩加減も抜群。
・１６穀米
・お味噌汁：油揚げとわかめ
・たくあん

一品一品とても丁寧につくられており、素材のよさが引き出されていた。
全体的にゴマがいい仕事をしていて、ゴマ好きにはたまらない。

体にいいもの食べたなあ〜という感じで、幸福な満腹感が襲いかかってくる。

野菜を使ったデザートは注文必須。（ランチタイム限定450円）
これは絶対に頼むべき。このデザートだけでも食べに来たいと思ったくらい、野菜のポテンシャルを思い知らされた。

・エンドウ豆のチーズケーキ：チーズのほのかな酸味と豆の風味が絶妙
・かぼちゃアイス：THE かぼちゃ！！！ かぼちゃ好きにはたまらないかぼちゃ感
・フルーツ寒天：ほぼほぼフルーツ。寒天部分がわからないくらいフルーツ
・いちじく：季節の果物
・カスタードソース：ねっとりした甘さが舌の上に広がる
・フランボワーズソース：見た目にも味にも、全体をまとめあげる

2021年1月30日　遊々ランチ＆デザート

・お刺身（えび、ほたて、まぐろ）：お刺身に添えてある大根が、パリッとしていておいしい。ほのかな甘みで、音も楽しくて、食べていて五感が研ぎ澄まされていくようだ
・魚の南蛮漬け：しっかり味がついているけれど、最後にはまろやかさが残る。衣付きであげてあるけれど、全く油っこさを感じない。
・野菜の胡麻和え：ごまの優しさがにじみ出ている
・なます：大根と人参のさっぱり系
・アオサ入り卵焼き：アオサの香りがふわんと漂い、ベースは甘めの味付けで関東人はほっとする
・焼き魚：卵焼きの隣にあるからか、お弁当を思い出す
・煮物：やっぱり煮汁がおいしくて、行儀悪いかもしれないけれど飲み干さずにはいられない。その時の私は待てと言われても待てない犬
・揚げ物：丸ごと１本の人参揚げは、甘さと衣のカリカリでフライドポテトのような中毒性がある。ブロッコリーの天ぷらが目新しかった、なんか海苔っぽいような風味がして美味
・味噌汁：わかめとお麩
・ご飯
・お漬物：たくあんとごぼうとキャベツっぽいやつ、これだけでご飯食べられそうなくらい

やはり欠かせないデザート。これが目的といっても過言ではないかも。

・さつまいもアイス：焼き芋食べてるようなねっとり感と濃い甘さ
・エンドウ豆の焼きプリン：エンドウ豆のしっかりとした固め生地に、ほろ苦いカラメルがからみあう
・トマトのムース：葉っぱが生えているのが可愛い、ドライトマトみたいな、トマトの旨みがぎゅっと詰まってる味がする
・カスタードクリーム：プリンってとけたらこうなるのかな、というクリーミー＆ねっとり感。プリンクリームと名付けてもよさそう

2021年4月24日　遊々ランチ＆デザート

・お刺身（ほたて、まぐろ、湯葉）：小鉢が一つ少ない分？ 豪華な気がした。くるくる巻かれた湯葉が入ってて珍しい。ツマの繊細さは相変わらずで、ラディッシュの飾り切りもいちいち芸が深い。
・野菜の胡麻和え：小松菜かな？ 変なえぐみがなくてねっとりごまがおいしい
・ごま豆腐：ごま豆腐なのか分からんけど、とにかくおいしい笑 れんこんかな、シャキシャキしたのが入ってて好き
・アオサ入り卵焼き：毎回思うけどボリュームがすごいよね
・焼き魚：しっかり下味がついていて、ふっくら焼かれてる
・煮物：里芋、かぼちゃ、にんじん、さつま揚げをベースに、季節の緑野菜が乗るらしい。今回は鮮やかなブロッコリー。前よりもごま油感が薄めだったかな
・揚げ物：この時期ならではのベビーコーンがコリコリで美味。小さなじゃがいも丸ごと揚げもホクホクで、カリカリ衣と程よい塩味はポテトチップスのような中毒性があるぞ
・味噌汁：わかめと油揚げ、上には三つ葉が散らされていて香りがいい
・ご飯：具は少なめの炊き込みご飯
・お漬物：たくあんと大根塩昆布漬け

・きな粉とくるみのアイス：説明聞いた時点で絶対おいしいじゃんって確信する組み合わせ。最初はきな粉の香ばしさが舞い、ゴロゴロ入ったくるみが後味を支配する
・新じゃがいものチーズケーキ：なぜじゃがいもを入れようと思ったのか、聞きたい。あえて皮付きなのであろうじゃがいものほっくりと、チーズケーキのねっとり。そうか、さつまいもチーズケーキだってあるのだから、じゃがいもチーズケーキがあってもおかしくないじゃないか、という結論に辿り着いた。おいしいのでどうでもいいんですが。
・果物の寒天よせ：寒天部分が少ないのは前と同じ。フォークを突き刺しても果物がゴロゴロしているので下まで貫通しません笑
・カスタードクリーム：このカスタードをいかに残さずにすくいきることができるか、毎回の課題。

2021年7月31日　遊々ランチ＆デザート

・お刺身（ほたて、まぐろ、えび、湯葉）：ちょっと凍ってるマグロも、口の中で溶かすとそれはそれで旨みを感じる。長ネギとにんじんと大根？ の繊細なツマは煌びやかで、シャキシャキとたくさん入っていて好き
・小松菜？の煮物：油揚げとにんじんと小松菜の、よくある煮物
・野菜とサーモンの南蛮漬け：お酢が聞いててさっぱり食べられる一品。ほぐされたサーモンも入っていて贅沢気分
・アオサ入り卵焼き：やっぱりアオサが入ると香りがいい。最初は甘いと思ったけれど、これはこれでほっこりする
・焼き魚：前回同様、しっかり下味がついている
・煮物：里芋、かぼちゃ、にんじん、がんもどき、ウリ系の野菜。今回はさつま揚げじゃなくて、がんもどきだった。この度も煮汁を飲み干してしまった
・揚げ物：ナスとズッキーニの揚げ物がとろりでサクサクで最高。きのこをまとう白胡麻もたっぷりで、塩加減も絶妙
・味噌汁：わかめと高野豆腐、しいたけ、三つ葉。味濃いめのお味噌だけど、三つ葉の風味がさっぱりさせてくれる
・ご飯：油揚げやにんじん、ごぼうが入った炊き込みご飯。単なる醤油ではない不思議な味だった気がする
・お漬物：きゅうり

・ぶどうのアイス：なんか食べたことあるような気がすると思ったら、アイスの実を彷彿とさせるねっとり感とぶどう味
・かぼちゃのチーズケーキ：この時期にかぼちゃがでてくるとは予想外で嬉しい。荒ごしカボチャのざらざら感が、濃厚さを増している気がする
・果物の寒天よせ：青パパイヤとあと2種類くらい入っているらしい
・スイカのゼリーよせ：スイカのジャリ感に夏っぽさを感じる。とってもあっさりで、チーズケーキのまったりの後に食べるとリフレッシュできる
・カスタードクリーム：いつもよりたっぷりだった気が。ぶどうアイスとこのクリームが合ってぶどうパフェみたいな味わいになった
・すもも：季節のフルーツ

2021年10月29日　遊々ランチ＆デザート

揚げ物の、さやえんどう？ を海苔で巻いて天ぷら衣つけたやつが珍しかった。いつもと違うのは里芋のきぬかつぎっぽいやつ。
それぞれが濃いめの味付けなので、ご飯は薄めの味付けでちょうどいい。
※その他毎回同じものは割愛

・えびすかぼちゃのアイス：一口食べて、「ありがとう」と感謝が込み上げてきた。幸せMAXなお味。
・ぶどうゼリー
・トマトのムース
・柿、いちじく、メロン、さつまいもの甘煮：混んでて結構待ったからか、フルーツ盛り盛りで出してくださった
・カスタードクリーム：前はとろとろだったけど、もったり系だった

2022年1月28日　菜菜ランチ&デザート

・カレーコロッケ：さつまいもと人参がゴロゴロ入ったカレー風味のサクサクコロッケ。底にはごまソースが敷かれており、カレーとごまの仲良しさに驚き。
・野菜のデミグラス煮込み？：肉なしビーフシチューのようなさらっとしたスープに、人参・かぼちゃ・大根などの野菜がゴロゴロ。
・ごぼうのきんぴら：ちょっと多めの油で揚げ焼きっぽく、カリカリになったきんぴらごぼう。これでもか！というくらい、ごまがたっぷりまぶされていて風味豊か。
・白和え：ちょっと甘めで、ねっとりとした舌触りが心地よい。見た目以上にボリューミーで、きのこなども混ぜられている。
・白ごはん(量少なめ)
・味噌汁
・大根の漬物

・きなこ黒糖アイス：きなこの香ばしさと、くるみの香ばしさと、黒糖の奥深い甘み
・えんどう豆のチーズムース：えんどう豆が全力でアピールしてくる。粒も大きめに砕かれていて、ふんわりムースの食感と相性が良い。
・ぶどうムース：ワインっぽくもある、上品な大人の味わい
・キウイ、イチゴ、オレンジ
・チョコレート：おまけかな？
・カスタードクリーム：前回よりはトロトロだけど、もったりめ。

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季節によって素材は変わる。素材が変われば料理も変わる。
春夏秋冬の旬を料理から感じられる場所があるなんて、すてきだ。

ごちそうさまでした。

和菜屋 宴