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2/7発売【文春電書】文春文庫2月新刊

全国各地で寒波に見舞われておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
池井戸潤さんの『シャイロックの子供たち』が17日から映画公開。原作本の売れ行きも好調でございます。昨年12月公開の『ラーゲリより愛を込めて』のノベライズ、および原作の『収容所から来た遺書』ともに1月も売れ続けております。原作の映像化が続き、活気づいている文春文庫の2月新刊をご紹介いたします。

村上春樹『一人称単数』

人生にあるいくつかの大事な分岐点。そして私は今ここにいる。 ――8作からなる短篇小説集、待望の文庫化!
同じバイト先だった女性から送られてきた歌集の、今も記憶にあるいくつかの短歌。 鄙びた温泉宿で背中を流してくれた、年老いた猿の告白。 スーツを身に纏いネクタイを結んだ姿を鏡で映したときの違和感——。 そこで何が起こり、何が起こらなかったのか?

岡本さとる『名残の袖 仕立屋お竜』

昼は腕の良い職人、裏の顔は「地獄への案内人」。女の敵は許さない、時代小説界のニューヒロイン・仕立屋お竜の剣技が冴える第三弾。
加賀屋に縫子として通うことになったお竜。店の女主人は亡くなっており、主人と息子・彦太郎が遺されていた。懐いてくる彦太郎に母性くすぐられるお竜だが運命は無惨にも……。

安東能明『夜の署長3 潜熱』

北新宿の路上でホストが暴行された。新宿署の古城美沙巡査部長は、入院したホストに話を聞くため医大病院でベテラン警部補・下妻晃と合流する。その時、病院理事長が銃撃された。白昼堂々起きた衝撃の射殺事件の黒幕は、何者なのか――。新宿の裏も表も知り尽くした“夜の署長”こと下妻の活躍を描く、大人気シリーズ第3弾!

稲葉稔『武士の流儀(八)』

隠居はしたが、人の道に外れた所業に黙ってはおれぬ! 旧知の友人勘之助の誘いで酒肴を馳走になった帰り、 ほろ酔いで川沿いを歩いていた桜木清兵衛は、 何者かに襲われ、意識を失ってしまう。 目を覚ましたのは見知らぬ大男・与助の長屋だった。 与助に感謝する清兵衛だったが、 自分が倒れていたあたりで人が殺され、 死体が川に浮かんでいたことを知り……。 元風烈廻りの与力・清兵衛が江戸の庶民を助ける人気シリーズ第8弾!

平岩弓枝『セイロン亭の謎』

新幹線の新神戸駅から歩くふたりの男性。テレビキャスターとカメラマンが目指すのは、とある異人館--- 人気の紅茶店「セイロン亭」を経営する一族が所有するその豪壮な館で、何が起こるのか? 平岩弓枝はやっぱりミステリーも抜群の面白さです。

阿部和重『オーガ(ニ)ズム 上・下』

現実が終わり、伝説も終わる――
作家・阿部和重の東京の自宅に、ある夜、招かざる客が瀕死の状態で転がり込んできた。
その男・ラリーの正体は、CIAケースオフィサー。
目的は、地下爆発で国会議事堂が崩落したことにより首都機能が移転され、
新都となった神町に古くから住まう菖蒲家の内偵。
新都・神町にはまもなく、アメリカ大統領オバマが来訪することになっていた。迫りくる核テロの危機。
新都・神町に向かったCIAケースオフィサーと、幼い息子を連れた
作家は、世界を破滅させる陰謀を阻止できるのか。『シンセミア』『ピストルズ』からつづく神町トリロジー完結篇。
作家、3歳児、CIAケースオフィサーによる破格のロードノベル!

逢坂剛『禿鷹狩り〈新装版〉 禿鷹Ⅳ』

あんたの仕事は、ハゲタカを消すことだ!!
禿富鷹秋、絶対絶命。ヤクザも南米マフィアも手玉にとる神宮警察署の極悪刑事を最強の刺客が襲う。果たしてサバイバルできるか!?  暗黒警察小説シリーズの白眉。解説・誉田哲也

シリーズ第1作はこちらです。第1作目から是非お読みください!!

内田樹『サル化する世界』

「今さえよければ、自分さえよければ、それでいい」=サル化
現代社会に蔓延する近視眼的なポピュリズムの病理をえぐり出し、AI時代の教育論から貧困問題まで縦横無尽に掘り下げた、知的興奮の一冊。
・なぜ日本の老人は幼稚なのか?
・トランプに象徴される揺らぐ国際秩序
・分断化が進む社会における「気まずい共存」について
・司馬遼太郎から考える国民国家の形
・戦後日本はいかに敗戦を否認してきたのか ……etc
ブログベースに大幅改稿・加筆をしたコンピレーション本。45万PV以上を叩き出した文春オンラインの「内田樹が語る高齢者問題」などの話題のコンテンツ、堤未果氏との特別対談なども収録したスリリングな一冊。

司馬遼太郎記念財団編『「司馬さん」を語る 菜の花忌シンポジウム』

2023年は司馬遼太郎生誕100年!
司馬さんが好きだった花に由来する〈菜の花忌〉。司馬作品にちなんだテーマで、パネリストたちが自由に意見交換をするシンポジウムは、司馬作品のさらなる魅力を見出す場として、定着している。
過去25回の中から17回分のシンポジウム、3本の講演を編んだ、文春文庫オリジナル。新たな気づきを与えてくれる貴重な記録。
目次抜粋)
「竜馬と司馬遼太郎」井上ひさし・檀ふみ・永井路子・松本健一/「二十一世紀に生きる君たちへ」安藤忠雄・井上ひさし・養老孟司/「司馬作品の輝く女性たち」田辺聖子・出久根達郎・岸本葉子/「『坂の上の雲』と日露戦争」篠田正浩・黒鉄ヒロシ・松本健一・加藤陽子/「3・11後の『この国のかたち』佐野眞一・高橋克彦・赤坂憲雄・玄侑宗久/「『関ケ原』——司馬遼太郎の視点」原田眞人・葉室麟・伊東潤・千田嘉博/「土方歳三と河井継之助——『燃えよ剣』『峠』より」小泉堯史・黒川博行・星野知子・磯田道史/「『胡蝶の夢』——新型コロナ禍を考える」澤田瞳子・澤芳樹・村上もとか・磯田道史
文庫オリジナルです。

神野紗希『もう泣かない電気毛布は裏切らない』

俳句を詠む、俳句を味わう喜びを一冊に閉じ込めた、 俳句甲子園世代の旗手の初エッセイ集 恋の代わりに一句を得たあのとき、私は俳句という蔦にからめとられた。 幼い息子の声、母乳の色、コンビニのおでん、蜜柑、家族、故郷……日常の会話や風景が、かけがえのない顔をして光り出す。 正岡子規を生んだ〈俳句の聖地〉、愛媛県松山市に生まれ、高校時代に俳句甲子園をきっかけに俳人となった神野さん。 NHK-BS「俳句王国」司会などマスメディアでも活躍する才媛が、明晰にして情緒あふれる筆致で俳句の魅力に迫る珠玉のエッセイ集。

出口治明『0から学ぶ「日本史」講義 中世篇』

出口さんがはじめて「日本史」に真正面から取り組んだ、週刊文春人気連載の文庫化です。世界史を独自の視点で解説してきた出口さんが日本史を説いて話題となった第二弾は、「応仁の乱」「承久の乱」を含む中世篇。
源平合戦はなかった? 平清盛はスティーブ・ジョブズ? 白拍子は当時のアイドルだった? などなど、歴史の常識を揺さぶられ、かつ分かりやすい喩えで楽しく学べます。
そして巻末には、その『応仁の乱』(中公新書)著者である呉座勇一さんとの対談も収録。

先月発売の「古代篇」をお読みになっていない方はこちらからそうぞ!

ポール・モーランド著  渡会圭子訳『人口で語る世界史』

新聞各紙で絶賛の話題の書!
人口を制する者が世界を制してきた。ロンドン大学・気鋭の人口学者が「人口の大変革期」に当たる直近200年を一般読者向けに書きおろし、各紙の書評で紹介された全く新しい教養書。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
間もなく文春文庫50周年を迎えます。
1974年6月に創刊いたしました。
五木寛之『青年は荒野をめざす』、北杜夫『怪盗ジバコ』、柴田翔『されど われらが日々──』、石川達三『花の浮草』、井上靖『おろしや国酔夢譚』、司馬遼太郎『最後の将軍』、松本清張『象の白い脚』、小林秀雄『考えるヒント』、畑正憲『ムツゴロウの青春記』、J・アダムソン/藤原英司訳『野生のエルザ』
『最後の将軍』や『考えるヒント』など、いまだに売れ続けている名著がならび、並々ならぬ意気込みがうかがえます。

創刊50周年に向けて、これからも魅力的な作品をたくさん出して参ります。応援のほどよろしくお願い致します。


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