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星野道夫さんの『旅をする木』が電子書籍になりました!

アラスカを愛した写真家・星野道夫

写真家・星野道夫さんは、アラスカの自然とそこに生きる野生動物や人々の営みを愛し、写真や文章で記録し続けました。星野さんの作品は国内メディアにとどまらず、「National Geographic」「Audubon」などの海外誌でも取り上げられています。
その文章は教科書にも収録され、授業で初めて星野さんに触れたという人もいるかもしれません。
星野さんとアラスカとの出会いは19歳のとき。神田の古本屋で手に取った写真集にあったエスキモーの村の空撮写真がきっかけでした。星野さんは、村長に手紙を書き、夏休みの約3カ月をアラスカで過ごします。1978年にアラスカ大学野生動物管理学部に留学、以後アラスカを生活の拠点とし、北極圏の自然や野生動物と共生する人々の暮らしを追い続けました。
96年、撮影中の事故により43歳という若さでこの世を去った星野さんですが、生前、数々の随筆や写真を遺し、アラスカの野生動物や大自然を多くの読者に伝えています。


『旅をする木』電子版配信開始!

3月4日から、写真家の星野道夫さんの著書『旅をする木』が、電子書籍でも読めるようになりました。
『旅をする木』は、1995年に発売された全33編のエッセイ集です。累計部数は37万部を超え、著名人の愛読書として名前が挙がることも多い、刊行から30年近く経つ今もたくさんの読者に愛されるベストセラーです。

『旅をする木』電子化に寄せて
(星野道夫事務所代表・星野直子さん)

『旅をする木』の電子書籍の配信に際し、星野道夫事務所代表である奥様の星野直子さんからコメントをいただきました。

『旅をする木』は1995年に単行本として刊行されてから26年間、多くの方々に読み継がれてきました。星野の作品を読んでくださっている方々にはもちろんですが、今まで手に取る機会のなかった方や、電子書籍化されたことで、作品と出会う方のお手元に届きますと大変嬉しく思います。

『旅をする木』の魅力

電子書籍のエッセイ『旅をする木』の魅力を、改めてご紹介いたします。

1)大自然と動物と逞しい人々
星野道夫さんが「まるで熱病に浮かされたかのように」夢見たアラスカでの暮らしには、冬ごもりをするクマや、巨大な鹿・ムース、カリブーの大群など、北極圏の動物たちがたくさん登場します。また、星野さんの人生を動かした写真家ジョージ・モーブリイ、ブッシュ・パイロットのドン・ロスなど、個性的で逞しい人々とのやり取りも魅力的です。

2)語りかけるようなやさしい文章
友人に宛てて書かれた手紙のような、やさしい文章が特徴的です。
アラスカ中央の都市、フェアバンクスからの報告で始まる冒頭の「新しい旅」では、季節の移ろいを喜ぶ様子がいきいきと記されています。

「人間の気持ちとは可笑しいものですね。どうしようもなく些細な日常に左右されている一方で、風の感触や初夏の気配で、こんなにも豊かになれるのですから。」
(『旅をする木』Ⅰ「新しい旅」より)


3)繰り返し読みたい、心に残ることば
友人との出会いと別れ、直子さんとの結婚、キスカ島への訪問などを通して感じたことが、誠実なことばで綴られる一節は美しく心に残ります。何度も反芻したくなるような文章が『旅をする木』にはいくつもあります。

「人生はからくりに満ちている。日々の暮らしの中で、無数の人々とすれ違いながら、私たちは出会うことがない。その根源的な悲しみは、言いかえれば、人と人とが出会う限りない不思議さに通じている。」
(『旅をする木』Ⅲ「アラスカとの出合い」より)

こんなときに読みたい『旅をする木』

人間関係に悩むとき、過去の選択に自信をなくしたとき、大きな決断をするとき、星野さんの言葉は、読者の心の支えになるように思います。また、若い読者が昨今の暮らしに閉塞感をおぼえているならば、いま見えている日常が世界のすべてではないということがわかるでしょう。
人生のさまざまなシーンで、開くたびに力をくれる1冊です。

未読の方も、読んだことのある方も、この機会に改めて読んでみてはいかがでしょうか。

こちらの電子書店で購入できます

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