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10/11発売【文春電書】文春文庫10月新刊&おすすめの既刊

生まれてこの方40年、すべてギリギリの進行で生きている、デジタルマーケティング部のKです!
発売日当日の投稿はさすがにマズいなと思いつつも、今月もお送りいたします。

角田光代『対岸の彼女』

単行本は2004年刊行、2005年に第132回直木賞受賞作です。文庫は2007年刊行。文庫版刊行以来、版を重ねること38回。ずーっと売れ続けており、世代を超えて多くの方が、自分の人生と重ね合わせながら読まれいます。1年だけ15勝する投手、40本ホームランを打つ選手も大切ですが、何年にも渡ってローテーションを守り、全試合出場する、そんな名選手のような作品です。
たいせつな友人との関係に迷ったら、読んでみてください。

それでは、今月新刊のご案内です。

宮城谷昌光『孔丘 上・下』

青年は「礼」のみを携え 乱世に飛び込んだ 「われはいかなる者でも教える」 儒教の祖・孔子を描く最高傑作!
春秋時代、魯に生を享けた孔丘は、家族の情愛に恵まれずに育つが、詩と礼を愛する青年となる。三十で官途を辞し、首都・曲阜に建てた教場には次々と若者達が入門してきた。
有力貴族が主君を脅かす魯にあって古の学問への探究心やみがたく、四十を迎えんとする孔丘は、先進国・周に留学する。稀代の教育者の生涯を描く大河小説。

冲方丁『剣樹抄 不動智の章』

父親の仇は、光國だった。傑作時代エンターテインメント第二弾!
幕府の隠密組織「拾人衆」の一員となった無宿の少年、六維了助。 明暦の大火を引き起こした盗賊の「極楽組」を追う中で、父を殺した憎き男の正体が慕っていた光國と知る。裏切られた思いで仇討ちに走ろうとする了助を、剣術家の柳生義仙が取り押さえ、二人は廻國修行の旅へ――。

第一弾はこちら!

中山七里『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』

2作目も暴走が止まらない老老コンビ!
元裁判官の静おばあちゃん(80歳)✕車椅子の破天荒じいさんの玄太郎(70歳)。老老コンビが活躍する痛快事件簿第2弾!
性格真反対ゆえ、日本一そりが合わない静と玄太郎。しかし、不可解な事件が起きるやいなや、最強の名探偵コンビに変身、事件解決に奔走(暴走)するトリック駆使の大人気シリーズ。 癇癪を起こし続けてきた車椅子の暴走老人・玄太郎。「あまりカッカすると、寿命が縮まりますよ」という言葉通り、入院する事態に……。その上、静の裁判官時代の同僚らが次々と謎の不審死を遂げる。 敵の次なる標的は静なのか?「悪意」の正体を暴くため、真相を追及する老老コンビのノンストップミステリー! 解説・香山二三郎

こちもまだまだシリーズ第二弾。ぜひ、第一弾からお読みください!

山本文緒『ばにらさま』

伝説の直木賞受賞作『プラナリア』に匹敵する、中毒性の高い短編小説集。 ①「ばにらさま」
僕の初めての恋人は、バニラアイスみたいに白くて冷たい……。
②「わたしは大丈夫」 
夫と娘とともに爪に火をともすような倹約生活を送る私。
③「菓子苑」 
気分の浮き沈みの激しい女友だちに翻弄されるも、放って置けない。
④「バヨリン心中」 
余命短い祖母が語る、ポーランド人の青年をめぐる若き日の恋。
⑤「20×20」  
主婦から作家となった私は、仕事場のマンションの隣人たちと……。
⑥「子供おばさん」 
中学の同級生の葬儀で、遺族から形見として託されたのは。
以上6編を収録。 日常の風景の中で、光と闇を鮮やかに感じさせる凄み 読み進むうちにぞっと背筋が冷えるような仕掛け 「えっ」と思わず声が出るほど巧みな構成 二度読み必至! 引きずり込まれる魅力満載の山本文緒文学! 2021年10月に惜しくも死去した著者最後の小説集。

稲葉稔『武士の流儀(九)』

元風烈廻りの与力が活躍する人気シリーズ第9弾!
大店勤める一方で、生計の費えを出し渋る夫に、 ほとほと嫌気がさしたおのりは、 息子の大吉を連れて家を出た。 しかし、離縁に応じようとしない夫が 母子の長屋の近くに越してきてしまう。 ある日、大吉の姿がみえない、と慌てて捜す おのりをみかけた桜木清兵衛は、 声をかけ……。
今作での清兵衛最大のピンチにして活躍どころは、妻の安江がある男に襲われる第三章の「逆恨み」。 普段は安江さんにちょっと頭が上がらない清兵衛ですが、いざとなると強くてかっこいい!イケオジっぷりを発揮しています。 剣の腕だけでなく、人柄も頭の回転も冴えている清兵衛の活躍をお楽しみください。

福澤徹三『侠飯9 ヤバウマ歌舞伎町篇』

悪を倒して飯を食う! 
専門学校を卒業したものの、就活に失敗してバイト暮らしの蓬創介。 求人サイトで見つけた企業の面接を受けに新宿へ出かけたが、 そこを運営していたのは、極悪非道の半グレ集団だった! 履歴書などで個人情報を握られて、逃げるに逃げられず、 歌舞伎町のバーで働いていると、頬に傷持つあの男があらわれて……。
シリーズ最悪の敵に、柳刃たちの怒りが炸裂する文庫書き下ろし第9弾!

篠田節子『田舎のポルシェ』

担当編集より。
この一風変わったタイトルから内容を予想できる人はいないでしょう。
表題作は〝実家の米を引き取るため、資料館勤めの女性が強面ヤンキーの運転する軽トラで、大型台風が迫るなか1日で岐阜―東京間1000キロを往復する〟という一見突拍子もない物語ながら、メインのふたりに現代日本の世相を反映させつつ、融通無碍で予測不能な展開で読者を思わぬところまで連れて行ってくれます。 さらにコロナ禍の真っ只中に書かれた感動作「ロケバスアリア」は、コロナ後を生きる私たちの背中を押してくれるような必読の感動作! 名手・篠田節子の熟練の筆が冴える作品集をぜひお楽しみください。

鳴神響一『鎌倉署・小笠原亜澄の事件簿 極楽寺逍遙』

担当編集より。
幼馴染の警察官コンビが鎌倉を舞台に難事件を解決していく、「鎌倉署・小笠原亜澄」シリーズの第三弾です。 物語は、鎌倉大仏付近の丘の上で学芸員の鰐淵貴遥が撲殺体で発見されるところから始まります。 貴遥の父は鎌倉が誇る名画家・鰐淵一遥で、事件のカギは一遥が持つ謎の美人画だとわかってきます。 美人画に隠された秘密に迫る亜澄は、今回も可憐に事件を解決できるのでしょうか。 著者の鳴神響一さんとは、今作の舞台である極楽寺周辺を取材で一緒に歩き回りました。 物語では鎌倉の特徴的な地形である「谷戸」の様子が美しく描かれています。 秋になり美しさを増す鎌倉に、また行きたくなります。

会田誠『げいさい』

佐渡出身で藝大志望の僕は多摩美の学園祭を訪れ、カオス化した打ち上げに参加する。酒を飲み、芸術論を戦わせる中、僕は浪人生活を 見つめ直す。表面的なテクニック重視の受験絵画は、個性や自由といった芸術の理想とはかけ離れていた。真に人の心を揺さぶる表現とは。気鋭の現代美術家が、揺れ動く青年期を鮮明に描いた傑作小説。

宮本紀子『むすめの祝い膳 煮売屋お雅 味ばなし』

「煮売屋お雅」シリーズ第二弾! 腹を空かせた町人たちが頼りにしている、旬のお菜をたっぷり揃えた「旭屋」。見世の主であるお雅は、おかみさんたちの希望で、桃の節句に合うお菜をこしらえることに。年に一度のお祝いのために知恵をしぼるお雅だが、雛祭りを喜べない娘がいることもわかり――。「旭屋」を取り巻く、温かくて少し切ない人間模様を描く傑作時代小説。

東海林さだお『マスクは踊る』

コロナとともに始まった令和。しかし、戦時下で育った者にとって、コロナ下などものの数ではないのだ。他にすることもないので一人外に出れば、散歩道を極めたダライ・ラマとおぼしき幼児に出会う。マスク姿で行き交う人々を仔細に観察すれば、「人間は本来、顔を露出させてはいけない生き物だったのだ!」という衝撃の新事実を発見。そして、これまた誰も気づいていなかった令和のレン・チン疑惑に気づいてしまい……。爆笑エッセイはまだ続く。コロナでも、令和でも、東海林さだお通常運転中です。

柚月裕子『ふたつの時間、ふたりの自分』

人気作家・柚月裕子ができるまで――。
2008年のデビューから2023年現在までの15年間の軌跡を辿る。温かな言葉で綴られた、笑いと涙あふれるエッセイ集。

ピエール・ルメートル『僕が死んだあの森』

『その女アレックス』でミステリー界を揺るがしたルメートル、最新ミステリー。  はずみで6歳の子供を殺してしまい、その罪を逃れることができた少年アントワーヌ。  偶然に成立した完全犯罪が暴かれる日は来るのだろうか。  不安に苛まれる青年の内面を繊細に描く、名作『太陽がいっぱい』に比肩する会心の犯罪心理サスペンス。

今月も最後までお読みいただき有難うございました。
また来月もお楽しみに!


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