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日本vsドイツ 分析してみた

こんにちは。分析屋の徳永です。
突然ですが皆様、ワールドカップ観戦していますか?
筆者は4年に1度のイベントだからということで、毎日明け方の3:00近くまでLIVE配信を見ています(笑)
おかげで昼間はカフェイン飲料が離せない体になってしまいました。

さてそんな中、日本代表ですが先日のドイツ戦は劇的な勝利でしたね!
自宅で見ていたのですが、ゴールが入るたびに叫んでいたため喉の調子がとても悪いです。(未だに喉の調子が戻りません)

今回のブログは、そんなドイツ戦をデータを使って読み解いていきたいと思います👀
10/31の記事の続編に近い形になっているので、以前の記事も併せて読んでいただけますと幸いです。

では早速見ていきましょう!

①   前半

まずは前半のポジションはこのような形でスタートしました。
「4-2-3-1」という現代サッカーでよく見る形です。
こちらのフォーメーションは青丸の下からDFが4人、MFが(2+3)5人、FWが1人というバランス重視の形です。

ここから本格的にデータを読んでいきたいのですが、前回記事には書ききれなかった新しいデータをここで少し紹介します。
それが、「ヒートマップ」と呼ばれるものです。
サッカーを見る方にはおなじみのものですが、サッカー見たことあまりないですという方に向けて少し説明をすると、ヒートマップとは選手(チーム)がプレーしたエリアを可視化したものです。
計測方法として、ボール触った場所を測定するか、対象選手やチームが動いた位置をすべて計測する、の2種類があります。Jリーグを放映している、DAZNではハーフタイムによく紹介されているので、DAZNで観戦されている方にはなじみ深いものだと思います。
では早速、そんなヒートマップを見ていきましょう!

赤い矢印が攻める方向です。
こう見るとかなり防戦一方なのかと思いきや、意外とセンターラインを越えたところまでボールを運べていること、右サイドを使って攻めていることもこの図から判断することが可能です。(画像①参照)

ここで少し気になるのがゴール前の赤ゾーン(画像②参照)
ゾーンの色が赤くなるほどここで動いていた選手が多いことを意味します。
ではここのゾーンが最初から赤を示していたのかというと実はそうではないのです。
もう少し細かい時間で見てみましょう。

左が前半20分のヒートマップです。この段階ではまだ赤ではなく黄緑です。
右が前半38分のヒートマップです。段々赤くなってきましたね。
実はこの間の時間(前半33分)で相手にPKを与えて失点ということがありました。そこから、勢いが出てきたドイツ選手に中を崩されてしまい、日本選手がゴールの前で守る時間が多くなり、ヒートマップが赤くなっていってしまったのです。

このような流れもあり、前半のみのスタッツはこのような形になりました。

ボール支配率が19%はなかなか見ない低い数値です。ただデュエルの勝率は日本が上回り、空中戦もDFの選手をはじめとする日本選手の頑張りによりドイツに引けを取りませんでした。これらのことから、前半でのこれ以上の失点を逃れることができたのではないかと思います。

ここまで見ると「なんであんな逆転できたの?」と皆さん疑問に思うと思います。
ではここからは大逆転になった後半を見ていきましょう!

②   後半


運命の後半戦のフォーメーションは以下のようになりました。

「3-4-2-1」という形に変わりました。
前半で後ろにいた、5番と19番が一列前に出てきた形です。
その代わりにDFの選手を1人ここで投入しています。(16番)

前線の3人(14番、15番、25番)の中央突破やウィングバック(5番、19番)の上下運動で再度の攻撃など多彩な攻撃を狙えます。
また、守備面ではウィングバックの2人が下がることによって、ドイツの中盤の5人にマンツーマンでつくことができます。
前半の攻められていた時にこの形にするのも可能だったとは思いますが、ここは森保監督の我慢強さが出たかなと思います。
というのも、前半のうちにこのフォーメーションにしてしまうと、ハーフタイムでドイツが何かしらの対策をしてしまう可能性があるからです。
W杯前の親善試合で一度試していましたが、まさかここでこのスタイルにするとは多分ドイツの監督も予想していなかったと思います…(笑)

そして後半のヒートマップはこのような形になりました。

サッカーは前半と後半で攻める方向が逆になるため、後半は画像の左から右に攻める形になりました。
前半のヒートマップと比べると、攻め込んでいるのがよくわかります。
前半は右サイドからの攻撃が多かったのが、左サイドを使えるようになりました。

では左サイドが使われるようになった時間はいつかをヒートマップで見てみましょう。
そうすると後半15分以降だということがわかりました。
以下が、後半7分と後半15分のヒートマップです。

左が後半7分のヒートマップです。まだ左サイドが濃く色がついていないことがわかると思います。
しかし、右の後半15分のヒートマップを見てみると相手の陣地に深く入り込んでいる箇所が濃い色がついてきました。(画像③参照)

後半12分で相手の陣地に深く切り込んでいくドリブラーが投入されたことが大きな要因かと思います。また、同タイミングで投入されたワントップの選手も積極的に相手ゴール前に入っていったことにより相手ゴール前も濃く色が付き始めました。(画像④参照)

これで終わることもなく、森保監督はドンドンと選手を交代で入れていきます。
後半26分と後半30分で1人ずつ交代をしていきます。
その結果、フォーメーションがこのようになりました。

基本の形は後半スタート時点と変化はありませんが、前線の選手をメインに交代をしていることがわかります。(水色の選手が交代で入った選手です)
またこの交代により、ヒートマップもだんだんと変化が見え始めました。

後半30分(日本1点目)と後半38分(日本2点目)を過ぎたあたりです。

先ほどまでは左サイドのみが濃い色になっていたのが、右サイドも同じように濃い色になり、ゴール前も一部赤い色になってきています。
現にこの時間帯は日本選手の前へ向く意識が強くなっているように感じられました。
その結果2点を取りあの大逆転につながったと考えることができます。
そんな劇的な展開のあった後半のスタッツは以下のようになっています。

ボール支配率が格段に上がったのが一目でわかると思います。
前述したように、突然の日本のシステム変更にドイツ選手が対応できなくなった場面が多くなったことがこの支配率の上昇と考えられます。
デュエル勝率や空中戦勝利は前半に比べ下がってしまっていますが、体の大きいドイツ選手にこれだけ互角に戦えたのは大健闘だと思います。

以下が1試合を通してのスタッツになります。
ボール支配率がドイツよりも低い中でもこれだけの大逆転劇が可能なのがサッカーの面白さかなと思います。
デュエルの勝率が上回ったのはやはり今回の日本代表選手でドイツリーグでのデュエル王がいることはかなり大きいかなと思います。
(興味のある方はぜひ調べてみてください!)

このボール支配率が少ない中でなぜ勝つことができたのかは以前のブログでも記載したゴール期待値など色々なデータを見ていけばまだ考察は可能かと思いますが、今回はサッカーを普段あまり見ない方向けに書いている記事なのでこれくらいにしておこうかと思います。

今大会は12/17まで続きます。すでに終了している試合でも何回もジャイアントキリングが起きているように、まだまだ目が離せない試合がたくさんあります!
いよいよグループステージ突破が決定した国も増えてきて、いよいよ負けたら即敗退の決勝リーグに入ろうとしています。
日本は前回のコスタリカ戦で敗戦を期してしまったので、厳しい戦いにまた戻りましたが、最後まで全力で戦ってほしい限りです。
今回は中東開催で現地と6時間も時差が生じています。時差の関係で見るのが難しいかもしれませんが、4年に1度のビックイベントです。
配信やテレビで放送していたらぜひ観戦をしてみてはいかがでしょうか?

今回紹介したスタッツやヒートマップは以下のサイトから閲覧が可能ですので、観戦後に見てみるのも新たな発見があるかもいれません👀(LIVEでの更新もされていました)
長くなりましたが、今回はこれくらいで終わりにしたいと思います。閲覧ありがとうございました!

▼参考

2022/11/23 FIFA ワールドカップ ドイツ 対 日本 のテキスト速報と結果はこちら | Goal.com
https://www.goal.com/jp/%E8%A9%A6%E5%90%88/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84-%E5%AF%BE-%E6%97%A5%E6%9C%AC/wx2oq2d4n48ry5xbj5e5rj10

【マッチスタッツ】ドイツ対日本
https://www.soccer-king.jp/news/world/wc/20221123/1712463.html

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