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怒られる運命を背負った子

はじめに

このテーマは、先週土曜日、発達障がい支援のNPOの方達と話したときに、
私:「この子達は、怒られる運命しかない」
NPO:「そうそう、悲しいぐらいそう」
といったやり取りがあり、それがずっと心に残っていて、
書かなきゃと思っていた内容です。

我が家のバトル

最近、リモートワークをすることが何回かあるのですが、その時に、頻繁に妻と子供のたろうがバトルする声が聞こえてきます。

正直、仕事に集中できない!と思うのですが、これが我が家の実際の光景です。

妻  :「トイレ行きなさい」
たろう:「行かない」
妻  :「なんでいかないの?」
たろう:「行かない」
たろう:「ママバイバイ」
妻  :「昨日、行くってお約束したでしょ」
たろう:「行かない」
たろう:「明日にする」
妻  :「約束したでしょ(怒)」
たろう:「外行く、行く、行く、行く」
(玄関に走っていく、内鍵で対策済)
たろう:「ママバイバイ」
妻  :「お願いだから、お願い・・・」

大体、妻はこんなやり取りをした後、疲れ果てて、バファリン飲んで寝込みます。

カサンドラ症候群に近いのかもしれません。

カサンドラ症候群とは、パートナーや家族などが発達障害の一つであるアスペルガー症候群(ASD)のために、コミュニケーションや情緒的な相互関係を築くことが難しく、アスペルガー症候群の人の身近にいる人に不安や抑うつなどの心身の不調を来す状態のことを言います。特に、カサンドラ症候群の夫とそれを支える妻といったパートナー関係内で起こる場合が多いと言われています。

カサンドラ症候群は、アスペルガー症候群の夫やパートナーへの報われない支援の日々から精神的苦痛が大きくなり、本人自体が心身ともに健康でいられなくなってしまう状態になります。コミュニケーションがうまくとれず、配偶者のストレスや不安、不満が強くなってしまいます。

大阪メンタルクリニック

この記事をみている方は、ほほえましい?母と子の単なる喧嘩だと思うかもしれません。

実際、うちの母は、たろう君は正常じゃないの、発達じゃないんじゃない?とこの前言っていたぐらいです。

一緒に住んで、たろう君と接している妻、そして私しかわからない辛さだと思います。そして、この子がASDだと心の底から理解しています。

ただ、土曜日にNPOの方々と話した時に、色々とASDっ子を持つ苦労話を何故か語りあったのですが、ピッタリ一致します。

もはやあるある話になるぐらいピッタリASDっ子がやる事が一致、苦労することが一致です。

やっぱりASDっ子を持つと本当に苦労するんだなと思いました。

で、本題ですが、妻のように怒るのが普通の反応だと思います。

たろう君は4歳で、本当はオムツが取れとかないといけないのですが、未だに取れません。極端にトイレを嫌がります。

聴覚過敏があるから、換気扇の音が嫌なのかもしれません。

で、保育園の先生から、トイレに行かせてくださいと再三言われているらしく。真面目な妻は、上記のような状態になるというわけです。

じゃあ、私はどう思っているか、

「おむつ取れなくてもいいんじゃね。」

と考えています。それで小学校に上がれなかったら、通信の学校とか不登校児用の学校に通えばいいわけだしと思っています。そもそも、義務教育なんだから、オムツが取れるとか取れないとか関係ないです。

ですが、うちの妻のように真面目なママさん達は苦しむのです。なんとかしないと、何とか。これは、NPOの方達(ママさん達)も同じだったそうです。

で、彼女達がどうやってASDっ子を持つ独特の苦しみから逃れたかといえば、私と同じように、〇〇できなくてもいいんじゃないか、親のエゴを子供に押し付けなくてもいいのではと思った時からだそうです。

Noterの「のだのり」先生だったら、子どもに対しての期待が大きければ苦しみ、期待を低く設定すれば楽になるというでしょうね。

結局、オムツを取らなければならない、トイレに行かせなければならない、保育園の先生から指摘されたから直さなければならない。

という子供に対しての期待(大きな要求)を持つ限りは、ASDっ子の独特のこだわりと、反応のなさにメンタルをやられるわけです。

だから、妻にも気づいて欲しいのですが、彼女はもう目の前の事に一生懸命ですし、私の声はほとんど届かない状態です。

怒られる運命を背負った子

私も昔は必死に子育てしようとして、たろう君が食べ物を落としたりとか、いやいやと反抗した時に、怒っていました。

ですが、ある時から怒らなくなりました。いや、怒れなくなりました。

それはこう考えたからです。

この子は、これから将来ずっと怒られ続けるだろう。家庭で「〇〇しなさい」と怒られ、保育園で、「なんでみんなと同じにできないの」と、怒られ。近所からは、マナーが悪いと怒られ、そして小学校では先生から怒られ、中学校でも怒られ、高校でも怒られ、社会に出てから、絶望的に怒られる。

そんな馬鹿なと思うかもしれませんが、これは事実です。

発達障がいのように「普通のように見えて、普通の事ができない」というのはこういう苦しみを背負うのです。

この話をしたときに、NPOの皆さんは、小学校の時の話をされました。
小学校に娘を通わせていた時に、午後3時か4時が一番怖かった。
学校の先生からうちの子が〇〇と指摘されるのが毎日怖かったと言われてました。

もうお子さんが成人されていらっしゃるそうなので、かなり昔の話になります。当時は発達障がいという言葉も、ASDもなく、社会的理解は皆無。その苦労は、苦しみはいかばかりか想像もできません。

で、私の話に戻るのですが、この子は将来怒られ続ける運命だと考えたら、私ぐらい怒らずに耐えて、彼を支えてあげてもいいのではないかと思えてきました。

それ以来、あまり怒りが湧いてこないですし、子どもの好きにすればいいやと思うようになりました。

成長するにつれ、辛い世界をいっぱい、いっぱい知る事になる彼をせめて、家にいる時ぐらいは楽しくやってもらいたい。

多少の事は目をつぶっても、彼には楽しく生きてもらいたい。

そう思ったら、さっきの発言になるわけです。

「おむつ取れなくてもいいんじゃね。」

確かに、困ります。保育園の先生からは責められます。小学校でも無茶苦茶指摘されます。肩身は狭いです。すいませんと謝るばかりでしょう。

でも、彼には彼のタイミングがあるのです。

無理にやらせなくても、必ずできる時がありますし。

その為に色々と試行錯誤も必要でしょう。

もし、音が嫌なら換気扇を何とかすればいいし(うちは電気のスイッチと換気扇が一緒なんですよね……。)

とはいえ、焦らずゆっくりと彼のペースでオムツが取れればいいと思ってます。

それに彼はちゃんと、オムツが取れないと駄目なんだとわかってます。
友だちは皆取れてますし、一人だけプールに行けないで辛い思いもしてます。

たろうはわかってるんです。

妻が、私やNPOの皆さんと同じような考えに至るには、色々とASDについて、勉強もしないといけないし、妻がガミガミ言わなくても、育つんだという気づきも必要だと思います。

いつか、その事に気づいてくれればなと思います。

私はたろう君に自分の人生に誇りをもって生きてほしい。

色んな人から怒られる運命です。

特に社会人になってから大きな試練に合います。

その結果、引きこもりとかになるかもしれない。うつ病になってしまうかもしれない。

せめて私だけは怒らずに、彼を元気づけ続けたい。

終わりに

今日は、ちょっと暗い話になったかもしれませんが、私が書きたいと思っていたもの、嫌、書かなきゃいけないと思っていた記事です。

きっとASDっ子をもって苦しむのは、ママさんです。残念ながらパパさんではありません。パパさんはいつも仕事です。ASDっ子と2人っきりで過ごすことはあまりないでしょう。だから、その特性、こだわりの強さ、その大変さに気づきません。だからママさんです。

私はなぜわかるのかと言えば、妻は日曜日と祝日は出勤なので、私は1歳の時からたろう君と毎週日曜日と祝日の日は2人っきりで過ごしているからです。だから、おしめも変えているし、癇癪も対応しているし、熱の時もみてるし、ごはんも作るし、一緒にお出かけもして、そのASD特有の個性が嫌というほどわかっています。

NPOの人達も、この話を聞いて、なるほどと言われてました。その後うちの夫は〇〇〇・・でと愚痴みたいなのが続いたわけですが。

そういえば、発達凸凹マガジンのリケさんにも、パパさんが登録するのは珍しいって言われた気がしますが、そこら辺が意識が違うのかもしれません。

ASDっ子を持つと、そのこだわりに耐えるしかありません。でも、今回発達障がいのNPOの人達と話してわかったのは、みんな、ASDっ子を持つ親の苦労は同じで、分かり合えるという事でした。

なので、今後私は発達障がい親の会に入ることを決めたのでした。

福岡は「たけのこ」という会があると教えられたので今度入ろうと思います。そのネットワークに入り、どういう風にNPO法人ふーくるを作ればよいのかを現実的に考えていきたいなと思います。

そして、ASDっ子、いは発達っ子達が怒られることなく、のびのびと生きることができる社会に少しでも近づければいいなと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

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