こんなにも感動するとは!これは36年前から続いているマーヴェリックの物語『トップガン・マーヴェリック』【映画レビュー】
★★★★★
鑑賞日:2022年6月1日
劇場:MOVIX三好
鑑賞前、正直不安がなかったわけでは無い。
何故30年以上経った今『トップガン』続編なのか。よくある1作目を超えられない映画になっていないか。
杞憂であった。
オープニングすぐに『トップガン』の世界に没入。
やってほしいことを全て網羅、さらに超えてきた。大満足。凄いぞトム・クルーズ!
2019年公開予定をコロナなどの理由で3年延長。それでも劇場上映に拘ったトム。観終わった後なら分かる、劇場で観るべき作品。IMAXなら尚良しだろう。
黄色い映像 バックライトを得意とした前作監督、故トニー・スコットに対するリスペクト。
随所に散りばめられた前作へのオマージュ。
新旧のカワサキ「Ninja」、G-1ジャケット、F-14トムキャット、バーのシーン、ビーチのシーン、ヒロイン登場、旧友の登場、訓練シーン、リアルな飛行シーン、パイロットの息づかい、王道ストーリー、エンタメに徹して鑑賞。
「昔はやんちゃしていた」という大人たち、しかし「今はもっとやんちゃしている」マーヴェリック。トップガンのエリートな若者たちを凌駕する。とても60とは思えない若者に引けを取らない肉体美。マーヴェリック最強、トム・クルーズ最高。
前作を観ていなくても楽しめる作りになっているが、観てから観るのが断然おススメ。何故ならこれは、続編とか1作目2作目とかではなく、40年かけたマーヴェリックの物語。
『トップガン』から今も続いている物語。リアルタイムで観た人それぞれに30余年の人生があり空白の30余年がきれいに埋められていく。
あの頃を思い出すのと同時に積み重ねてきた時間に思いを馳せる。自分も36年の年を積み重ねてきたんだなーと感慨に耽ってもみた。
アイスマン登場。現実の状況と相まって感極まった。(演じるヴァル・キルマーは2015年咽頭ガンを患い声を失った。現在AIで声のクローンを作成し、自身の声で会話ができるようになったという)彼もまた同時代を生きてきたのだ。
製作は続投のジェリー・ブラッカイマー。今作はトムも名を連ねている。盟友ドン・シンプソンは亡くなってしまった。
監督はジョセフ・コシンスキー。『オブリビオン』(2014)以来のトムとのタッグだ。前作に対するリスペクトを大いに感じた。
ルースター演じるはマイルズ・テラー。『セッション』(2014)の彼である。「考えるな、行動しろ」の教えを体現し、グースの息子を上手く演じていた。
ヒロイン、ペニー演じるはジェニファー・コネリー。
前作『トップガン』の冒頭、マーヴェリックとグースが上官に叱られているシーン。上官がマーヴェリックに向かって「司令官のお嬢さんを低空飛行で脅かした」、するとグースがマーヴェリックに「ペニー・ベンジャミンか?」と聞く。このセリフの中だけのキャラクターを今作で上手く登場させていた。付き合いの長さで見れば、前作ヒロイン長官チャーリー(ケリー・マクギリス演)よりも長い、腐れ縁(?)があるわけだ。
マーヴェリックの人生の中で生きてきたかつての恋人ペニーを違和感なく演じたジェニファー・コネリー。1984年公開『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』でデビューした彼女もまた同時代を生きてきた。
鑑賞前は、このレビューでジェニファー・コネリー愛を語ろうと思っていたが、またの機会にしよう。今はまだ『トップガン』の世界に浸っていたいから。
こんなにも感動するとは、こんなにも思い入れがあったのかと自分自身驚いている。
ありがとう!マーヴェリック。
「待ってろトム・クルーズ、続編公開直前 復習レビュー『トップガン』」で書いた小ネタ
今回の続編では、マーヴェリックが着用しているジャケットの背中のパッチから日本と台湾の旗(これを台湾の旗とするのも色々問題あるのか?)が消えたとの情報が。色々忖度を感じるが、この36年で世界情勢も大きく変わったということか。
これについては、公開直前に(どこの国にも忖度なしで)元に戻っているという情報が出された。
もし『トップガン3』が作られるなら、マーヴェリックの父親の物語を観てみたい。
こうなると、イーサン・ハントにも期待してしまう。
もう一度言いたい、凄いぞトム・クルーズ!
(text by 電気羊は夢を見た)
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