微笑ましい光景
日彫展に出品し、後に東京都港区南麻布にある私立幼稚園「愛育幼稚園」に設置された今作です。
幼い子どもにとっては雨降りもまた楽しみの一つでもあります。今作は、そんな雨があがった後も遊びとして楽しむ、純粋無垢な少女の姿が象られています。
長靴に合羽を着て、雨傘を持った少女が片足を上げているポーズの像。
雨があがり、道に残された水たまりを見つけては、わざと蹴り上げ、水飛沫を楽しんでいる様子が切り取られています。何気ないポーズですが、雨あがりの情景や少女の側にいる家族の様子など、観るものに様々なことを喚起させる作品になっています。
日常をつぶさに観察し、子供のような純粋さを持つ長沼孝三先生らしい、題材とポーズです。