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【野口健’S VOICE】 テントは避難所の感染予防にも有効

アルピニストである野口健氏の様々な活動や取り組みに賛同している文化シヤッターグループ。その野口氏には講演会やボランティア活動などを通じて、従来より当社グループの成長発展に様々な角度からご尽力を頂いています。
この「野口健’S VOICE」は、野口氏が日頃から取り組まれている活動やその原点となった思いや考え方、さらには活動を通じて実感されたことなどを、独自の視点や切り口で綴られた連載エッセイとして当社グループ報に寄稿頂いているものです。なお、当社公式noteではこの連載エッセイを転載しています。

2020年の4月は、娘とヒマラヤの6000m級の登山をする予定だった。娘にとっては、初めての6000mの山で、気合も充分。ニュージーランドに留学している娘と、スケジュールの調整や、どの山にするかなど、幾度となく連絡を取り合っていた。

しかし、新型コロナウイルスの影響は、早々に、私たちの計画に打撃を与えた。2月下旬から、コロナウイルスの影響は、世界的に大きくなっていった。ニュージランドは、日本を含むコロナウイルス感染者が多い国からの入国に規制をし、娘が一旦、ニュージーランドを出国したら、学校に戻れない可能性が出てきた。どうしたものかと思っていたところ、3月初め、ネパールは、外国人の入国を禁止し、エベレストを含むすべての登山許可を許可しないことを発表し、私たちの今春のヒマラヤ遠征は、不可能となったのだ。

その後、コロナウイルスは、世界中に猛威をふるい、日本でも緊急事態宣言が発令され、自粛生活へと入っていき、私の生活スタイルも一変した。講演会やイベントはすべて中止。取材やテレビ出演もリモートで行われるようになった。どうしても「3密」が避けられない山小屋の多くは休業となり、登山も自粛。まさか、山に行けない日々が来るとは、思いもしなかった。

自粛生活の中で、気懸りになるのは、大規模災害が来たらどうなるのかということ。日本の避難所は、体育館などで雑魚寝を余儀なくされることが少なくない。多くの人が同じ空間を共有することになり、コロナで一番恐れられた「3密」状態である。

今、改めて有効だと思うのは、避難所でのテントの活用である。2016年、熊本大地震の時、避難所としてのテント村を作って、運営した。家族ごとにテントで生活できるため、プライバシーが保たれ、話し声なども気にならないと大変好評だった。これなら、最低限のウイルス感染は防止できるだろう。熊本地震のときは、屋外でのテント村だったが、体育館の中などで、テントを使用することも可能である。

これからも、コロナウイルスと共に生きていくように生活スタイルを変えていかなくてはいけない私たち。それとともに、災害が多発する日本では、ウイルス感染をも考慮した避難所対策が火急である。新たなスタイルの避難所を準備するのには時間と英知の結集が必要。今から準備を始めないといざと言う時には手遅れになる。
(2020年5月執筆)

【プロフィール】
野口 健 氏
アルピニスト。1973年、米ボストン生まれ。亜細亜大卒。
25歳で7大陸最高峰最年少登頂の世界記録を達成(当時)。
エベレスト・富士山の清掃登山、地球温暖化など環境問題、
戦没者の遺骨収集など、幅広いジャンルで活躍されている。

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