組織風土を変革せよ
※文化時報2023年12月1日号掲載の社説です。
宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)に所属する25歳の俳優が急死した。夢と希望を胸に憧れの舞台に立ったにもかかわらず、道半ばで命を落とすことになった無念は、察するに余りある。心よりお悔やみ申し上げるとともに、歌劇団に真相究明と再発防止を強く求めたい。
報道では、死の背景に過重労働やいじめ、パワーハラスメントがあったのではないかと指摘されている。過労自殺が疑われる事案であり、今後は労働基準監督署からの労災認定や、歌劇団による損害賠償を通じて、遺族への救済が図られるかが焦点になる。
歌劇団が態度を硬化させているのは、おそらくそうした展開が念頭にあるからだ。特殊な業界とはいえ、その点は過労死を出した一般企業と大差ない。
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