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優生思想の根深さ

※文化時報2023年10月6日号掲載の社説です。

 大人たちがジャンルを問わずに学び合う「男塾」という団体が、堺市にある。「成長を止めた時から退化が始まる」をモットーに、塾長で看護師の佐藤正一さんが10年前から60回近く、さまざまなテーマで勉強会を開いてきた。中でも毎年必ず取り上げているのが、2016(平成28)年に津久井やまゆり園で起きた相模原障害者施設殺傷事件=用語解説=である。

 先日、その勉強会を訪れた。集まったのは医療・福祉職中心の14人。知的障害者らの地域生活支援に長年携わってきたNPO法人サポートグループほわほわの会(大阪府和泉市)の代表理事、宮﨑充弘さんが講師役を務めた。

 障害者を守るのか、それとも排除するのか。植松聖死刑囚が取った手段に、私たちはどうあらがうべきなのか。宮﨑さんは冒頭でこう指摘した。

 「何のために障害者を支援しているのか、答えられない支援者が多すぎる」

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