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お坊さんのいないお葬式 社長が語った無宗教の「想送式」

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 「お坊さんのいないお葬式」。仏教界に衝撃を与えるこんな名称の事業が一般紙の広告に相次ぎ掲載されたのは、2月のことだった。「葬儀が宗教儀式でなければいけない理由はどこにもない」「葬儀の当たり前に変化を起こす」。事業を手掛けるNINE&PARTNERS株式会社(ナインアンドパートナーズ、名古屋市中区)は、ウェブサイトにこんな言葉を並べている。葬祭業界や伝統仏教教団に波紋を広げた新たな葬儀は、現代社会に何を問い掛けるのか。大森嗣隆社長に尋ねた。(編集委員 泉英明)

読経は我慢の時間

――お坊さんのいないお葬式とは、どのような事業ですか。

 「無宗教の『想送式』を行うためのポータルサイトです。私たちは全国の葬儀社と契約し、会館や公営の式場などで『想送式』を行ってもらいます。これまでに全国約180社が加盟しました。会社の形態からするとIT企業のような印象を与えるかもしれませんが、あくまで葬儀社だと考えています」

 《「想送式」では「想送証明書」に署名して黙禱(もくとう)する儀式のほか、故人をしのぶ動画の上映、献花などを行う。施行するのは加盟葬儀社で、内容は葬儀社と依頼者が直接打ち合わせて決める。僧侶はどこにも存在しない》

――「無宗教式」を掲げた理由は。

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