文芸批評研究会

立教大学のサークル「文芸批評研究会」のアカウントです。文批研では、文学から社会学、サブ…

文芸批評研究会

立教大学のサークル「文芸批評研究会」のアカウントです。文批研では、文学から社会学、サブカルチャーまで、様々なテーマを扱った勉強会を行ったり、部誌を作ったりしています。 文学フリマへの出店なども行っています。 公式ブログ→ http://bunhiken.blog.fc2.com

マガジン

  • 2015.2 お試し版

    立教大学文芸批評研究会(通称文批研)のnote進出による、初めてのマガジンです。

  • 2015.4 異所を訪ねて

    2015.5.4の文学フリマ東京(ブース:オ-18)に向けてマガジンを作成しました。マガジン表紙・紀行文の写真:片上長閑

  • 2015年 note BOX

    2015年に作成した自由枠のノートです。

  • 2015.11 心のありか

    2015.11.23の文学フリマ東京(ブース:カ-21)に向けてマガジンを作成しました。

最近の記事

プリンセスという夢 〜『Go! プリンセスプリキュア』39話 感想〜

プリキュアシリーズ第12作目『Go! プリンセスプリキュア』は今月ようやく4クール目に突入しました。この時期はクライマックス突入への高揚感と、1年が、というかひとつのプリキュアが終わってしまうことへの寂寥感が入り混じる季節ですね。私だけでしょうかね。 というわけで先日放送された第39話の感想を書いていきたいと思います。批評とかは書けません。 『Go! プリンセスプリキュア』第39話は、いわゆる「神回」ポジションでした。前話で強く絶望してしまった主人公、はるかの立ち直りから

    • 【短文】順応への挑戦~演劇「精肉」を見て~

      ≪何を演じているのか≫ 自分にはどうしようもないことに対して――そしてありえたはずのもう一つの自分の人生が手に届かないことに対して――鬱屈としていた発電所に閉じ込められた人々は、これらの絶望を遺物に転化させていることに長けている。  すなわち、これから待ち受ける搾取と必然的な殺害に満ちた絶望的な未来をすでに自分のあり方として遺物化させ、そのあり方にのせて「ありえた自分像」を永遠に演じているのだ。  それゆえにこの演劇のモチーフに対する視線は、現在の姿に対する自虐に限るべき

      • 田舎の良さについて

        子供時代を山形県という地方で過ごした私が今、東京圏で生活してみて思うのは「やっぱり田舎は良いな」ということである。都会は色々なものを簡単に買うことが出来たり、交通機関が充実していたりと便利な所ではあるのだが、なんとなく息苦しさを感じるのである。 「では何故都会には息苦しさを感じ、田舎には感じないのか」と考えたときに私が思いつく理由は主に二つある。一つ目は「自然と触れ合う頻度の違い」である。多くの近代的な建造物に囲まれた都会では意識せずに自然を感じることはほとんどない。対して

        • 研究ノート~メンヘラの言動・気質についてのイメージ~

          どうも、部誌『文/芸 vol.7』に「<メンヘラ>についての試論」を投げて以来、メンヘラの研究をしている雲雀です。『文/芸 vol.8』の方にも「研究ノート〜ファッションから見たメンヘラのイメージ〜」という一稿を投げさせていただきました。 詳しくはそちらを参照した頂けると助かりますが(堂々たるステマ!)、実際のネット記事やブログ記事から読み取れるメンヘラについてのイメージを整理しなければならないという使命感に、筆者はいま駆られているのであります。その原稿ではタイトルの通りフ

        プリンセスという夢 〜『Go! プリンセスプリキュア』39話 感想〜

        マガジン

        • 2015.2 お試し版
          3本
        • 2015.4 異所を訪ねて
          3本
        • 2015年 note BOX
          1本
        • 2015.11 心のありか
          3本

        記事

          紙の上の旅(紀行文・第2回)

          運転台の後ろから先の道を見遣る。線路の行く手に工場の、鉄の林が待ち構えている。更に先を見ると線路がその奥へ吸い込まれている。電車は岳南原田を出ると、手前で分岐することもなく、速度を上げながら工場群へ迷い込んでゆく。左右に上方、至る処を縦横無尽に錆びた鉄骨が走る。こいつは本当に人の乗る為の鉄道なのかと心細くなるかもしれない。線路は曲線を描き、見通しは効かない。効いたと思ったら古ぼけた貨物ホームが至近に現れる。これらの何処かに滑り込んで出荷されるのではないかとすら思うだろう。でも

          紙の上の旅(紀行文・第2回)

          紙の上の旅(紀行文・第1回)

           物書き同人の末席を汚す私が何か書けと言われた。お前もこの同人に参加して長いのだから、好い加減縮こまっていないで何かしたらという意図が見て取れた。そういう依頼だ。  私は絶望した。締切が次の週の月曜日に迫っている。私には書かねばならんレポートも読まねばならん本も山積しているが、偏りはあってもそれなりに本は読んでるでしょう、貴方、だからこの辺でそろそろ一つどうすか、ということだろう。メールの画面の向こう側に、人の好さそうなnote担当の微笑が浮ぶ気がした。  頼まれたからに

          紙の上の旅(紀行文・第1回)

          「飲み会」に対するノート――台湾出身の目から見た日本

           日本に来た私にとって一番のカルチャーショックは、「飲み会」という文化である。台湾の中ではかなり日本寄り(親日ではないと思うが)である私は、東京と台北の空気の微妙な違いにまだ慣れようとしている途中だが、「イベント装置としての東京」についてはある程度把握しているつもりであった。  電車に乗っても、花見に行っても、同人誌即売会に参加しても、「まぁ想像通りのもんだなぁ」と感じた。他人とあまり深くかかわる必要のないイベントだったら、自分のアイデンティティをちゃんと持って挑むことがで

          「飲み会」に対するノート――台湾出身の目から見た日本

          自己犠牲という呪い――鹿目まどかと暁美ほむらは“キリストを超えた前田敦子を超えた”?

          #まどマギ #鹿目まどか #暁美ほむら #サブカルチャー #濱野智史 #meta2 ※本稿は2013年10月の『劇場版魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』公開後、2013年12月に執筆された原稿に加筆したものです。 2013年10月26日に公開された『劇場版魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』での暁美ほむらの行動は、映画の公開後にさまざまな反響を呼び起こしました。例えば、彼女の行動をTV版でのまどかの達成を踏みにじったものとして非難する人もいましたし、また

          自己犠牲という呪い――鹿目まどかと暁美ほむらは“キリストを超えた前田敦子を超えた”?

          「やりたいこと」探しを焦るな――新大学1年生へ2015――

          #新大学1年生へ #やりたいこと #岡本太郎 #宮台真司 #タンタル  自分の人生の岐路が新しい局面に差し掛かる時、このような言葉を聞く人は多いだろう。 「自分のやりたいことをやりなさい」  勉強やバイトなど個別的なアドバイスよりも、このような言葉の方が自分の人生全体を考えてもらっているように感じられる。しかし、言葉とは裏腹に「自分のやりたいことは何だろう」という疑問が生まれてしまい、多くの時間を割くことになる。  大学4年生になっても、やりたいことが不明瞭で数十年あ

          「やりたいこと」探しを焦るな――新大学1年生へ2015――

          自分でものを考えたい人に向けて(永井均『<子ども>のための哲学』書評)

          #書評 #永井均 #哲学 #雲雀 お初にお目にかかります。文芸批評研究会会長の雲雀です。100~200字で自己紹介を、といわれたのですがなんとも難しいものです。文芸サークルの会長でありながら小説を読まないことに定評があります。専攻は社会学です。最近はずっとサッカーを見ています。こんなところでしょうか……。 さて、今回は「自分でものを考えたい人に向けて」というタイトルで永井均氏の『<子ども>のための哲学』(講談社現代新書、1996年)の書評を拵えてきました。以下本文になりま

          自分でものを考えたい人に向けて(永井均『<子ども>のための哲学』書評)