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BUNGU SQUAD STORY #1『プロローグ』

この物語は、BUNGU SQUADというアナログゲームがどういう経緯で生まれて、どのように世界に羽ばたいていくかを、現在進行形で書き残していく自叙伝です。
BUNGU SQUADの遊び方


2022年9月。僕が開発した文具を使ったゲーム「ブングーファイブ」は「BUNGU SQUAD」へと改名した。

改名した理由は上記の記事に詳しく書いているけど、一言で言うと“世界に広めるため”

2018年12月16日にこのゲームが生まれて丸4年が経ったが、今の現在地を見れば誰だって大言壮語だと揶揄すると思う。

「途中でコロナ禍になったから」というのは言い訳にしかならないだろう。
その間に名を知らしめたボードゲームはたくさんある。

ただ、日本でコロナウィルスが騒がれ始める直前までは、割と精力的に活動できていたと思う。

2020年1月にはメーカー対抗戦、2月には大学対抗戦、3月には香川遠征と、矢継ぎ早にアクションを起こして、これからどんどん活動の幅を広げていこうと息巻いていた矢先に、“それ”は猛威を振るい始めた。

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✒︎  非常事態宣言の発令
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当時の活動を振り返ると、必死に抵抗を試みていて、とりあえず出来る事、思い付く事はトライしていたようだった。

2020年4月、東京では非常事態宣言が発令された。

“Stay Home”が叫ばれる中、一人で、もしくはオンラインで複数人と対戦できるブングーvsウィルスというゲームを作ったり、noteの記事を幾つか書いたり、コンテストに応募したりしながら、この煙が晴れるのを今か今かと待ち望んでいた。

ところが、あっという間に1年、また1年と歳月は過ぎ、未だ“その日”は来ていない。

このままじゃいけない、という気持ちが別の方向に働き、絵を描いたりしてみたけど、急に別の事を始めてみた所でそんな簡単に結果なんて出るはずもなく。

気づけば、2022年の夏。

それまで積み重ねていた活動は、まるで忘れられたアイスのように溶けて無くなった絶望感に襲われた。

それどころか、いつも持ち歩いていた文具を詰め込んだアタッシュケースの上には、目に見える程の埃が被っていた。

……この気持ちは、前にも感じた事がある。

オーバーラップしたのはこのゲームができる少し前、2018年の秋頃のこと。

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✒︎  将来ともう一度向き合う
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当時の僕は、将来への不安でいっぱいだった。
まるでコンパスを失った船の如く、何も見えない暗い海の真ん中で立ち尽くしていた。

この先、どこに向かえばいいのか。
どこに行きたいのか。
何をしたいのか。
何が好きなのか。

30代半ばになった自分ともう一度向き合って、自問自答を繰り返していた。

その時に真っ先に浮かんだのが文具だった。

昔から文房具屋さんに入り浸るのが大好きだったし、何千円もするボールペンを買うこともいとわなかった。

だけど、自分はウンチクを語れるほどに文具について詳しいわけではなかった。
軒並みいらっしゃるインフルエンサーの方々のような活動はできないなと、早々に諦めた。

「やっぱり今更好きな事を仕事にするなんて無理だよなぁ……。」

そんな事を思いながら大きくため息をついて、ふと机の隅にあるペン立てに目をやってみた。

そこには、ギチギチに詰まったボールペンやシャープペンシルの束。
買ってから一度も使っていないものもある。
よく見ると、埃も被っている。

引き出しを開けると、「軽い力で綴じれるホッチキス」や「画期的なデザインの糊」等が、暗い密室の中にたくさん閉じ込められていた。

……全然使ってないじゃないか。
好きだから買ったんじゃないのか?
これで文具好きって言えるのか?

僕は、自分に対して激しく憤った。
でも、言い訳がましいけど使う機会が全く無いのも事実だった。
高校を卒業してから、僕はずっと飲食店で働いていたし、家でも文具を使う趣味や習慣が無かった。

コレクションする人の気持ちもわかるし、そういう楽しみ方はもちろん素敵だと思う。

ただ、埃を被るくらい忘れてしまっているとなるとまた話が別だ。僕は自分を許せなかった。

そこでふと、こんな事を考えた。

「じゃあ、あらゆる文具を使ったゲームを作ればいいんだ!」

こうして、僕の文具ゲーム作りの日々が始まった。


BUNGU SQUAD STORY #2 へ続く〜

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