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BUNGU SQUAD STORY

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この物語は、BUNGU SQUADというアナログゲームがどういう経緯で生まれて、どのように世界に羽ばたいていくかを、現在進行形で書き残していく自叙伝です。
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BUNGU SQUAD STORY #16『展望』

BUNGU SQUAD STORY #16『展望』

2019年9月。
ブングーファイブは次の目標に向かって動き出していた。(詳細は次回)

そういえば、9月に入る直前に、きだてさんから「なぜブングーファイブには販売物が無いのですか?」という質問を受けていた。

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✒︎ なぜ販売物が無いのか?
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その時に答えた、巻物のような長文の返信を発掘したので、その一部を貼り付けてみる。

…なんとも

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BUNGU SQUAD STORY #15『協奏』

BUNGU SQUAD STORY #15『協奏』

今からちょうど4年前の、2019年8月31日。
この日は神田で、高畑さん、きだてさん、他故さんの3人で構成される文房具トークユニット『ブング・ジャム』のトークイベントがあった。

この少し前に、きだてさんと他故さんには取材でお会いしていたが、“文具王”と称される高畑さんを目にするのは初めてだったので、とても楽しみにしていたのを覚えている。

なんせブングーファイブを作ったきっかけが、そもそも僕の文

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BUNGU SQUAD STORY #14『情熱』

BUNGU SQUAD STORY #14『情熱』

何となく流れで、きだてたくさんからの取材の日の事を先に書いてしまったが、時系列順でいえばそれより先にもう1つ嬉しい事があった。

それは、「初めてのラジオ出演」。

渋谷の宮下パークの近くにスタジオを構える、インターネットラジオの渋谷クロスFMに出演したのだった。

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✒︎ 竹内藍さんのラジオ番組出演
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僕が出させて頂いたのは、

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BUNGU SQUAD STORY #13『憧憬』

BUNGU SQUAD STORY #13『憧憬』

文房具ライターのきだてたくさんから、早速取材を兼ねたプレイ会の日程を打診していただき、あれよあれよという間にその日を迎えた。

2019年8月3日。
浜松町のレンタルスペースに、5人の有志が集まった。

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✒︎ 憧れの人たち
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主催者のきだてさんが各所に声をかけてくれて、その中には先日訪問したばかりの中央大学『文具ラボ』の代表Sさんも来ていた。

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BUNGU SQUAD STORY #12『開拓』

BUNGU SQUAD STORY #12『開拓』

初めてのイベント出展、東京ビッグサイトで開催された「ゲームマーケット」での2日間を終えて、僕はさらに新たな広がりを求めていった。

2019年6月4日。
まずやってみたのは、都内の大学で文房具関係のサークルのTwitterアカウントが無いか探してみた。

すると、いくつか見つかったので、片っ端からDMを送ってみたところ、早速返信をくれたのが中央大学「文具ラボ」さんだった。

連絡をくれたのは、サー

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BUNGU SQUAD STORY #11『抜擢』

BUNGU SQUAD STORY #11『抜擢』

2019年5月26日。
ゲームマーケット2019春の2日目。

初日と違ってブースの設営準備が要らないので、少し朝はゆっくりできた。

会場に着いて、スズキくんと前日の振り返りや改善点について話し合った後、またせっせと試遊の準備を始める。

今日はどんな出会いがあるか、楽しみに思えるくらいには不安や緊張も無くなっていた。

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✒︎ ゲームマーケット2日目
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BUNGU SQUAD STORY #10『開幕』

BUNGU SQUAD STORY #10『開幕』

2019年5月25日。
いよいよゲームマーケット2019春の本番当日を迎えた。

この時の会場は、東京2020オリンピックが開催予定だったことに伴い、期間限定で運用された仮設の「青海展示棟」にて開催された。

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✒︎ 設営準備開始、そして開幕
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一般ブースは朝8時から準備ができるとの事で、とりあえず右も左もわからない我がチームは、与

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BUNGU SQUAD STORY #9『前夜』

BUNGU SQUAD STORY #9『前夜』

5月中旬。
ゲームマーケット2019春の開催日まであと数日。

イベントに出展するというのは初めての経験で、ましてやいきなり東京ビッグサイトという規模で、ゲームマーケットに行った事も無ければボードゲームの事もほとんど何も知らない、そんな自分が躊躇する事無く応募できたのは、怖いもの知らず以外の何者でも無かった。

しかも、販売する物は何も無く、ただ試遊するだけのブースで2日間。

文具とトランプと紙

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BUNGU SQUAD STORY #8『礎石』

BUNGU SQUAD STORY #8『礎石』

2019年4月30日。
平成最後の日。
僕は渋谷にいた。

駅から直結の高層複合施設「ヒカリエ」の中の、「Creative Lounge MOV (クリエイティブラウンジ モブ)」というコワーキングスペースで、とある人物と待ち合わせをしていた。

その人物というのは「藤岡千尋さん」というゲームクリエイターで、代表的な作品でいうとスーパーマリオRPGシリーズのディレクションをされていた方である。

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BUNGU SQUAD STORY #7『嚆矢』

BUNGU SQUAD STORY #7『嚆矢』

2019年4月13日。
今からちょうど4年前。思い切って僕はとある行動に出た。

ゲームの内容もある程度固まり、あとは5月のゲームマーケットに向けて準備を進めるだけだったが、その前にまずは文具メーカーに片っ端からアプローチをしてみる事に。

「かくがくしかじかで、こんなゲームを作ったので、良ければ遊んでみませんか?」と言った内容を、“気は確かか?”と疑いたくなるような長文で送りつけていた。

当時

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BUNGU SQUAD STORY #6『外界』

BUNGU SQUAD STORY #6『外界』

ゲームの土台が固まってきたので、数ヶ月後に開催されるゲームマーケットに向けて、準備を進めていく事にした。

だが実は、ゲームマーケットへの出展を決めたものの、どんなイベントなのか全くわかっていなかった。

ブングーファイブを作ったのも、文具を使いたくて作ったものだし、ボードゲームの知識も皆無に等しい。

これでは話にならないと思った僕は、慌ててイベントの事を調べていると、どうやらその数日後に、「ゲ

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BUNGU SQUAD STORY #5『転機』

BUNGU SQUAD STORY #5『転機』

2019年1月14日。
5月に開催されるゲームマーケットへの出展当選の報せを受ける10日前の事。

僕にはどうしてもこのゲームを見てもらいたい人がいた。

大阪に住む、6個年上の従兄弟だ。

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✒︎ 従兄弟がくれたきっかけ
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小さい頃からいつも一緒に遊んでくれていて、中学、高校、そして社会人になっても、定期的に予定を合わせてゲームをした

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BUNGU SQUAD STORY #4『共鳴』

BUNGU SQUAD STORY #4『共鳴』

試行錯誤の末に生まれたブングーファイブというゲームは、まさに授かったという気持ちだった。

元々ゲームクリエイターだったわけでもなく、ゲームが得意だったわけでも詳しいわけでもない。

ただ「文具を使いたい」という一心で、
自分が欲しい物がそこに無かったから、
自分で作る事にしただけで。

もし既にその欲求を満たせる場所があったなら、今この執筆をしているわけもなく、まさか、人生をかける程の存在になる

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BUNGU SQUAD STORY #3『産声』

BUNGU SQUAD STORY #3『産声』

月並みな表現だが、“それ”は、降ってきたような感覚だった──。

文具を使ったゲームを作り始めて2週間余り。
2つの没案を横目に、途方に暮れていた頃。

何となく、まだ何のとっかかりも無い、ぼんやりと頭の中に浮かんでいる文具ゲームの、その名前を先に考えてみる事にした。

なぜそんな事を思ったのか。それは、少し前に会った友人との会話がフラッシュバックしていたのかもしれない。

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