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真造 圭伍「ひらやすみ」#1~7読んだ☻‹ネタバレ注意!


知人におススメして頂いて、1~7巻イッキ読みしました。
(ちじんと打つと痴人が一番最初に出てくるの笑います。)

▪あらすじ
心救われる、もらった平屋モラトリアム。

生田ヒロト、29歳、フリーター。定職なし、恋人なし、普通ならあるはずの?将来の不安も一切ない、お気楽な自由人です。そんな彼は、人柄のよさだけで、仲良くなった近所のおばあちゃん・和田はなえさんから、タダで一戸建ての平屋を譲り受けることに。そして、山形から上京してきた18歳の従姉妹・なつみちゃんと2人暮らしを始めました。しかし、彼の周りには生きづらい“悩み”を抱えた人々が集まってきて…

連載前から雑誌「BRUTUS」でも紹介されるなど、各メディアも大注目の真造圭伍最新作。

先が見えず鬱屈した“今”だからこそ、あなたの心をスッと癒してくれる物語です。

Amazonより

昨今の情勢的に、過敏になっている自覚があるコンプラフェミBBAとしては

\一 軒 家 に 男 女 で 二 人 暮 ら し ぃ !?/

と発狂してしまったのですが、発作が収まって作品を読み終わって見ると「普通」なんですよね。
これが本来あるべき「保護者」と「被保護者」の姿なんですよね。
ありがとうございます。初心にかえれました。

登場人物全員のある瞬間、その全てに私の悩みや葛藤が散りばめられていて
あの時自分が感じた疎外感、悔しさ、虚しさなどを掻き集めていたら1冊読み終わっていような不思議な気持ちになりました。

美大に通っていたあいかさんの個展を見に、下北沢まで行ったなぁ。
あの時買ったポストカード、今はもう捨ててしまっているんだろうな。絵柄は覚えているのに。
北海道の旦那さんと、今も北海道で暮らしているんだろうか?

ベースを弾いていたさっちゃんのブログ好きだったなぁ。永遠に更新されないURLを今でもブックマークから消せないでいる。

こんな風に、今まで思い出さないようにしていた感傷的な部分が物凄く優しく、けれど容赦なく揺さぶられます。

そしてもう二度と戻らないあの「何でもない時間」が本当はとても大切で宝石みたいで、手に入らないものなんだなぁ。なんて。

当時はデビューしたてで、表面ではバイトしてる恥ずかしさも噛み殺しながら「頑張ります!」なんて笑っていたけど、家ではエゴサしながら泣いてたし

そんな状況でもバイト先であいかさんやさっちゃんとシフトが一緒だと楽しくなっちゃって(阿呆)

それで帰り道に(レッスンもしないで何やってんだろ)と落ち込むというループ。

だけど、そんな時間、無駄だった時間は全部
肥やしになって今日までの私を支えてくれていたのかも、しれません。

【勝てば官軍】の芸能界。
私の代わりはいくらでも居て、居なくなっても何とかなる。
実際に私は二代目を何役か担当させて頂いているし。
負ける。勝つ。
でも頑張れば勝てる世界じゃないと製作委員会の会議を経験してから実感になりました。

なんで私はまだしがみついているんだろう?
毎日みじめで泣いてるのに、どうして手放せないんだろう?
と自分の矛盾に向き合っていたら

熱の中うなされているあかりんの

ひらやすみ(4) (ビッグコミックス)

「  大  き  い  絵  描  き  た  い  」

と自然に湧き上がったあのひと言に、自分でもびっくりするくらい背中を押されました。

絵なんて価値が付かなかったら粗大ゴミ。
世間的な賞賛も一時で、絵の管理だけで空調費が毎月20万以上かかるという話も聞く。

ひらやすみ(4) (ビッグコミックス)

でも、そんな無駄なしがらみとかではなく
他人とか関係なく、生命の根幹が騒ぐ初期衝動のような極めてプリミティブな欲求。

なんで生きてるのか?と
なんて絵を描いてるの?と
なんで芝居やってるの?なんかは

この初期衝動に分類されるから、厄介なのかもしれませんね。


ひらやすみ(2) (ビッグコミックス)

私の周りみんなが幸せになっていたら、私も嬉しい。

それは本心だけど、いつも自分だけ取り残されているから……

いつの間に心から「おめでとう」か言えなくなっていたんだろ。

ひらやすみ(2) (ビッグコミックス)

そして、まわりからの「おめでとう」が重荷になっていたんだろう?

自分でも、持て余してあましてしまう「自分の嫌いな部分」を
他の誰もが多かれ少なかれ持っていることに安心してしまう。

そうだよなぁ。みんな自分以外の全員は成功しているように思えるよね。

周りから見たら、私も誰かに羨ましいと思われているのに。
そう頭では分かっているのに
自分だけがダメで虚しく惨めなんだ。と思ってしまうのは何故なのでしょうか?

それが人間が持つ業なのでしょうか?

ひらやすみ(3) (ビッグコミックス)

まるで自分を見ているよう。

ひらやすみ(3) (ビッグコミックス)

「この帰り道」を自分で認めあげられるようになりたい。

ひらやすみ(3) (ビッグコミックス)

傷付くようなことじゃないと分かっているのに
傷付いてしまう自分に傷付く。

ひらやすみ(3) (ビッグコミックス)


こんな穏やかで全てを持っている老後を迎えられるだろうか?

自分の業を抱きしめてあげられなくても
誰かがどこかで勝手に私の業に救われているのかもしれない。

そんな希望を持てました。

親近感が湧きすぎて恥ずかしくなってしまうお話など、語ればキリがないのですか

わたしが1番思い出して、胸があったかくなって、春が来るまでは。と踏ん張ろうと思えるエピソードは

ひらやすみ(3) (ビッグコミックス)
ひらやすみ(3) (ビッグコミックス)


この新しいワンピースを購入した時のエピソードです。

おばあさんの姿や悲しみは、私にやってくるものなので(確信)
登場人物の中で1番感情移入していましました。


あの子は私より可愛い
あの子よりは成功してる
あの子に比べたら、誰と比べて勝ったら・・・?

ひらやすみ(7) (ビッグコミックス)

私は満足するのでしょうね?


不完全な人達の「生活」が、こんなに尊くて羨ましいなんて
この本を読むまでは思わなかったです。

ひらやすみ(7) (ビッグコミックス)
ひらやすみ(7) (ビッグコミックス)


作ってる時は夢中で、本当に核心しているの、
だけどいつも現実に期待しすぎてしまうクセが私にはあります。
何かをやっている時はいつもこの↑↓を爆速で繰り返しています。笑

いいの、誰かが笑ってくれたら。
いいの、1円の経済効果すら生まれなくても。
いいの、ただの自己満足で。いいの、いいの。

続編が楽しみです🐇🤍𓈒𓏸


悔いがあろうがなかろが、役者をやめるという決断を出来たこと、本当に凄いと思っている。
私のは執着だから。もはや誰と何のために戦っているのか行方不明な日々です。


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