PM職種が複数人になったら役割は早い段階から分けた方がいい|PdMとPjMとPMMのセレナーデ
どうも、ぶんたです。(@bunbuno0)
音声プラットフォームのプロダクトを作っているVoicyでPMチームのマネジメントとプロダクトマネージャーをやっています。
この記事では、いわゆるPM業務のプロダクトマネージャー(PdM)とプロジェクトマネージャー(PjM)さらにはプロダクトマーケティングマネージャー(PMM)の役割を分けて責任を明確化した方が、業務のスピードも成功確率も上がって事業が成功するための近道になるよねという話と、
PdMとPjMとPMMの役割ってどう分けてるのって話をしたいと思います。
そしてセレナーデに特に深い意味はありません。
そもそもPMって何する人なん?って方は以下の記事をご覧ください。
プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーを分けるタイミング
スタートアップのタイミングでは結構役割が曖昧のまま、とりあえずやるべきことを各々が考えて実行していくっていうことがよくあるんだろうなと思っています。
よく言われるのが、Why・Whatはプロダクトマネージャー、How・Whenはプロジェクトマネージャーが責任を持つという役割の分け方です。
組織において、いわゆるPM的な役割の人間が一人の場合は、Why・What・How・Whenに全てその一人が責任を持って意思決定していけば向かうべき方向にチームで向かっていけます。
スタートアップのシード段階はその役割をCEOが担ったり、プロダクトがある程度の規模になってくると、社内のプロダクトに関わっているリーダーっぽい人をPMにしたりして進めていきますが、この段階でも意思決定者やプロセスが明確なので迷いなく向かっていけます。
ただPM的な人が社内に2人以上になった場合は注意が必要です。
プロジェクト単位で分かれていて、役割が明確になっていない場合、様々な問題が起きてきます。
Voicyでも自分が入社した頃にはプロダクトマネージャーという役割の人間が、自分含めて4名おり、当時は各々がissueを決めてプロジェクト単位で要件を作って、そのプロジェクトマネジメントも含めてそれぞれがやっていました。
プロジェクトベースでWhy・What・How・Whenを一人で行う形ですね。
そういった運用をやっていると以下のようなことが出てきていました。
・エンジニアやデザイナーが誰に確認すればよいか分からない
・ビジネスサイドも誰に相談すればよいか分からない
・そもそも意思決定者が不明確
・複数プロジェクトが同時に走ってて被る部分が出てきた場合、PM達同士でもお見合いになる
・メンバーがWhy・What・How・Whenそれぞれに関与することによって効率が悪い状態になる
めちゃくちゃ非効率ですよね。。
これらの課題を解決するために、PdMとPjMに役割を明確に分けることによって、PM本人は自分の集中すべき分野に特化して仕事を進められ、
また他部署のメンバーに誰に何を確認すればよいか分かるようになったため、組織全体の効率化につながりました。
結局一番大事なことが、こうすることによって、各メンバーの頭のリソースの配分の効率化につながるわけですね。
ユーザーのためにどういう価値を届ければいいのかとか考える思考と、開発をどうやって円滑に効率的に進めて届けるかという思考は、
目的は同じですがプロセスが全然違うので、それを切り替えるリソースも必要になって、めっちゃ効率が悪くなるんですよね。
だからこそ役割を分けてしまって、それぞれの役割で最高のパフォーマンスが出るように設計することがとても重要だと思うんです。
特に人も時間も限られたスタートアップにとっては。
Why,What,How,Whenの役割
PMの業務で具体的にそれぞれ何をやるかっていうのをざっくりまとめたのが以下です。よく入社者のオンボーディングで使っている資料の一部です。
これ本当にざっくりなので、これ以外にも山ほど仕事はありますが、わかりやすくするとこんな感じかなーです。
この中で大まかに左側がPjM、右側がPdMの領域と定義しています。
そういう点からいうと、スキルで重要な要素は結構似てますが、
Why・Whatを作るのが得意な人(PdM向き)と、How・When(PjM向き)が得意な人で向き不向きが分かれてくるのかなと思います。
プロダクト開発の現場だと、よく出てくるプロダクトマネジメントトライアングルの真ん中から左寄りに強いのがPdM向き、右上の方が強いのがPjM向きかなーという感じです。もちろん全部強いサイヤ人が最強ですが。
ちなみに下側がPMM向きって感じですね。
これを鑑みてポジションを用意してあげることもマネージャーは重要なのかなと思います。
ただ、とはいえここで注意したいのが、PdMもPjMも役割の違いであり、PdMがPjMの上位の職種というわけではないということです。PdMが偉いとかそういうことじゃないんです。
よくPdMはミニCEOなんて言葉が出てきますが、あれはそれくらいの気持ちでプロダクトに責任持てよって意味だと思ってて、
あくまでPdMはプロダクトに責任を持ち、PjMはプロジェクトに責任を持つ役割で横並びだということです。
なので、役割を与える側ももらう側もそこは意識して、それぞれがプロとして一緒に仕事をするという感覚を持つ/持たせることが重要なのかなと思ったりもします。
プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)の役割と置くタイミング
Voicyには昨年に2名のPMMも加わり、さらにチームとしては強くなりました。
PMMは上記のPdMとPjMとはまた役割としては分け、マーケティング寄りの施策や、ユーザーコミュニケーション、新規ユーザのナーチャリングを重きにおいて担当としています。
先ほどご紹介した図だと以下のような役割の分け方です。
PMMに関しては、海外だと割と一般的なポジションなようですが、日本ではまだ置いている会社は少ないですが徐々に増えてきています。
その中でもBtoBプロダクトでは置かれ始めているポジションで、SmartHRさんなんかが有名ですね。
BtoCだとメルカリさんも去年からポジションを作ってるみたいです。
(引用)PMMは、CSとかマーケティング、セールスを統括する役割です。ひと言でまとめると、PdMは「開発・機能をつくる」、PMMは「価値をつくって、広めていく」のが仕事ですね。
上記のような大きな組織であれば分かるんですが、なぜまだ全社員が40-50名規模の段階で作ったかというと、プロダクトを中心として、よりマーケティング的な観点を持つ役割を作って、組織全体もマーケティングへの意識を持つように作りたかったからです。
Voicyはプロダクトの体験をとても重視していて、プロダクト内での価値をいかに届けるかはこれまでやってきているのですが、「初めてVoicyに接した人に対してその価値を理解してもらう」「まだ知らない人に対してその価値を広める」部分はまだまだ弱い段階です。
特に音声というメディアは聴くまではなかなかそのコンテンツの内容が分かりづらく、「すぐ聴こう」というアクションに至りません。
音声プロダクトのマーケティングは前例がほぼなく、どうやって広められるかを0ベースで考える必要があります。
だからこそ、プロダクトの観点を持ちながらマーケティング分野の施策をより集中して行う必要があると思い、人数が少ない段階ながらも、しっかりとその役割を果たすメンバーを置いたという形です。
結果、以前よりもさらに役割が明確化されて、これまでPdMとPjMだけでは出来ていなかった部分もより施策がどんどん回せるようになりました。(加えてメンバーが優秀ということも言わずもがな)
とはいえ、まだまだ先は分からないので全然違う組み方を今後する可能性はありますが。とりあえず良いと思ったことにTRYすることが重要なのかなと思っています。
最後に
今回PdM、PjM、PMMの役割について書きましたが、他の職種でも同じようなことってあるのかなと推察します。
例えば、大きい広告代理店で「クリエイティブほげほげ」とか「アカウントうんちゃら」みたいによく分からない役割がたくさんあるのも、こういった組織内での役割の明確化を意図してなのかなと思ったりしました。
ただ役割を分ける分けないに関しては、本当にその組織の状況によるかと思ってて、分けることによって煩雑になったり、向いていない人がアサインされるなどのリスクもあるので、自社の状況次第で適宜考えていかなくてはいけないものなのかと思います。
最後になりますが、僕自身もいろいろ悩みながら最適解を作っているという状況です。同じようなことで悩んでいたり、PMに関することなど、もし良かったらMeetyでいろいろディスカッションしましょう!
Voicyに興味がある方も大歓迎です!
(告知)Voicyでもゆるめに海外プロダクトやビッグテックの創業から成長のストーリーなど話して配信しています。よかったら暇なときにお聞きください!
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