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ドラマ『美食探偵 明智五郎』で、小説『BAR追分』の梵さんを見つけた。

うん? うん? あれ? あれれ?
という印象だった『美食探偵 明智五郎』の最終話。


これまで明智の心情があまり描かれなかったからなのか、最終話は謎行動が多すぎて自分には理解が難しい展開に(汗)。そして何も解決しないまま終わってしまった(えーーっ)。

まさか明智があそこまで苺のつくる磯辺揚げに思い入れがあったなんてなあ……。「あちら側」と「こちら側」の境界線にいた明智を、あの磯辺揚げが救っていたなんて。全然違うんだけど、ドラマ『BORDER』の最終回を思い出してしまった。うむー。

ただ、演者さんたちにはずっとスタンディングオベーション。マリアが崖で最期に涙を流した表情が、自信満々だった殺人鬼の顔とは全く違っていたのが素敵だった。小池さん(栄子ちゃんの方よ)、益々のご活躍をお祈りします。

そして上遠野! 上遠野警部! 
永遠のディスタンスじゃーーー!!!(第7話より/特に意味はありません)

最終話でようやく刑事の役割を果たしたかと思ったら、易々とマリアに逃げられる。方言でまくし立てる強面の刑事のわりにドジッ子というか残念というか、でも憎めないキャラ。上遠野を演じきったのは、舞台を中心に映画、テレビと活躍する北村有起哉さん。シリアスな役もコミカルな役も、サイコパスな役も何でもござれ。声がお父上の北村和夫さん(総一朗さんじゃないですよ)によく似ている。

*****

北村さんの上遠野を観ながら、「ぜひ演じてほしいわー」と思ったのが、表題の梵さんだ。

いや、梵さんて誰???(笑)

“梵さん”とは、伊吹有喜さんの小説『BAR追分(バールおいわけ)』に登場するアフロヘアのフィギア作家・青木梵のこと。


“昼間はバールで、夜はバー”

『BAR追分』は、新宿ねこみち横丁にあるBARを舞台に、訪れる客の人生と横丁の人たちの優しさとが交差する物語。主人公は、ひょんなことから横丁振興会の専従職員になった脚本家志望の宇藤。他には、昼間のバールの店主・モモちゃん、振興会の会長・遠藤、バーのバーテンダー見習い・伊藤、鍼灸院の久保田先生、店の常連・梵さんなど、さまざまな人が登場する。そして忘れてはならない、地域猫のデビイも!

モモちゃんのつくるバールの料理がまた美味しそうで。夜はバーテンダー・田辺のつくる本格的なカクテルとおつまみが魅力的で。ありきたりの言葉しか浮かばないけれど、心もお腹も満たしてくれる。一気に読まずに少しずつ読み進めていくと、自分も横丁の住民のような気持ちになる。架空の話なのに、距離の近さを感じてしまう。

この小説はシリーズ化しており、『BAR追分』『オムライス日和』『情熱のナポリタン』と、現在までに3冊発刊。次がなかなか出ないのでやきもきしている。3冊目でも終わる気配がなく、むしろ続く雰囲気だったから。

さて、このシリーズの1冊目でもっとも印象深い話が「ボンボンショコラの唄」という章。常連である梵さんと、ゴージャスこと遠山綺里花、この2人の話だ。

ハイ、ここで再び妄想発動!
(あくまでも個人の妄想なので悪しからず)

もしも小説『BAR追分』シリーズが映像化されるなら、個人的に一番気になるキャラクターは梵さん。何しろ、アフロヘアやし。

いやいや、他も「ああ、主人公の宇藤は泉澤祐希くんがハマりそう」とか「モモちゃんは数年前なら多部ちゃんか黒木華ちゃんだったけど、今なら誰? 芳根京子ちゃんか?」「久保田先生は、松本若菜さんでどうや!」とか、色々考え出したら妄想が止まらなくなっちゃう。

されど、やっぱり梵さん。梵さんを誰が演じるのかが一番気になる。

そう考えていたら、
「上遠野、上遠野だ! 北村さんなら必ずや梵さんを演じきってくれる!!」
という心の声が勝手に漏れていた。

映像化されたら、の話。

『BAR追分』シリーズ、いつか深夜ドラマ枠で観ることができたら幸せだなあ。


***おまけ***
ところで、増田明美さんの名解説ネタには遠く及ばない情報だが、北村さんの奥様は朝ドラ『さくら』のヒロインを演じた高野志保さん。このときの相手役は、あの小澤征悦さんでした。ちょっと懐かしい!


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