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ぶんぶんカフェ・プレ企画part3 醍醐の文化財と暮らしを見守る

2021年3月6日に京都市伏見区醍醐にあるコミュニティカフェ・トトハウスにて、ぶんぶんカフェ・プレ企画part3を開催しました。

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ふれあいカフェ・トトハウス

トトハウスの経営者・松井章子さん、旧下村家住宅の山本博昭さんをお招きして、醍醐でも活躍中の京都市文化財マネージャー徳光都妃子さんにお話していただきました。会場となったトトハウスで、徳光さんは週に1回古民家の保存活用相談窓口の活動を始めています。そのあたりのお話もしていただきました。ちょうど、新型ウイルス感染緊急事態宣言下での開催で、予防のために現地の会場参加は地域の方限定として、オンライン参加メインとなりました。

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醍醐地域での活動

醍醐にお住まいの徳光さんから、醍醐地域の紹介として、その歴史や土地の状況など詳しく解説していただきました。奈良、平安時代から物語の里として枚挙にいとまがありません。

郷土愛を育み、市井の歴史的建造物や景観の価値を認識し大切にしていきたいとの思いから「醍醐の歴史と暮らしを学ぶ会」設立へとつながりました。会ではさまざまな勉強会や資料展が開催され、学ぶ会通信も発行されています。

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これらの醍醐地域での活動を通して見えてきた課題があります。次世代へ歴史をつなげていくためにも、歴史的建造物と景観について教育に関わることが必要で、その価値を大事にしていく思いを養っていくことが求められています。
徳光さんは週1回、トトハウスでの古民家の保存活用相談窓口も開いています。(※後日談・さらに2022年に入ってからは活動が進化しています。)

旧下山家住宅

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旧下山家住宅

醍醐寺の向かいに建つ旧下村家住宅は、江戸時代中期の建物です。醍醐道に北面する入母屋造りの茅葺民家で醍醐寺門前の歴史的な景観を作っています。また、大田垣蓮月尼が滞在したこともあるゆかりが残っています。2011年に国登録文化財に登録されて、景観重要建造物にも指定されています。
こちらにお住まいの山本さんは自宅が文化財になったことで、個人の家というよりも世間の宝物として守る責務を感じるようになったとのことでした。

ふれあいカフェ・トトハウス

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ふれあいカフェ・トトハウスの松井さんは、介護福祉士の経験から高齢者のみならず多世代で交流できる場所が必要とコミュニティカフェを開かれました。地域に開き、交流することで元気になれるようなそんな場所、トトハウスを開設運営していく上で、一人ではなく「笑顔いっぱいの会」という有志で会を作り、トトハウス活動の運営をしているそうです。

トトハウスは2連棟の2階建て町家。1階でカフェ営業、2階はレンタルスペースとして地域に開いています。今回は2階から配信して、会場参加の方は1階で視聴してもらいました。

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後半は座談会形式で、オンライン視聴していただいてる方からの質問も交えてお話しました。3人の経験や活動を通して、歴史的建造物の話から景観政策、さらには行政の施策のあり方と幅広く話が弾みました。

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参加者のみなさんからは「古民家や京町家の保存活用を考えるきっかけとなりました」「地域の方や所有者さんのお話が聞けてよかったです」「いろいろな地域の活動を紹介してほしい」「所有者さんの声をもっと聞きたい」等のお声をいただきました。

座談会後、松井さんからは「守るべきものを見極めて守るというのが大切ではないかと思います」 山本さんからは「文化財登録の時にお世話になった熊田さんがオンライン参加されていてご縁を感じました」と話されていました。

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今回は寄付金を募り、みなさまにご支援いただき無事に開催できました。本当にありがとうございました。
新型ウイルス感染予防対策のため、居住地域から移動できない大変な状況下ではありましたが、オンラインでつなぐことも可能なことがわかりました。
だからこそ、リアルで交流することに意味があることも再認識できました。

地域の方々、所有者のみなさん、応援したい方、興味のある方、さまざまな思いが交流できる場を作っていきたいと思います。

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