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060. 複雑系科学について(Vol.1)

  複雑系科学という分野が近年ずっと注目を集めているらしい。

科学はもともと、物事を単純化すればするほど真実に近くことができるということを信じていた。そこにはキリスト教的な思考様式が包含されている。科学は、単純思考から複雑思考へとシフトしていっている。

複雑系が最初に確認されたのはアインシュタインが貢献した量子力学の世界だと言われている。ニュートン力学である古典物理学が説明できない現象が次々とミクロの世界で観察されている。アインシュタインの相対性理論も複雑系と言えるだろう。

ハイゼンベルクの不確定性原理、ゲーデルの不完全性定理なども複雑系と呼ばれる。

エネルギー散逸がひどくなり、不規則な動きをするようになったシステムは、散逸性による「非線形性」をあらわにする。そのようなシステムは、徐々に周期性を失い、周期的な運動からずれた動きをする。この特徴的は振舞は「カオス」と呼ばれ、近年になってコンピュータを駆使した研究が世界中で行われるようになった。これとの関連で出てくる複雑系の現象は、上田睆亮の「不規則遷移現象」である。この現象によってマクロな世界においても複雑性が存在することが証明された。

これらの現象には、ゲシュタルトや創発特性(emergent properties)と呼ばれる概念が関わっているらしい。

「生命とは何か」、といった存在論的な問いもこの複雑系科学の登場によって、定義を見直さなければいけなくなったようだ。

哲学がメタな位相にパラダイムシフトしているのは、このような複雑系科学の成果がいくつも発見されているからである。

私たちの身体はとても複雑で、生きていることだけで奇跡的なことなのだと改めて体感として忘れないでおきたい。

今日も読書!!!


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