小林ぶんぶ

できれば言葉を使ってなんとかしたいと思っている。

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最近の記事

君の咲く部屋

どうやってぼくは ここまで来たんだろう どうやらぼくは そこまでは行くつもりらしい どうやってぼくは 風の色を見たんだろう どうやらぼくは 蝉の声と同じ色 台風7号の風はもう 吹き始めたの いつもよりも忙しそうな 空模様 夏のうた声は空を流れる ベランダで咲いた 白いサボテンの花は 風に吹かれて 揺れているだろうか 早く帰ろう君の咲く部屋へ どうやってぼくは この先を歩くんだろう どうやらぼくは そこまでは行くつもりらしい どうやってぼくは 汗と涙を見つけたの どう

    • 本当のこと

      彼女が幸せなのか、 きっとずっと わからない。 だって キミは僕じゃないから。 だから 幸せにしたいという 気持ちは 死ぬまで続くのだ。 そして そうすることが ぼくの幸せなのだ。

      • 坂の途中

        坂の途中の運転席 何をどうしてこうなったのか 転がり落ちるのか 駆け上がっていくのか 横に逸れてゆくのか 降り積もる雪の中に 何も見つけられず 少しだけ深呼吸した ぞわぞわした胸の奥で 小さないくつもの泡たちが ふわふわと 浮かびあがろうとしては やっぱり沈んでいる たまらず頭を上げようと 首に力を入れると 目の前は暗くなり 力は入らない でもそんなことは知っていた だからこのまま 雪が止むのを待っているのだ 明日の朝には 路面は笑顔のように ピカピカに光って 力が漲ってくる

        • 指で夜に君を描く【詩】

          なぜ今ここにいるのか それはわからない でもわかっていたのかも しれない 止まっているようで 動いている 動いているようで 止まっている 昨日見た景色は もう二度と 見ることはない だから 見たことない景色を 明日も見れる 冷たい空気が 肺の内側に染み込む 体温で温めて 吐き出す 指で夜に君を描く

          多くのそれ

          変わっていくもの 透き通るもの そのままいるもの 感じ取る器官は様々で 耳が聞こえず 目が見えない 言葉を話せない 匂うことができない すべてか いずれか 肌 髪 爪 その他の毛 だからぼくは 今のところ そうしている 多くのそれ

          渡良瀬遊水地【詩】

          四角いセダンに乗っかって 知らない道を走ってゆく 僕より背の高い 背の高い草の中 渡良瀬遊水地の ずいぶん端っこまで 胸はドキドキ何を話そう だってきみのマフラーは 真っ赤っか ポラロイドカメラを ボンネットに置いて タイマーをかけたら近づいて そっと君の肩に手を回したんだ  やったー! 渡良瀬遊水地の ずいぶん端っこまで 胸はドキドキ何を歌おう だってきみのマフラーは 真っ赤っか

          渡良瀬遊水地【詩】

          ずっと【詩】

          ひとつ ふたつ みっつ 数えて ここまでは 来たのだけれど 素敵な日々を過ごして 思い返せば 絵本のようで たったひとつ 戻れるならば それは明日 明日という日を 戻りたいと思えるような そんな素敵な 日にすること  置いて行くよぜんぶ  ぜんぶ置いて行くよ  今日摘んでもまた明日芽を出す  綺麗な明日葉のように  ずっとあなたの そばにいたいな ずっとあなた 笑顔にしたいな ずっとあなたを 見つめていたいな ずっとあなたと ふざけて笑うんだ 持っていくよぜんぶ

          ずっと【詩】

          焚火【詩】

          いつから始まったんだろう 見つけられなかったの 靴の裏に張り付いた罠に 気づかないままだったの すべての始まりは 濁りだした塊 増えていく不完全と 行く宛のない始まり 傷つくのは誰かって 実はわかってるんだ 3つ数えれば終わるような 静かな景色じゃないんだよ 焚べてゆく薪の数 火を点けるの今すぐ すべては燃やすために 集めてきたものじゃないか 燃やそうよ 燃やそうよ 燃やそうよ 灰になるまで 燃やそうよ 燃やそうよ 燃やそうよ 胸の塊り

          焚火【詩】

          青空【詩】

          気づけば空を見上げなくなった 気づけば海を眺めなくなった 気づけば星を探さなくなっった 気づけば風に耳を澄まさなくなった 気づけば何も感じなくなった 気づけば何も見えなくなった 気づけば何も信じれなかった 気づけば何も歌えなくなってた 喉の奥にはいつも 涙が絡まったまま 胸の真ん中のあたり 黒い塊になってた 気づけばいつも目を閉じていた 気づけばいつも唇を噛んだ 気づけばいつも涙が溢れた 気づけばいつも探し回ってた 気づけば今日も笑ってくれてた 気づけば今日も泣いてく

          青空【詩】

          心【詩】

          さがる あがる あがる さがる あがる さがる あがる あがる さがる あがる

          こころ【詩】

          こんなにもわからなくなるものなのか。今ではもうあの頃、どんな自分だったのかよくわからない。なにも楽しくない。たくさん映画を見たり、好きな漫才やお笑いを見たり、絵を描いたり、ギターを弾いたり。終わると胸とお腹の間のあたりがずんっと重くなる。綺麗な景色もかわいい動物も感動しない。でも心配してくれる彼女の表情を見るとがんばろうと持ち堪える。今の気持ちをどうしても誰にも言えない。伝えたいけど言えない。死んでしまったらどんなに楽なんだろう。でもみんなに迷惑がかかることはしたくないから死

          こころ【詩】

          階段【詩】

          そうだ 階段を登っていたんだ すっかり寒くなったから まだ暗いうちに 布団を剥がして 水道の水を 3秒間飲んだ 鏡に映る顔は 少し焦げていた 床の温度が 足の裏に移る たまごひとつ割る 味醂と三温糖を足して かき混ぜる フライパンの上で ふつふつと膨らむ 3回折りたたむ 少し空が見えてきた そうだ階段を登っていたんだ すっかり寒くなったから

          階段【詩】

          時計【詩】

          またここから でもそんなに悪くないんだよ それなりに カメラだって ヘッドホンだって ギターも マイクも ブルハーツのカセットテープと スピッツのシングルCDも 秘密の時間が 秒針がカチカチ 「止まるなよ」 と言ってる 「わかったよ」 と答える

          時計【詩】

          契約書【詩】

          今朝、4時34分に目を開けた 光は見つからない 不思議な音に気づいた キリキリキリ キリキリキリ キリキリ 止まった 場所がわからない 脳に直接入り込んだのかもしれない だって少し姿が変わったもの 得体のない 姿のないもの 弄ぶように 試すように 手の内を見せられても 手も足も出ない そのうちこんなことも 消えてなくなるだろう 何も無かったの それだけのこと 契約書の話しなんてまだ そこまでじゃない

          契約書【詩】

          もう少し【詩】

          新芽の季節では無いが ぼくには新しい たくさんの声が聞こえる たくさんの光が身体を照らす 大胆な画角で 大胆な視点で 大胆な姿で 階段を登るのだ 冷めないお湯など 気持ち悪い そんなものあるものか 勝手に進む毎日 明後日なんて あっという間に 過ぎる昨日 夕べのお湯を 沸かし直して 入ってやるぜ ふざけんな だから もう少し 見ていたいんだ あなたの顔

          もう少し【詩】

          このまま【詩】

          決めたんだけど それは言えないや だって嫌がられるから 決めたんだ 本当のこと 言えないんだ だって今度のこと いつまでもずっと 変わらないでしょ ずっと笑顔になれないなんて そんな終点まで 行き着くなんて 苦しいこと 許してもらえないこと ぼくが逃げたこと ずっと許してもらえない 苦しいことから逃げたんだ 許してくれないこと わかってる でも苦しいまま 生きるなんて 死んでいるのと同じ 毒を飲んで死ぬのを待つだけ そうして欲しいというなら それはとても嬉しいこと 生きるのを

          このまま【詩】