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新たな観光資源!石川県の「句碑マップ」を作ろう

おつかれさまです。
石川県のシビックテック団体Code For NotoのBee.B.です。
民間企業で働きながら、石川県のデータアナリストをしている者です。
今回は、日本全国どこでも出来る「句碑マップ」を作成しょう!ということで、作成の手順をアーカイブしていきます。

そもそも句碑とは、
よくあるじゃないですか、道端や観光地の道端にある、誰にも見られていない俳句が彫られた石碑が。あれが句碑です。


どうして「句碑マップ」?

令和6年能登半島地震の後、能登地域には遊びに行けなくなった筆者は、毎日ニュースを見ては心を痛め、毎週末遊びに行っていた美しい能登へ想いを馳せていました。
でも、きっとみんなの好きな「能登」という土地は、ハード面の美しさだけでなく、自然・人・暮らしが一体になっている日常そのものが好きなのであって、能登の良さは全く失われていないのではないかと思い、私は気が付けば図書館に通っていました。
各市町の史書を読み漁り、それぞれの地域の成り立ちや伝説、逸話、民俗、文学や暮らしの様子などを研究しまくる日々。
そんなときにある一句に出会いました。

花の名残岩につまつき波にぬれ 闌更

黒島村小史

この句を目にしたときに、私の好きな輪島市門前町黒島町の荒々しい波と黒黒とした岩礁が目に浮かび、「ああ、ここに能登がある」と思えたのです。

そこで、きっと同じように能登のすばらしさに触れて、俳句を詠むことで現世と霊界を結ぼうと考えた俳人がたくさんいて、きっと石碑として遺しているに違いない。と思ったのです。

よくあるじゃないですか、道端や観光地の道端にある、誰にも見られていない俳句が彫られた石碑が。

調査作業

松尾芭蕉くらい有名だと、Googleマップ上に登録してくれている人もいますが、隠された句碑はなかなか見つからない。
そこで、「きっと街中の石碑や銅像マニアが日本にはいて、HPがあるは
ず!」と思ったら、

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1m2mT6l-0_OkyRLk92fOYetb7zW1RpDZBdYEkrn_r4po/edit#gid=0

いました。

http://www.yin.or.jp/user/sakaguch/kahokugun.TXT

ここにも。

芭蕉句碑
https://urawa0328.babymilk.jp/kuhi-isikawa.html

泉鏡花句碑
https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10013.html

https://www.hot-ishikawa.jp/spot/detail_4669.html

高浜虚子
http://www.kyoshi.or.jp/j-kuhi/kuhik/sinetu.htm

年尾
https://urawa0328.babymilk.jp/kuhi-tosio.html

句・詩集
http://www.yin.or.jp/user/sakaguch/kahokugun.TXT

山口誓子句碑
https://www.hot-ishikawa.jp/spot/detail_6654.html

水原秋桜子句碑
https://www.hot-ishikawa.jp/spot/detail_6542.html

銭屋五兵衛句碑
https://www.hot-ishikawa.jp/spot/detail_5697.html

石川県の句碑(および銅像)

https://urawa0328.babymilk.jp/isikawa/isikawa.html

こんなにありました。県公式で取り上げているものもあれば、
日本中を旅して写真を撮ってくれている人が。

そんな彼への尊敬と感謝を忘れずに、
ひとつずつGoogleマップで調べ、ストリートビューで石碑を確認していきました。
本当は現地調査に行きたいんですが、いまは我慢。
俳句に触れることで、能登に行きたい想いを抑え込みます。

実際にやってみて

さて、この作業がかなり大変でした。
まず、この神アーカイブ様の説明がものすごくざっくり。
国道〇号線の道端。みたいな説明しかないものはストリートビューを何度も行き来して、特定。昔の店名は検索しても引っかからないので、そこから調査が必要に。
ストリートビューの解像度で、崩し字で書いてある石碑を見て、この俳句だなと特定することも至難の業で、2日(7時間)ほどかかりました。。

句碑マップオープンデータ

こんな感じでまとめてみると、句の被りはあるものの、なかなか良いですね。これを巡るだけで観光資源になりますね。

句碑マップ(Googleマイマップ)

こうしてみると、金沢のみならず、能登加賀にも点在していて、十分観光資源になりそうです。
ただ、スタンプラリー撲滅派の私からすると、単にスタンプラリーにするのではなく、歴史有識者や俳人とともにじっくり石川県めぐるバスツアーとかが組めるといいなと思います。

俳句をじっくり楽しんで能登の風景を思い浮かべるのも良いですが、
その句碑が鎮座している風景とともに句を楽しむのも良いですよね。
俳人がそこで見た風景と、きっと同じ風景が広がっているのです。

俳句自体の素晴らしさに触れることで、能登の日常風景だけでなく、
「能登の自然の恐ろしさ」みたいなものを感じていただけるのではないかと思います。
あえて「恐ろしさ」と表現しますが、それは神代(かみよ)の時代の、霊的な存在や神々なのです。そして、能登に引き継がれている祭りの多くは、そうした神話・伝説や逸話・民話に基づいているものが多く、
自然と暮らしと祭り」が一体化しているのです。

こうした文学的な視点から、少しでも能登の美しい風景を思い浮かべていただければと思います。

個人的に好きな句の紹介

名月や北國日和さためなき 松尾芭蕉

この句は北陸では有名な句ですが、この句に対して、

夏の月北國日和定まりぬ 闌更

を手向けの句として詠んでいます。両翁の句は実に北國らしい名句であり、お互いの心境芸術に対する敬意を感じます。

また、高浜虚子という俳人の斜に構える俳句のスタイルも私は好きで、

北国の時雨日和やそれが好き 高浜虚子

こんな風に名句をもじって、より身近な心境を詠んだ句が多く、虚子の句は石川県には多く句碑として残っています。

ひぐらしが鳴く奥能登のゆきどまり 山口誓子

奥能登の最果ての地 珠洲市の先にある禄剛崎灯台にある句碑には、誓子の句が遺っています。
ひぐらし は秋の季語。夏の季語である蝉の五月蠅さとは違い、夏の名残も感じる秋に禄剛崎に来て壮大な海と美しい風景と黒瓦の風景の中に、ひぐらしの声が聞こえる。

とても気持ちが良い句ですよね。珠洲市の禄剛崎って、めっちゃ遠いんですよ!先っぽだし、途中ナビも効かないし、灯台までは2kmくらい歩かないといけないし。
そんな大変な想いをして、禄剛崎の灯台までたどり着いて、汗ばんだ体を日本海を駆け巡る風がシャツを抜けていく気持ちよさ。

さいごに

「美しい風景を紹介するだけが、観光案内ではない。」そんな風に思っています。でも長々と歴史や美しさの説明をする必要はなく、能登の良さを伝えるのには、17音で十分なんじゃないか。と思っています。
そんな日本語の美しさや歴史・自然と交流できる句碑マップ!

あなたの自治体でも作ってみてはいかがでしょう。
ご依頼いただければ、Code For Notoで作成します!
それではまた!


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