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7日間ブックカバーチャレンジ DAY.2 数に溺れて

私は1960年代〜70代、或いは80年代〜90年代、それに加えて00年代〜20年代も好きで……、なーんて、犯人像みたいな感じになっているが、今日の本は1969年刊行の本である。
1969年、といえば、シックスティナインであり、村上龍を思い出す。あれは、映画も、小説も、面白かった。あれは、村上龍が、まだ17歳とか、そんな時代であり、その時代に発売された、小説が今日の書影である。

2日目は『金色の大きい魚』。

お魚のお目々がかわいいね。


以前、noteでもこの本の感想を書いているが、まぁ、これもまた、ウルトラにレアな本である。単純に発行部数が少なく、無名だから、まぁ運が良ければ安く手に入るし、悪ければ高い、そのような本である。
私はこれをワンコイン、昼飯代と同じレヴェルで手に入れたが、現在、Amazonでは1冊だけ出品されており、価格は30,000円を超えている。日本の古本屋にも出ていない。

この本の感想はこちらに書いている。

こちらにも書いているが、メインストリーム、に入れなかった作家、という人はいるものだ。

小木曽新は作家賞も獲って、まぁ、本も出したわけだが、然し、本、など出せない作家未満でも能力の高い人はゴロゴロいるわけで、逆に、しょうもない駄文しか書けないのに本になる人もいる。

私が常に考えているのは、肩書や数に溺れるな、ということである。数に溺れるのは人間の性である。然しそんなものはまやかしであり、所詮は穴の空いたバケツに水を注ぐ徒労でしかないのだから、じっと書きたいもの、やりたいことをやればいいのである。

さて、この本は函付きである。函付きの本、というのは、非常に、昔はよくあったもので、まぁ、私が、小さい頃、すなわち、90年代、という時には、函付きの本など、ほとんどがなかったのだ。そう、函付き、というのは、まぁ、鯛のおかしら付きみたいなもので、古書の世界では、函があるかないか、帯があるかないか、これで桁が一つ変わる。
函、ではなく、明治大正の本には袋、というものがあったりもする。最早、前時代の記憶である。

そういえば、昔、私も持っていた西村賢太の『羅針盤は壊れても』、これは函付きのBLUEな装丁で、とても美しかったのだが、これは3,000円くらいした。高いなぁ、と当時思っていて、こいつはその後、数千円で売り飛ばしたが、然し、まさか、今では30,000円とか40,000円くらいで取引されている。しくじったなぁ、何が高くなるなるか、わからんぜ、ってなもんで、まぁ、本、というのは、本当に何が高くなるのかわからない。
てか今Amazonで見たら54,980円って、法外だなぁ…。何にせよ、古書の鑑札まで持っている男である西村賢太、ご自身の本がそんなに高くなるとは、30代の頃は想像もしてなかったのだろうか。

って、私が一番、Moneyに溺れているわけであるから、なんだかなぁ。

5月12日 SUNDAY 2日目


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