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書店パトロール42 

『本の雑誌』の増刊号が出ていた。本屋大賞の特集である。『成瀬は天下を取りにいく』を祝!本屋大賞!という感じお祝いしているが、めちゃくちゃ早いな。まぁ、こういうのは、そもそも発表の前に通達がされているのだろうか。

4/10に発表されて、そこから順位などの箇所や一部以外を残して制作していたとしても、印刷から納品まで最短でも2日〜3日はかかると思われるし、突貫で作ってもかなり大変そうだ。

4/10〜4/13くらいで土日も動いて作って、4/14に入稿、印刷、4/15とか16に発送、みたいな感じなのだろうか。
まぁ、新聞とかでも号外とかああいうのもあるし、紙媒体の作り手はともかくスピードに長けているのかもしれない。
まぁ、私は多分、すでに今月頭には受賞の連絡はされていると思っている。

と、思っていたらどうやらそのようで、内定の連絡を一月前にもらうそうだ。これは書店などの準備のためらしい。まぁ、本を売るための最大の祭りのようなものだから、そらそうだ。
だから関係各所にも伝わっているのだろう。

まぁ、私は本屋大賞の作品など中身には一切の興味がないため読むことはない。なので、この『本の雑誌』はパスだ。

私は本は好きだが、全部の本が好きなわけではない。寧ろほとんどの本が嫌いである。
基本的に、最早物語に興味がない。それよりも表現に重きをおくので、キャラクター、というものに興味がない。
いや、嘘だ。キャラクターは好きだが、キャラクターは最早漫画で補っている。物語も。文章藝術は思想と詩想、その2つが重要だ。

と、そんな私の目に、森鴎外の文字が。

これまた難しそうな本だ。私は『ヰタ・セクスアリス』ですら挫折しているのだ。私は森鴎外はよく識らんのだ。
森鴎外は有名だ。私だって、『高瀬舟』は読んでいる。教科書で。

然し、以前、『赤目四十八瀧心中未遂』を読んだ時、そこには主人公の住むアパートの隣人の老婆が何やら念仏を唱えているシーンがあって、「おつたいがなァ、うろたんりりもォ・・」という、謎の声が薄い壁を超えて聞こえてくるわけだ。不気味なシーンである。
然し、実際には、反対から読むと、永井龍男、森林太郎(森鴎外の本名)であり、それを識ったときには、車谷よ……お茶目な男やなぁ、と思った次第。
車谷長吉は永井龍男が大好きなのである。

車谷長吉。あの天才の話題が一向にないのはどういうことぢゃ。
谷崎潤一郎だとか川端康成とかよりも天才よ、ガチで。まぁ、暗すぎるのであんまり売れないのだろう……。
1998年に『赤目四十八瀧心中未遂』で直木三十五賞を受賞した車谷。
然し、最近の芥川賞はまさに刹那で忘れちゃった、という感じで流れていくので、販促のためとはいえ、なんかこう、偶には該当者無し、とかしてもいいと思う。まぁ、そんな意見は疾うの昔に出ているのだろうが、そんな馬鹿なことをするよりも、無難に華やかなに演出して馬鹿に本を売りつけるのがそれを生業とする人々には圧倒的に正義なのだろう。
出版は政治と革命の二律背反のテロ行為だが、金儲けに堕ちたら文化を盾にしてもそれは藁の楯なので、すぐに射抜かれてしまう。

そんな私の目に(これ使いやすくていいな)、太陽の『三淵嘉子』が。

無論、ニワカである。この人のことなんて、去年『虎に翼』が発表されるまで識らなかったよ。まぁ、そんなもんだよ。でも、こういう雑誌を観ちゃうと、ああ〜やっぱりムックとか、雑誌はいいなぁ〜、欲しいなぁ…と思っちゃう。昭和モダンな建物もたくさん紹介されているし、昭和モダンはいいよね。こういうムックからまずは勉強するのがニワカには一番である。ニワカでも、1冊、こういう本を読めば、なんか識ったかぶりできるのだ。
然し、けれども、noteにはニワカを隠す連中が多い。つまり、『隠』を使用しているわけだが、私は常に『凝』を怠らないため、書き手がニワカかどうか、簡単に見抜くのである。

いつだって、クロロの教えは私の心にあるのだ。

まぁ、私の今日の目的は、『ダンス・ダンス・ダンスール』の最新刊なのである。
『ダンス・ダンス・ダンスール』ももう300万部突破かぁ。凄いなぁ。とはいえ、300万部。と、いうことは、1冊平均は11万部〜12万部くらいか。
そう考えると、こんなに絵もキレイで面白いのに、もっと売れて欲しいよぉと思うことしきり。





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