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東京トイボクシーズが面白い

 

 今話題のeスポーツを題材にした漫画です。そしてこの作品は2005年から連載していた『東京トイボックス』、その続編『大東京トイボックス』の系譜に連なる作品になっています。
 作者はうめさん、月刊コミックバンチで連載中です。

 トイボックスシリーズはスタジオG3というゲーム開発会社を舞台にした『ゲーム制作』をテーマにした作品でした。ですから、前作の主人公は社会人であり、大人の世界です。大人の事情、大人の矜恃の世界です。一転、今回のトイボクシーズは若い世代、ゲームをプレイし、それを職業にすべく奮闘する高校生世代の物語になっています。

 主人公の安曇野蓮はプロeスポーツの世界でも闘っていた凄腕。その彼女が私立白郷学園に新設されたeスポーツ科に招待されて、そこで会った仲間と共に甲子園を目指す、的なお話です。

 出てくるゲームは『東京トイボックス』では主人公達が開発していた『サムライキッチン』の新作など、前作ファンなら嬉しい仕様。
 ゲームしてるだけじゃん、と思われるかもしれませんが、技を覚え、読み合い、そして実践するという、しかも猛者ばかりの世界な訳ですから、やはりなかなかどうして、厳しい世界が描かれます。
 また、部活漫画的な色味もあるため、青春している部活動漫画が好きな人にはとてもオススメできる漫画です。
 トイボックスは熱い大人の話でしたけど、トイボクシーズは静かに熱い感じですね。今の世代の感覚でしょうか、芯が熱い感じです。

 eスポーツって、スポーツじゃないって散々言われてますけれど、作中でも出てくるように、スポーツは『ルールに則って競い合うこと』だそうですので、そういう意味ではもう十年もすれば本当により一般に浸透していてもおかしくありません。
 作中で主人公の蓮が言う、「将来この中では誰よりも稼いでいるの自分たちだと」という言葉は、なかなかいい決め台詞だと思いました。

新しいゲームも続々出てきますし、主体となるゲームもすぐに変わっていく、それに対応するのは非常に困難で、なかなか難しい競技だとも思います。

まだ単行本は2巻まで出ていませんので(2020年9月現在)、今なら取っつきやすいので本当にオススメです。

 

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