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文学と古書

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文学と古書の記事を中心に。
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#川端康成

この世の果てまで後をつけるといふと、その人を殺してしまふしかないんだからね。川端…

川端康成の小説に、『みづうみ』という小説があって、これは所謂川端康成の「魔界」を描いた小…

雪雪
10か月前
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塚本邦雄の暗黒小説 『父さん鵞鳥嬉遊曲集』

塚本邦雄といえば、絢爛たる短歌の大家であるが、そんなツカモンは小説もいっぱい書いていて、…

雪雪
10か月前
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映画『狂った一頁』と小説『たんぽぽ』

川端康成脚本の映画に『狂った一頁』というものがある。 これは1926年の映画なので、大体1世…

雪雪
1年前
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書店の文学コーナー、エンカウント率低すぎ問題

私は本屋さんを愛している。本屋さんか映画館さんが落ち着くのである。 本屋に行くと、まずは…

雪雪
1年前
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『少年の日の思い出』という、国民がほぼ読んでいる傑作

以前もnoteで書いたが、私はヘルマン・ヘッセの『少年の日の思い出』が大好きで、今作は中学校…

雪雪
1年前
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新刊書店では買おうと思っていた本ではなく、予想外のものを買ってしまうよね

本日、妻の実家に帰省している中、映画館タイムを頂けたので観に行く。感謝。 作品は『ガーデ…

雪雪
1年前
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文学における美神とは

私の好きな小説家の作品は、同性愛に関しての記述が多い。 それは、同性愛というマイノリティに関しての事実がマジョリティの本質にまつわる事柄に結びついていることが多いからだろう。多くの人はそれから目を反らしているし、自分をマジョリティだと思いこんでいる。 評論する上で、同性愛・男色、というものを避けて通れない作家は多く、一番代表的な所で言えば三島由紀夫であろうし(この辺りを完全に避けている評論家はどうしたいのだ?)、塚本邦雄もそれに相当する。 非常にデリケートな問題であり、

小説のレイヤー

小説にはレイヤーというものが存在する。 つまりは、文章藝術、或いは映像藝術などにおいて、…

雪雪
1年前
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川端康成の『エンジェル・ウォーズ』

ザック・スナイダーのベスト映画は、と聞かれた場合、個人的には『エンジェル・ウォーズ』を推…

雪雪
1年前
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谷崎潤一郎と川端康成 文学の奇蹟

谷崎潤一郎と川端康成は私の好きな小説家の二人なのだが、二人は非常に似た作家に思われる。ど…

雪雪
1年前
26

オジリナルという虚構

オリジナル、オリジナリティ。 小説家志望、或いは創り手全般の大好きな言葉である。 そして…

雪雪
1年前
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書店随想 書店パトロール③

書店に行くがあいも変わらず、基本的にはパトロールのみである。 これは、お金がないからであ…

雪雪
1年前
22

小倉遊亀と美術館、そして谷崎潤一郎の母恋い『少将滋幹の母』

滋賀県立美術館は大津市にある。 私は何度か訪っているが、基本的にはあまり人がいない。 文…

雪雪
1年前
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太宰治VS石上玄一郎 消えない作家と消える作家

最近、石上玄一郎の全3巻の全集を購入し、読み耽っている。 石上玄一郎は太宰治との関係で識られているが、まぁ、太宰治の同級であり、太宰治がその作品の出来栄えに衝撃を受けて、自分の同人誌『文芸細胞』に誘ったが、話が合わなかったため断られた。全寮制だったのだが、太宰だけは親戚の家からの通いであり、金持ちであったため、そんな金持ちのドラ息子の道楽雑誌には付き合う気はない、同人誌とは皆で金を出し合ってやるものだ、という理由である。 そして、他の皆と違い、大島の袖を着て、雪駄を履き、