【インタビュー】 観光はドル持ちがお得!?(2023年)
以下の内容は2023年7月時点のものです。情報がすでに古くなっている場合がありますので、以下最新の記事をご覧ください。
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隣国パラグアイ在住の建築デザイナーで起業家の立川巧雪さんからアルゼンチンの現状についてインタビューしていただきました。立川さんのnote記事は下記からご覧いただけます!
またこれから取り上げる価格の情報は2023年7月現在のものです。アルゼンチンはハイパーインフレで常に価格が変動する為、数週間も経てばあっという間に値段の情報が古くなります。あくまで参考程度に読んでいただければ幸いです。
(一部抜粋)
「おっしゃる通り米ドルを持ってきていただきブエノスで交換するのが一番いいかと思います。
YouTubeなどでもよく見ますが、サンニコラス地区のフロリダ通りに立っている両替商たち(競争があるので率がいいと聞きますが試したことはありません)、または信頼できる両替所に行くのがベストかと思います。ホテルでも出来るそうですが、公式レートではないもののブルーレートよりも率は悪いそうです。ペソは価値がないので換金したら使い切ることをおすすめします。
あとは何にお金を使うかによって変わってくると思います。日本のクレカを使えるレストランはありますが、ドルがあるなら円を失うのは勿体無い気がします。例えば先日日本食レストランに入りましたが、刺身定食で1人7000ペソ(ブルーレートで¥2060ほど)でした。これを僕のVISAで払おうとすると¥2530引かれます。2人で千円損するわけです。ちなみにVISAだと旅行者レートが反映されると思いますが、公式レートだと¥3900ですのでご注意ください。
一方で移動手段となると話は変わります。バスや地下鉄は1人50ペソ(14円ほど)です。ただバス地下鉄はクレカ払いできず、SUBEという専用の青いカードの購入が必要になります。ちなみにSUBEは品切れ気味だそうです。
Uberも使えます。この場合はクレカ払いでもいいかもしれません。市内の場合一回の利用につき、距離や時間帯にもよりますが300円〜700円の範囲だと思います。引っ越してきた頃よく使ってました。タクシーよりも安いと思います。」
「インフレ率が100%を超えているので、レストランは毎月値段が上がっています。また賃貸物件は、大家さんが価値が下がり続けるペソで貸したくないため、売り物件に切り替えていることから数が激減しています。ちなみにその背景にはウクライナ侵攻の後にロシア人富裕層たちがアルゼンチンに押し寄せたことも関係しているようです。
とはいえインフレが上昇すればするほど消費が伸びる不思議に国だそうで、明日価値が下がる前にペソを使ってしまおう!みたいな感じだと聞きます。ただそれも中流層から上であって、昨年よりも体感的には物乞いやホームレスが増えたなと感じてます。
リモートワークして外貨得ている僕のような外国人でもやりくりに悩むのに、ペソ払いのみで給与を受けて取っている現地の方々は苦しいと思います。」
「アルゼンチンがすでに何度もデフォルトを経験している国際的信用の無いハイパーインフレ国で、通常の為替レートだけでは経済の安定が難しいようです。
アルゼンチン政府は複数の為替レートを設定することで、特定の産業や商品に優遇したレートを提供したり、逆に輸入業や海外への旅行には不利なレートを設定しているようです。正直複雑すぎて僕の頭が追いつけるのはこれくらいです(笑)。
日本や他の国からしたら考えられないですが、アルゼンチンは通貨や銀行に対する信用が全く無いので、日本では「闇レート」とも言われるブルーレート(非公式レート)が存在するようになりました。闇と言っても堂々と経済新聞やニュースになるので、そんな怪しいやつではありません(笑)。
アルゼンチン政府はペソの価値を保つために、個人が持つペソの口座からドルへの購入は月200ドルまでという制限があります。
とはいえ国民はドルを買うことが安全な貯蓄手段であることを歴史から学んでいるので、割が悪いにも関わらずブルーレートは支持されています。商品価値の変動もこのブルーレートの上限に応じて決まるのが一般的のようです。
昔ノーベル賞受賞の経済学者が「世界には4種類の国がある。先進国、発展途上国、そして日本とアルゼンチンだ」と言ったそうですが、戦後に急速に発展した日本と、裕福な国から転落したアルゼンチン(母をたずねて三千里のようにイタリアからアルゼンチンまで出稼ぎする時代があった)の対極を表していますが、実際住んでみてほんと特殊な国だなと体感してます。」
(完)
この度は立川さんに便乗させていただきありがとうございました!ちなみに奥様はアスンシオンで切り絵作家として活動されています。2019年に私が日本に一時帰国した際、空港でたまたまテレビを見ていたところ立川さんの活動を拝見し、日本からはるばるパラグアイに移住されたことに感銘を受けました。引き続き影ながら応援させていただきます。