三人寄れば文殊の知恵

四月頭から、友人Eちゃんの紹介で、ラオスの日本語補習校で教鞭を執っているSさんの授業のお手伝いをしています。

Sさんはご主人の都合(?)でラオスに渡り、この春から現地の補習校で小学校5年生に週に数回国語と算数を教えているそう。ご自身は幼稚園の先生の免許はあるけれど、教育関係は全くこれまで無縁。(それでも採用されるってすごいよね)

友人Eちゃんはここでも(勝手に)たびたび登場していますが、この3月まで小学校の先生していました。しかも小学校教諭経験の大半は特別支援学級の子にかかわっていた人。勉強に遅れをとりやすい子へのサポートに関してはプロです。

そして私はポンコツながら日本語教師。小学校の事情は分かりませんが、日々「外国語として日本語を身に着けるにはどうすればいいの?」を考えている人間です。

そんな3人がラオスにいる補習校の子たちが日本語を身に着けていくにはどうしたらいいかねーと知恵を出し合っているのでございます。

ちなみに、このラオスもコロナの影響は出ており、Sさん自身まだ生徒さんとは対面で逢ったことがないらしいです。ずっとZoom授業。

※よく「日本人学校」と混同されますが、こちらは国外に住む日本人子女を対象に日本国内の小・中学校と同等の教育を行う機関で、平日毎日ある、文科省認定の学校なのに対し、補習校は在外日本人の児童生徒が週末や平日の放課後に通って日本語を学習するのが補習校です。塾っぽい感じ。

つまりSさんの生徒さんたちは普段は現地の学校に通い、週に何回か補習校で国語(日本語)と算数を勉強しているのです。生徒さんはみんな日本人とラオス人のミックスで、日本に来る予定は未定。なので、親御さんの考え方もおうちでの日本語の使用頻度も本人たちの興味もバラバラ。お父さんが日本人か、お母さんが日本人かでも違う(子どもは一般的にお母さんが日常的に使用する言語のほうが優勢になるといわれています。どうしても触れ合う機会が多いから)。

算数に関しては私はド素人なので口出しできませんが、算数だって問題が理解できなければ解けません。

また、普段の言語環境がラオス語である場合、彼らにとって日本語は外国語的要素が強い。おうちによっては家族の会話は英語で、本人も普段はインターナショナルスクールで英語で勉強している子もいるらしいので、その子にとっても日本語はやはり日常的に使う言葉ではない。

じゃあ、基本的な知識や発達は小学校5年生だけど、日本語のレベルも小学校5年生程度に引き上げるにはどうしたらいいか、を一緒に考えています。

Eちゃんの小学校教育目線、私の日本語教育目線で意見を出し合い、Sさんに実践してもらう。

私が「非漢字圏の学習者はこういう活動が好きな人多いけどねぇ?」と言えば、

Eちゃんが「活動内容が理解できるかがまず問題じゃない?活動概念としてそれがどういう効果があるのか納得できないとこのくらいの年の子は動かないよ。」と返して来たり。

お互いにクラス活動で効果があったものを紹介してみたり、ネットで著作権フリーで使える教材を教えあったり。そもそも「この時代、漢字は書けなきゃならんのか?読めるだけじゃダメなのか?」論議をしたり。

三人寄れば文殊の知恵。とても面白いです。

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