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「寿司」と「SUSHI」

『スズキさん』

海外旅行や海外出張などで、
たまたま入ったレストランの、
たまたま隣の席にいた外国人の方と、
何気ないきっかけで、
世間話をすることってありませんか?

私はすぐ人に話しかけるし、
いつもニヤけているからか、
頻繁に話しかけられるし、
話しかけられたらすぐ反応してしまうので、
どこに行っても、そういうことがよくあります。

話の流れから、決まって「どこ出身?」と聞かれ、
「日本」と答えると、
「あ~!日本!私の知り合いが住んでますよ。『スズキさん』知ってる?」
みたいなことを言われることも、よくあります。

『スズキさん』については、『スズキさん』という名前以外は、他に情報はなく、「どちらのスズキさん?」と質問しても、「ほらさ、日本のさ、東の方?確か東だったと思うんだけど、なんだっけかな~、会社員の人、『スズキさん』、知ってる?」というような回答である場合が多いです。

ここで私が、

「そもそも日本に何人『スズキさん』がいると思っているんだ。もっと具体的にスズキさんの情報を教えてくれるならまだしも、苗字だけでは分からないし、具体的な情報があったとて、恐らくあなたの『スズキさん』など知らない」

と言ったら、即座に会話は終わります。

実際、私はその『スズキさん』とは知り合いではないでしょう。

でも、ここで私が『スズキさん』を知っているかどうかは、この会話においてまったく重要ではありません。

重要なのは、たまたま隣の席に居合わせた私との会話に花を咲かせようと、共通点を探してくれた、ということ。

その結果出て来たのが『スズキさん』。

だから私は、『スズキさん』が誰か突き止めることには労力をかけず、
「東ね~、東と言えば、私も関東出身なの。行ったことある?日本」
みたいな感じで会話を続けます。

このやり取りを、私は「国際交流」の一種だと思っています。

『江戸』と『井戸』

私は、日本の中高生対象のオンライン国際交流サークルを運営しています。
週末にはZoomで日本とカナダの中高生が楽しく会話をしています。

カナダの中高生は、日本のことをほとんど知りません。
ましてや、日本の文化や歴史などは、日系でもない限り何も知りません。

ショッピングモールのフードコートに行くと、「江戸」というファーストフードのお寿司屋さんがあります。
どこのショッピングモールでも割と見かける、カナダの人気店です。

スペルは「EDO」です。
カナダではそれを「井戸」と同じ発音で読む人がほとんどです。
「江戸」や「江戸時代」を知らないので、見たまま発音して「井戸」です。

先日、カナダの中高生が、日本の中高生に話を合わせようと思い、

「ほら、チェーンのお寿司屋さんで『井戸』ってあるでしょ?」

と、お寿司は日本からやってきたものだから、カナダにあるお寿司屋さんは、当然日本にもあるというていで話を始めました。

日本の中高生は???『井戸』???

カナダの子は、日本の中高生が英語が聞き取れなかったのか!と思い、ゆっくりと「い~ど~、分かる?い~ど~」と繰り返す。

日本の中高生は???????

そこで私が、「それ、『エド』って読むんだよ」とカナダの子へ説明。
日本の中高生には「カナダには、『エド』っていう名前のファーストフードのお寿司屋さんがあるんだよ」と説明。

これでお互い「そうなんだ~!」と納得して解決。

『寿司』と『SUSHI』

日本の中高生が「私は寿司が好き」とカナダの中高生に言い、カナダの中高生も「私もSUSHIが好き」と言いました。

日本の中高生はにぎりのことを言っていて、カナダの中高生はカリフォルニアロールのことを言っていました。

日本の中高生がにぎりの写真を見せたところ、カナダ側は「これがSUSHI???」という反応で、同じお寿司でも、日本とカナダで認識が異なるという勉強ができました。

他の国の人と話をする時に、その国の文化や慣習を知っていたら、話の幅がぐっと広がりますし、相手に合わせて話をすることができますよね。

自分では、「これは誰でも知っているでしょう」と思っていたことが、相手に伝わらなかったという経験をすることも、自分と相手の認識は異なるかもしれない、という気持ちを持つ練習になりますよね。

お互いの違いを受け入れた上で会話ができたら、そこに国境はないぞ!と思います。

続きは次回。ちょっとアピール。こんなことやっています。👆

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