僕たちは頼まれてもいない事をします
認知症になったお母様のお話し。
その方は80代。
娘様からのご依頼で施設にご入居され、家を片付ける。
お見積もりに伺うとそこにはお母様と娘様がいました。
娘様とお見積もりのお話しを進めていると、お母様が突然話し始めます。
お母様「この食器棚はな、死んだお父ちゃんと50年間前に買ったんや。立派な食器棚やろ?いいやつやから50年たっても状態が変わらんのやで」
見るとそこには高さ2メートル横幅2.5メートル程の大きな食器棚。
僕「立派な食器棚ですねぇ」
お母様「そやろ?私はこれ気に入ってんねん。だから施設に持って行って欲しいねん。」
娘様「お母さん。これは大き過ぎて施設には入らへんよ。小さいやつ買ったからもぉこれは処分してもらお」
お母様「‥‥そぉか‥‥入らんか。しゃぁないなぁ‥‥処分するしかないか‥‥」
皆さん‥‥
この会話からどんな事を感じましたか?
家具には想いがこもっています。
今は亡きお父様と若い頃に2人で選んだ食器棚。
ご夫婦の生活のスタート
お気に入りの食器を入れ、飾る
お子様が産まれ、いたずらで付いた思い出の傷
お子様が初めは届かなかった上の引き出しが、成長と共に届くようになる
家族団欒のときには必ず触れる食器棚‥‥
家族の歴史の片隅で、じっと動かず同じ時間を過ごしてきた"証"なんです。
お母様「にいちゃん。大き過ぎるからにいちゃんが処分しといて」
僕「‥‥わかりました」
お見積もりが終わって思った事があります。
あの食器棚‥‥
処分なんてできる訳がない!!!
でも現実施設には入らない‥‥
でも何とかしてあげたい‥‥
そこで僕たちが出した答えは
思い出家具リメイク
お母様の歴史の証、それを何とかカタチに残す為に食器棚の一部を使って置時計にリメイク。
これなら姿カタチは変わってもお母様が、お父様や家族や歴史を少しでも感じてもらえる!
完成の日
娘様に事情を説明し、お母様に一緒に届けに行くことになりました。
ただ娘様から
娘様「お母さんは施設に入って更に認知症が進みました。
もしかしたらこの食器棚の事もあなたの事も忘れているかもしれません」
僕「忘れていても大丈夫です。渡しに行かせて下さい」
置時計を箱に入れ2人でお母様のいる施設に向かいました。
部屋に入るとお母様が椅子に座っていました。
娘様「お母さん。前のおにいさんがきてくれたよ。なんか渡したい物があるんやって」
お母様「‥‥‥‥」
僕「お母さんにプレゼント持ってきましたよ。空けて見て下さい」
お母様は黙ったまま箱の蓋を開けます。
お母様「‥‥‥」
やっぱり分からなくなってしまったか‥‥
そう思ってもう一度お母様に話しかけようと顔を見ると
お母様‥‥
泣いてたんです‥‥
お母様はその日初めて話してくれました。
【‥‥私の食器棚や。うれしい‥‥ありがとう!!宝物や!!】
家具には想いがこもっています。
家具には歴史が詰まっています。
それを処分したくないのに処分しないといけない状況で涙されている高齢者の方が沢山います。
また心の無い業者により想いのこもった家具を目の前でバラバラに解体され涙されている高齢者の方が沢山います。
僕たちにはその涙を"嬉しい涙"に変える使命がある!!
僕たちは頼まれてもいない事をします。
その方にどんなおもてなしが出来るのか?
その方にとって何がベストなのか?
その方が少しでも元気になる方法はなんなのか?
どうか勝手に考えさせて下さい!!
僕たちが思う
【究極の幸せのおせっかい】
ただ片付けるだけでは意味がない。
ただ片付けるだけでは終われない。
僕たちがやってるのは
【人生の歴史の整理】
皆様の"思い出のカタチ"の為に僕たちは元気で明るく喜んでお手伝いさせて頂きます。
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