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一期一会のおはなしー1

皆さん、こんにちは。法純です。ポーランド人です。はじめての「ブッダテラス」の記事を載せらせていただきましょう。

スタートとしては「一期一会」のおはなしをしたいと思います。
皆さんは、当然、日本人ですから、「一期一会」という言葉は何回も聞いたことがあると思います。茶室の壁に掛けてある掛け軸にもよく見られるでしょう。

しかし、簡単に「一期一会」といいますが、
その一期一会の意味について考えたことがありますか?
当たり前のことですから、考える必要もないと思われるかもしれませんが、
この四文字は本当に深い意味があります。英語辞書を引くと、lifetime meetingと翻訳されています。つまり、一回しか会えない、という意味になるでしょう。そうかもしれませんが、それだけではないのです。

もう少し広い目でそれをみてゆきましょう。
 
われわれ、そのまま、富士山の天辺だよ!

ゴールデンウイークに家族と一緒に山梨にある山中湖へ遊びに行ってきました。
その時、6歳の娘はどうしても遊園地に行きたいといったのです。
場所は山梨で、富士山がとても綺麗に見えました。

僕も富士山が大好きで、何度見ても飽きません。
ついてすぐ、娘が、富士山はどこだと私に聞いてきました。
もちろん、富士山のある方角をみて、あそこにあるよと
言っても良かったのですが、その代わりに、ここは富士山だよ、
と答えました。


娘がよくわからないような顔をして、
それで話がお終いです。。。笑


うしろから、妻に「せっかくの遊園地だから、哲学的な話はやめてくれない?」と私は叱られました。


たしかに、向こうに富士山があるから、ここは富士山じゃない。
当たり前のことです。

僕も、どちらから来ましたか、と聞かれたら、
東京から来ましたと、あるいは、ポーランドからきましたと、
普通に答えるでしょう。

東京は向こう、東のほうです。
ポーランドはもっと向こう、西の方ですね。
当たり前は当たり前なんですけど、しかし、よくよく考えますと、
本当にそうなんでしょうか?


家族がジェットコースターに乗っている時、僕は一人で富士山をみながら考えていたわけです。富士山って結局どこに始まって、どこに終わるのですか。富士山はここからだよ、と本当に言えますか?


富士山の頂上から下り始めると、いつ富士山が終わりますか?
富士山が終わったところに何か違うところが始まるのですか。
真面目に聞いています。


東京に戻って、同じ質問を学校の生徒さんたちにすると、
「当たり前でしょう、海面からにきまってるじゃん」と。
本当ですか。じゃ、海辺へ行って、富士山が終わるところがありますか?

水の下に潜ったら、どうなるのでしょうか。富士山が急に終わりますか?
そんなことではないでしょう。海の中へ行っても、富士山と大地はつながっていて、終わらないです。ずっと続いていますね。


みなさん、イメージしてみてください。目を瞑って、まず、富士山の頂上からおりますね。ずっと下まで降りて、海まで着きます。こんどは、海の中へ入ります。ずっと海の底までいけるでしょう。ここに着いたらもうおしまい?そんなことないでしょう。まだまだいけるでしょう。

 ゴールデンウイークが終わって、東京に戻りました。ポーランドからの友達と話している時、お休みの時、どこに行ったの、と聞かれて、富士山だったよ、と。いいな、僕もいつか富士山を見たいな、と羨ましい声で彼はいいました。私は彼に、こういいました。


「今、あなたも富士山にいるんだよ!」

この言葉は、妻の言っているような哲学ではありません。
今、皆さんと私がいるのは、富士山であり、東京の中心であります。本当です。

さらに言えば、この世界は、そのもの、富士山です。また、僕は、このまま、富士山です!

何??

あなたも富士山です。!いやいや、実は、富士山のほか、何もないのです。

???

そんな不思議なことを書いたら、僕の最初の記事が最後の記事になりそうです笑

しかし、これは冗談ではないです。

実は、昔、道元という日本の僧侶も同じことを言いました。

「尽地に万象百草有、一草一象おのおの尽地にあること」と。

たった一人 〜 あなたもそうです、僕もそうです 〜 一つの現象でも、それらが限りない世界全体に共時的に繋がっているということでです。

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しかも、それこそが修行の出発点で心得なければならないことだといいます。

どうでしょう。

もちろん、スマホでグーグルマップをみたら、東京はここからあそこまでで、東京はここからあそこまでだとはっきりと言われますが、それらは我々人間が頭で作った地図に過ぎないです。本当の富士山、本当の東京とは違います。それでは、ここからあそこまでは絶対日本だ、ここからあそこまでは絶対富士山だ、あるいは、俺が絶対正しい!、と言えますでしょうか、、、?


つづく
 

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