【感覚統合からの視点】

「感覚統合」という言葉をご存知でしょうか?
この専門家は「作業療法士」さん分野です。

最近は、保育園に取り入れていたり、保育士さんも勉強している人がいます。
私もその1人です!

元々、私は「発達障害児」分野の勉強をしていて「感覚統合」という言葉を知りました。
本を買って読んでも全く意味が分かりませんでした。でも、これが分かれば何かつかめそうで諦めきれませんでした。

その頃、保育園で発達障害児の子の担当になりました。「どこから支援しよう?」と悩んでいた時に専門家の方の意見を聴いていると、「感覚統合」が出てきたんです。

「この子のために私は感覚統合を学ぼう!研修を探しまくりました」

良さそうな研修を見つけ、「感覚統合」って独学よりも知っている人から学ぶ方が良いと実感しました。


「感覚統合」の感覚とは?

🌱味覚
🌱嗅覚
🌱聴覚
🌱視覚
🌱触覚

の5つは聞いたことがあると思います

それと、あと2つあります!
🌱前庭感覚
🌱固有(受容)感覚
を入れた7つの感覚が柱になります。

それぞれの細かい説明は今後していきます。


感覚統合理論とは?

米国の作業療法士エアーズ博士が「人間の発達や行動を脳における感覚情報の統合という視点から捉えて」感覚統合理論を作りました。

この理論は「子どもの発達」「子どもの行動」「子どもの学習」を支援する上でとても大切な視点を示してくれています。


感覚統合理論の3つの原則とは?

(1)感覚は脳の栄養素である!

下記の7つの感覚を栄養素として脳は発達していきます。
エアーズ博士は、特に「触覚」「固有受容覚」「前庭覚」の3つの感覚が重要と挙げています。

参考図化: 「子ども理解からはじめる感覚統合遊び保育者と作業療法士のコラボレーション」監修: 加藤寿宏 クリエイツかもがわより


(2)感覚入力には交通整理が重要である!

脳の栄養素の次に重要なのが「交通整理」です。
感覚を感じ、脳に届けるまでの道のりが混雑することなく整理されている必要があります。

例えば、騒がしいレストランで会話する時を想像して下さい。たくさんの声の中から会話の相手の声に耳を傾けて、それ以外の声や音には意識しないようにしていると思います。
これは、「必要な情報」と「必要でない情報」を「交通整理」した結果です。下記の図のようにスムーズなイメージが理想的です。



・「交通整理が難しい」場合
会話の相手の声以外に、他のお客さんの声やお皿を置く音、食べる音などを耳から拾ってしまい、相手の声に集中して会話できなくなります。
そのイメージの図が下記です。

参考図化: 「子ども理解からはじめる感覚統合遊び保育者と作業療法士のコラボレーション」監修: 加藤寿宏 クリエイツかもがわより


(3)感覚統合は積み木を積み上げるように発達する

エアーズ博士は「読み書きが苦手な子」に「読み書きの練習を繰り返し行う」という支援に疑問を持ちました。
「読み書きの基盤には何があるのか?」
「読み書きはどのように発達するのかを実践と研究から明らかにしました」
そこから感覚統合は「積み木を積み上げるように発達します」


・「読み書きの発達」
言葉の遅れ、手先の不器用さなどの目に見えない問題があります。
これは積み木のピラミッドの上の方の問題になります。
その土台になっている「感覚・運動面へのアプローチ」が重要になってきます。

参考図化: 「子ども理解からはじめる感覚統合遊び保育者と作業療法士のコラボレーション」監修: 加藤寿宏 クリエイツかもがわより


感覚統合理論は、「子ども自身の力で積み木を積み上げること」を重視しています。
大人から一方的に教え込まれるのではなく、子ども自身の「主体的」なチャレンジが大切なんです。「やってみよう!」「できた!」「チャレンジ&試行錯誤」の循環が大切です。

感覚統合理論では「楽しい」と思える活動を提供することを重視!

「やってみよう!」→ 「チャレンジ&試行錯誤」→ 「できた!」の繰り返しが大切です。

積み木のピラミッドが積み上がるように感覚が統合されていくように活動や遊びを丁寧に意味づけていくことが保育園では重要です。

集団だからこそ、一人一人個々の違いや多様性を丁寧に理解することが求められます。

活動に参加しづらい子、すぐに飽きてしまう子などに「段階づけ」の遊びを提供していきます。

遊びの活動の難易度調整を「段階づけ」と言います。

簡単すぎず難しすぎない「ちょうど良いレベルの活動」にすることで、ワクワク感が得られることと学習効率も高まります。
その活動が「クリアできれば少し難易度をあげた」遊びの活動を提供してあげるようにする。
逆にその活動が「クリアできなければ少し難易度を下げた」遊びの活動を提供してあげるようにします。

家庭でもその遊びが楽しくできて、クリアできた場合は難易度を上げた遊びをする!
できないときは、できるように難易度を下げて「できた!」の達成感を味わえるようにしてあげて下さい。



隠れた部分こそが支援に繋がる!

では、発達障害児だけでなく子どもの発達を支援する時の基本的な考え方です!

下記の図は、「氷山」を例えにしようしています。これは子どもも「見える部分」と「見えない部分」があると伝えたいのです。

参考図化
「発達の気になる子の体の動きしくみとトレーニング」監修者: 川上康則 ナツメ社より


「見える部分」だけを支援しても変化はありません。
しかし、「見えない部分」に実は支援のポイントの「問題点が隠されている!」んです。

その「見えない部分」を探し出すために私は色んな分野の学びをしているんです。
それほど「隠れた部分」を見極める方法は難しいと実感しています。

私はそれを探したり、模索して子どもと楽しむようにするのが楽しいのです。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
少しでも参考にかる方がいたら嬉しいです。


参考文献
・「発達の気になる子の体の動きしくみとトレーニング」監修者: 川上康則 ナツメ社より
・「子ども理解からはじめる感覚統合遊び保育者と作業療法士のコラボレーション」監修: 加藤寿宏 クリエイツかもがわより


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