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インフレを先導する飲食業界

8月の日経平均暴落時に海外投資家の中には「日本がデフレに戻るんじゃないか?」と不安になっていた人がいたようだ。そうなると株価は上がらないので売られることになる。だから売った人もいたのだろう。

だがデフレに戻ることはない。飲食業界を見てたらわかる。

飲食業界は今期どの業界よりも賃上げをした。全体が5%くらいなのに8%くらい上げたわけだ。
なぜ上げれたか?
値上げして、企業利益が増えたからだ。
ほとんどの飲食上場企業は昨年からの値上げで利益が上がっており、それが賃上げに繋がったのだ。
この上がった給料はこれから先下がらないだろう。

そもそも日本の企業や経営者は性格的に一度上げた給料を下げることができない。
そして飲食業界には構造的な問題もある。
例えば内部留保が溜まりにくい業界だからだ。今日本の大手は過去最高に内部留保が積み上がっている。営業利益率が高い会社ほどそれは顕著で、例えば半導体企業のような利益率50%を超える企業や、任天堂のような無借金で当たれば利益が莫大に入ってくるゲーム業界はいくらでも給料を上げれるだろう。
ただ、飲食企業は利益率が3〜5%程度で高くても10%くらいだし、自己資本比率も低い。内部留保が溜まりにくいので賃上げするには値上げしかないわけだ。

そして日本の雇用システムも問題だ。
日本の会社は正社員を簡単にレイオフできない。これが日本の生産性の悪さを生んでいる。
飲食業界に限らず会社の生産性を上げるには、無能な社員を切って優秀な社員の給料を上げて、優秀な人材を採用するしかない。欧米はそれができるので企業の生産性も高くなる。日本はそれができないのでどうしても無能な社員を抱えてしまう。
ただ今の飲食業界の状況だとその層の給料も上げていかないといけない。空前の人手不足だからだ。無能な中年社員でもやめられたら困るわけだ。
だから賃下げもできないし、インフレはより進んでいくだろう。

そしておそらくこの部分が飲食業界を苦しめる。
現時点で値上げして赤字になってる企業はやばい。そうなると賃上げできず、優秀な人材が集まらないので売上は下がる一方だろう。
この先潰れる会社やM&Aなどで吸収される会社が増えていくと思う。
このブログの内容は7月のYouTubeの内容だが、ここ数ヶ月で九州の資さんうどんがすかいらーくに買収されたり、一幻ラーメンがクリエイトに買収されたり、M&Aの動きが活発になっている。はからずも当たっているということだ。

こういうふうに飲食業界を見ていると、インフレはどんどん進んでいくだろうし、飲食業界が先導する役目になると思う。
だから経営に対する考え方を変えるしかない。値上げで利益を増やし、経営のスリム化で無駄をなくし、付加価値を上げることで客数を維持し、得た利益で賃上げをする。
そうしないと生き残れない時代になっている

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