「共感が大事」なんじゃない。そのくらいしか、使えないんだ。

ライティングやマーケティングでは、「共感に訴えかけよう!」という話がされることがあります。

疑問は二つ。

なぜ?
どうやって!?
この疑問への、私の見方をお伝えします。

人に行動を起こさせる「5つの強い感情」

人が行動を起こすのは、もちろん理由があってのこと。行動を強く呼び起こす感情として、以下の5つが知られています。
【1】怒り
【2】恐怖
【3】笑い
【4】感動
【5】共感

そして、上位であるほど、より強い感情であり、より強烈に行動を引き起こします。

炎上商法=怒りの商法。荒神を御しきれず死ぬ

怒りは、きわめて強い感情です。我々が野生に生きていたころ。自身の危機に反応し、爆発的な力を発揮して敵を倒さねばならなかったのでしょう。SNSなどで、怒りに火がついて正義を振りかざす人を見ない日はありません。
怒りとは、それほどまでに素早く、強烈に、行動を喚起する感情なのです。

感情の強烈さに目をつけ、あえて反感を買う言動やプロモーションで「怒り」を煽る、という手法もあります。ですが、企業が行うには適していません。

「怒り」は熱しやすく冷めやすい、そして一部が恨みに化ける
アンガーマネジメント(怒りをなんとかする、みたいなヤツです)では、「6秒待て」と言われるそうです。カッとなっても、その怒りは6秒も継続しない。6秒を待たず、怒りに任せてしまうから子供に手を上げたり、部下に暴言を吐いたりする。6秒待って、怒りから解き放たれてから冷静に行動しよう。と、いうことらしいです。
つまり、「怒り」は強烈な感情であるがゆえ、維持できないため、すぐに冷めてしまうのです。
しかし、「怒り」が時を経て「恨み」に代わり、心に根を張ってしまえば別です。生物的な感情である「怒り」から、ある意味で人間的な感情である「恨み」に代わることで、想いが持続します。永遠に。

SNSで企業が「ほのぼの投稿」みたいなものをすると、かなりの確率で「でもお前ら、前にこんなことしたよなぁ~」っていう、過去をほじくるリプがつきます。「恨み」がその人のなかに残り続け、企業イメージを損ない続けているのです。
それは、たとえ個人サイトや個人事業主、あるいは日々の行動でも変わりありません。

「怒り」は簡単に呼び出せるけど、帰ってもらう方法がわからない荒ぶる神のようなもの。ときに、自分自身すらも傷つけます。到底、我々に制御できるものではありません。
怒りの感情を呼び起こすことで行動してもらおう、という手法はやめておきましょう。

ホラーストーリー=恐怖の商法。暴れ馬を乗りこなせず死ぬ

人は、機会損失を嫌います。得することや得したことよりも、失ったことや失うことを恐れます。行動経済学で言うところのプロスペクト理論です。(別途説明します。)
1万円もらったときの「うれしい精神エネルギー」よりも、1万円無くしたときの「悲しい精神エネルギー」のほうが大きい、というようなお話です。

恐怖も、非常に原始的な感情です。我々が野生で生きていた、いつ死ぬともわからなかった頃に根差しています。
正体不明の危機が現れたとき我々は、戦って危機を退けるか、危機が及ばない範囲まで逃げる必要があります。
(fight or flight、戦うか逃げるか反応、または「闘争か逃走か」と呼ばれています。こちらも別途説明します。)

「戦う」のであれば、「怒り」を呼び起こして痛みを忘れて敵に向かいます。
反対に、「逃げる」という行動を呼び起こすのが「恐怖」です。

得られるはずのものを得られないとしたら、それは恐怖です。
このダイエットサプリを買わないことでヤセられず、異性からモテず、コミュニティから蔑ろにされ、社会からはじき出されてしまうとしたら、それは恐怖です。
お客様の契約や獲得(コンバージョン)を優先するあまり、このようなホラーストーリーを語れ、と言われることがあります。

ですが、恐怖も原始的な感情のため、一歩間違うと「怒り」と同じく「恨み」を生み出し、イメージを損なう可能性が高いのです。

扱いが非常に難しい、暴れ馬だと思ってください。うまく乗りこなせなければ、振り落とされて死にます。

続きはその2で!

長くなりました。私は編集がドヘタなので、文章量を削る能力に乏しいのです。すまぬ。

続きはその2↓で!

あまりにも編集力が低く、その3までできました。

それでは、みなさんに良きクリエイターライフがあらんことを。

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