見出し画像

気になる統計 月別自殺者数(2020年7月)

8月11日に警察庁が月別自殺者数の7月分速報値を公表しました。2020年の月別数をグラフにすると以下のとおりです。

guraタイトルなし

毎年の状況は厚生労働省が取りまとめていますので厚生労働省HPから引用します。

nennタイトルなし


例年、2月が低くて3月、5月が多い傾向がみられます。自殺者数は毎年減ってきていました。自殺者数は景気動向に左右され、不景気だと増えることが知られていますが昨年は景気が停滞から下降に向かったと考えられます。しかし倒産件数が増えなかったことと、人口減少で人手不足基調が続いていたため失業率が低いまま推移したことで自殺者数も減少基調が続いたと思われます。

今年は1月までは例年と同じ傾向なのですが2月は大きく下がりました。例年2月は低いとはいえ昨年、一昨年と比べ150人以上減っています。3月は例年増えるのでやはり今年も増えましたがそれでも前年より100人以上低いままの状態です。さらに例年4月はそれほど下がらないのに今年は4月に入って大きく下がり5月、6月になっても下がったままだったのです。そして7月には例年並みに戻りました。

景気はどう見ても昨年より悪くなっていますのでこのようになった理由は景気とは無関係であることは明らかです。この時期の特徴として新型コロナウイルス感染症の影響で学校が休校になり、4月からは出勤抑制も進んだこととが挙げられます。

2-3月と4-6月の減り方の程度を見ると2-3月が150人程度、4-6月が300人程度低下しています。これが全部、休校と出勤抑制の効果ではないかもしれませんが休校と出勤抑制に半々の自殺低減効果があるように見えます。

コロナウイルス対策では経済と命の選択とか経済が悪くなると自殺も増えるという意見が聞かれますが自殺の原因となるストレスは必ずしも失業や倒産ばかりではなく普段の学校や職場でのストレスも大きいでしょう。出勤や通学をしなくて済むことで救われる命があることも押さえておきたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?