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リードの質を上げるためにできること|BtoBマーケティング

今年も残すところ2か月。焦っているハチワレです。
BtoBマーケティングに従事していると必ずリードの質問題にぶち当たると思います。

・リードの質ってどうやってあげればいいの?
・そもそもリードの質の定義をしていない
・数を追うとリードの質が悪くなる
などなど、リードの質について様々なお悩みがあると思います。今回の記事ではリードの質を上げるための施策とリードの質を上げる際の考え方について紹介していきます。

そもそもリードの質とは?3つの軸で考える

・ターゲット
・フェーズ
・認知価値

ターゲットについて
企業規模や役職がこの部分に当てはまります。ある企業では売上規模◎億円や従業員数などを軸にターゲットの質がいいかを考えている企業があります。人事労務管理などのサービスであれば従業員数3人の企業より、従業員数100人の企業の方がターゲットとして適正だと思います。

あとは役職軸です。平社員と部長や役員以上など決裁者だと、決裁者のリードの方がリードの価値として高いと考えられます。特に欧米の方ではトップダウンで検討が行われることが多いそうで、役職軸でリードの価値を評価することが多いです。

一方、決裁者も重要ですが、日本だと実際にツールなどを使う現場の意見も大きいので一概に決裁者だけを押さえておけばいいとも限りません。

フェーズについて
自社で提供しているジャンルについて課題感がどのような状態にあるのか?というのがこの部分になります。

例えば、採用などで当てはめるのであれば以下のようなフェーズになると思います。
・採用が必要だと思っていない
・採用しようと思い始めたが急ぎではない
・急ぎで採用したい

課題に気が付いていない、課題に気が付いている、解決手段を探しているなどといった、企業ごとに様々な段階があると思います。

営業から見ると今すぐ、契約してくれるリードが質が高いと考えるので解決手段を探している顧客がたくさん集まると良い状況になります。よってフェーズが後半になればなるほど、質が上がってくる可能性が高いです。

一方、フェーズ後半の選定段階から声をかけられると、どうしても良さが伝わらなく、合い見積もりで価格勝負になるということもあります。一概にフェーズの後半が集まるのもいいかと言われるとそういうわけではないかと考えます。フェーズの前段階でしっかりと自社の良さを伝えてから選定に移ることができれば他社に流れることなく、受注することができます。

そのため、フェーズの質についてはリード取得段階でコントロールするというよりは、インサイドセールスやフィールドセールスの段階でコントロールするのがいいかなと個人的には思っております。

認知価値について
ターゲットの人たちに自社がどのように認識されているか?ということです。いわゆるブランディングみたいな話になるのですが、この会社はノウハウや実績があり、安心できる。と市場で認識されている状態で商談するのと、何も知られてない状態で商談するのでは受注率に大きな違いが出ます。

認知価値の部分は指標に落とすことが難しいので、自社や商品の良さが商談する前までにつわたっているのか?みたいな所を見るのが大切かなと思います。

商談前に資料や動画、セミナーで商品やサービスのメリットが伝わっていればセールスの段階でそこまで説明しなくてもクロージングに移れると思います。僕はセールスをしていた時は事前に沢山情報を与えて合う段階では背中を押すだけにしたいなと思い意識して取り組んでいました。その方が効率がいいんですよね。

事前に認知価値を高めるというのはマーケティングが頑張るべき部分であるかなと思っています。コトラー曰く「セールスを不要にするのがマーケティングである」と話していますが、個人的には「セールスの前に受注率が高い見込み客を創出する」のがマーケティングの仕事かなと思います。そう考えると事前に良さを理解してもらった上で商談に臨んでもらった方がいいなと考えています。

長くなってしまいましたが、以下の3つの軸でリードの質が考えられます。
・ターゲット
・フェーズ
・認知価値

自社にとって質の高いリードとは?定義を定めよう

「リードの質が悪い」とお伺いすることが多いですが、もう一つ踏み込んで話を聞くと、自社での質の高いリードの定義が曖昧なことも多いです。
そこで自社での質の高いリードの定義を定めましょう。

質の高いリードの定義については、セールスとも話し合い決めることがおすすめです。最終的にセールスが商談をするので決まりやすい商談の特徴から逆算して決めるのもアリです。あとは事業計画の段階である程度のペルソナが決まっていると思うのでそこから考えるのもいいでしょう。

役員以上が質の高いリードと定義し、役員以上のリード数を最大化するようなKPIを設定しWebマーケティングを取り組んでいる企業もあります。別の企業では医者向けサービスなので研修医を除く、医者を質が高いリードとしてKPIを敷いています。

個人的には今までの受注データなどから分析して狙いたいリードを決めて質の高いリードを定義してKPIにするのがおすすめです。

運用型広告でリードの質を上げるためにできる9つのこと

①広告でターゲットを絞る

ターゲットとなる人が反応するような文言やクリエイティブを広告のメッセージに入れてしまうことです。

例えば、安直ではありますが経営者向けのサービスだったら
「経営者向け」「評価制度作成に悩んでいる経営者へ」みたいな文言をクリエイティブにいれるようなイメージです。

他にも、ターゲットユーザーしか伝わらない言葉などをクリエイティブにするということも考えられます。

検索広告やディスプレイ広告など様々な部分で活用できる考え方になります。

検索広告でも僕は良くやる施策になります。例えば企業向けの電気代削減サービスを提供している会社の広告を運用するとしましょう。

電気代削減みたいなキーワードは個人でも法人でも検索すると思います。その時の広告文では以下のような広告文を使います。

【法人向け】電気代削減なら|削減コンサルの〇〇

このようにすることで法人向けで探している人のクリックが増え、個人の人のクリックが減る可能性があります。

あと、Facebook広告だと、クリエイティブとLPでターゲティングするという考え方もあります。Facebook広告の自動入札が優秀なため、広告クリエイティブとランディングページをFacebook広告が学習し、コンバージョンしやすいようなユーザーに広告を出すといった挙動をしてくれます。

例えば、ターゲティングを絞らずにエンジニア転職のサービスの広告を出す場合、エンジニア向けの広告とランディングページを作り配信するとエンジニアであろう人に広告が出るようなイメージです。こちらは運用していたの肌感覚なので参考までに。

あるBtoBの案件ではFacebook広告にてホワイトペーパーのダウンロード目的で配信をしていました。ホワイトペーパーは変えてないのに広告クリエイティブを変えただけでCPA自体は上がったのですが、次の商談に転換する確率が上がったという事例もありました。広告を変えるだけでリードの質も変わることがあるので、どうすればリードの質が上がるクリエイティブが作れるか?というのは常に考えたいですね。

②カスタマーリストの精度を上げる

一部の広告媒体ではカスタムオーディエンスという機能があります。自社で取得している顧客情報を各媒体にアップロードすると、その顧客情報と各媒体内での情報と一致するユーザーリストが作れます。それがカスタムオーディエンスといいます

Facebook広告などでは、カスタムオーディエンスを元に類似オーディエンスというものが作れます。つまり、カスタムオーディエンスに近い属性の人たちに広告が出せるようになります。

例えば、経営者向けのサービスの展開している企業では経営者の顧客情報を持っていると思います。その情報をFacebook広告にアップロードして類似配信すれば顧客に近い人へ広告配信が可能になり、質が上がる可能性があります。

あるいは自社で質の高いリード情報を集めてそれらを元にカスタムオーディエンスを作り、類似オーディエンスを作ると配信先のリストの質が高まることがあります。

③検索広告でターゲットが検索しそうなキーワードを選定する

あるCRMツールを提供している会社の事例です。そのサービスはどちらかというと、フリーランスなどが使うよりは大企業などが導入を検討するサービスになります。ですので「CRM 無料」などのキーワードからはフリーランスや小規模企業などのユーザーが多いため、リードの質が低くなってしまいます。

よって「CRM 無料」といったキーワードは広告が出ないように除外をかけたり、大企業がCRMを検索する時に検索しそうなキーワードで広告をだしたりしています。

また、検索広告ではサービスを検討している人にアプローチできる媒体です。先のCRMサービスであれば「CRMおすすめ」「CRM導入」「顧客管理ツール」と検索している人にアプローチできます。探している人に広告が出せるため、フェーズが進んでいる人にアプローチできるのでユーザー質は高くなる傾向にあります。

④検索シグナルでターゲティングできる媒体を使ってみる

CRM、顧客管理ツールなどで検索しているユーザーはフェーズの後半に当たることが多いです。そのようなユーザーをターゲティングでき、リード獲得できればおのずと質は高くなるでしょう。

検索広告だけではなく、ディスプレイ広告でも検索を起点にしたターゲティングできるものがあります。Google広告ではファインド広告、Yahoo!広告ではサーチターゲティングというものが当てはまります。

つまり、顧客管理サービスというキーワードで検索した人に対してファインド広告であれば、YouTubeやGmail、ディスカバリー面で広告をだせます。Yahoo!広告であれば、Yahoo!ニュースなどYahoo!が保持している面で顧客管理サービスを検索した人に広告が出せます。

⑤デバイスや時間などの設定をする

BtoBの場合は就業時間に情報収集することが多いです。また、スマートフォンよりPCで情報収集することが多いでしょう。例えば、広告の配信時間は9時~19までに絞り、スマートフォンの入札を弱めるなども考えられます。これらのようにデバイスや時間を調整するのは大企業向けのサービスなどがおすすめです。

中心やベンチャー企業の場合は土日でも関係なく動いていますし、業態では土日に動くビジネスも存在します。なのであくまでもターゲットの企業の動向を把握して調整するのが好ましいです。比較的大企業の方が働き方改革などの影響もあり、遅くまで会社に残れなく、就業時間内で情報収集することが多いのではないかと考えて設定することが多いです。実際に土日だと検索数は減りCV数も減ることが多いのであながち間違ってないかと思います。

⑥役職、企業などのセグメントができる媒体を使ってみる

Eight広告では名刺データを活用し役職や企業名でターゲティングができます。かなりピンポイントにターゲティングができるのでコンバージョンが取れれば質が高いリードになるかと思います。

その他にもリンクトインというビジネスSNSも役職や職種、企業名でターゲティングができます。

⑦フォームの項目を工夫する

申込フォームで役職を記載するのをマストにすれば、ちゃんと打ち込んでくれさえすれば役職を把握することができます。自社がマーケティングや営業活動をする上でほしい情報を入力してもらうようにすると次の活動に繋がる為、リードの質の把握に役立ちます。

また、フォーム項目が多いと入力が面倒になり、CVRが悪くなる傾向にありますが、項目を増やした分だけ、ある程度意欲が無いと申し込みをしないので質の部分をコントロールする調整弁にもなります。

フォームを少なくすればするほど簡易的に申し込みができるようになりCVRは上がりCPAは下がりますが、簡単に申込こめるため、質の部分が下がることがあります。

⑧事前に与える情報量を増やす

コンバージョンする前やコンバージョンした後でも両方使えるのですが、事前に情報を与えることで、商品の理解度が上がった状態でリードが商談に臨む形になります。

コンバージョンする前であればランディングページの情報を増やしたり、導入事例のページを充実させたりというようなことが考えられるでしょう。

資料などコンバージョンした後であれば、商談の前までにメールで追加の情報や説明動画などを送って理解度を深めたりといった取り組みが考えられるでしょう。

⑨売上に近いコンバージョンポイントで最適化する

BtoBマーケティングを行う上でコンバージョンポイント設計が重要です。
検討期間が長く、導入までのハードルが高いことがほとんどですのでいきなりお問い合わせをすることは少ないと思います。

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そこで複数のコンバージョンポイント(資料請求やホワイトペーパーDL)を準備することでコンバージョン数が増加します。

しかし、ホワイトペーパーやお役立ち資料といった見込みが低いリードばかり集まっても売上には繋がりません。

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そこで上記のようになるべく、売上に近い位置でのコンバージョン数が最大化されるようにします。具体的には運用型広告ではコンバージョンポイントを選択し、選択したコンバージョンポイントの数が最大化されるように入札調整することができます。

媒体の自動入札で特定のコンバージョン数を最大化するように設定が可能です。なるべく、売上に近いコンバージョンポイントの数が最大化されるように設計して運用していきましょう。

まとめ|ターゲット、フェーズ、認知価値どの軸で質を高めていくのか?を考える

リードの質を高める際にむやみやたらに取り組むのではなく、これまで上げてきた3つの切り口から考えてみましょう。

方向性を絞ることで発想しやすくなるかとおもいます。今回紹介してきた内容は自分で取り組んでいて効果が出たものになりますが、やり方って他にもたくさんあると思います。一つの参考程度に活かしてもらえれば幸いです。

お忙しいところ、最後までお読みいただきありがとうございました。

他にもBtoB×広告運用の軸でnoteを書いてますので良かったら見てみてください。

また、TwitterでもBtoBマーケティング×運用型広告の軸で呟いているのでもしよければフォローくださいませ。


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