研修講師未経験で独立して、LXデザイン会社を目指すまで【プロフィール後編】
前回、フリーの研修講師としてある程度認められるようになるまでの軌跡を綴りました。
今回は、その続きで、LX(Learner Experience ≒ 経験学習)デザイン会社としてプロジェクトを推進していくまでのプロセスを書いていきます。
前回の記事はこちら。
元々描いていた教育の理想
おそらく5年くらい前までずっと理想として描いていた教育像がありました。それは「好きなことをやっているだけで、国語・算数・理科・社会など全てのことが理解できる教育」でした。
もう少し具体的に言うと、私は学生時代の殆どが野球にしか興味がなかったので、野球に真剣に打ち込みながら考えることで、物理も算数も国語も学べ、さらにはクリティカルシンキングやリーダーシップも学べる。一言で言えば「野球を通じた学びの最大化」がずっとやりたいことでした。
ですが、それではダメなことに気づいたのは、本格的に体験学習というものを学んでからでした。
体験>講師という気づき
スポーツを通じた教育を深める意味でも、体験学習というメソッドを深く理解する必要があると感じていたところ、幸運にも、グローバルでトップクラスの体験学習を提供する研修会社のファシリテーターとして仕事を得ることができました。
そこで数年、様々な企業のリーダーシップ開発に携わることができたのですが、その実践を通じて気づいたことは、体験デザインの重要性でした。体験デザインによって受講者の気づきが大きく変わるんです。もっと言えば、体験デザインと受講者の特徴の関係性が学びに最も影響すると感じました。もちろん、ファシリテーターである講師のスキルは重要ですが、それ以上に体験デザインが与えるインパクトに心を奪われました。
つまり、これが意味することがどういうことか。1つの体験から学べることには限界があり偏りがあるということです。野球は野球の学びがあり、サッカーはサッカーの、コンサルティングはコンサルティングの、起業は起業の学びがあることに気づきました。
これに気づいてから、僕の興味は「1つの体験からの学びの最大化」よりも「個の成長を促す体験のデザイン手法」に変わります。
そこから、研修における体験デザインの方法を探究し始めました。
探究テーマ:成長体験をデザインするには?
では、どのように人材育成文脈における体験をデザインすれば良いかを模索し始めたものの、私が求めるような本はありませんでした。じゃあ、直接的ではなくても、何かヒントになりそうなものが異分野にないかと探した結果、2つ見つけました。それが「ゲーミフィケーション」と「UXデザイン」でした。
で、色々本を読んでみると、ゲーミフィケーションは「人を熱中させる体験デザイン」をつくる上ではとても参考になりそうなものでした。一方、UXデザインは「人間中心に体験をデザインする手法」であり、ゲーミフィケーションも包括するような手法でした。
そこで私が学びたいのは、UXデザインだと仮説を立て、2019年にXデザイン学校の門を叩くことにしました。その時の学びのまとめはこちらです。
1年間学んで、UXデザインの全体像が掴めました。まさに私がイメージしていた体験デザインの手法を学ぶことができ、やはりこれだと思いました。そしてこれまで仕事で培ったスキルも十分活かせるものでした。
ただ、UXデザインは相当奥が深いもので、フレームワークを学ぶくらいでできるようなものではなく、概念化思考、物語作り、教養など幅広い知識やスキルが求められることがわかりました。
そこで次に、イシス編集学校の門を叩きました。
Xデザイン学校も正解でしたが、このイシス編集学校も大正解。UXデザインをする上で必要な思考法が編集思考に全て詰まっていました。正直、何気なく通ってみた学校でしたが、本当に一気に世界観が広がりました。
我ながら、この2つの学校をよく見つけたなと思います。
そして2020年はコロナの影響で一時的に仕事が激減したこともあり、このチャンスを更なる変革の機会にしようと思いました。UXデザイナーを目指す以上、ある程度テクノロジーへの理解も必要だということで、プロトタイピングに特化して教えてくれるProtoOut Studioの門を叩きました。
プログラミングは完全に初心者。正直全く何もわからないレベルでした。ですが、こちらも半年でテクノロジーに触れ、自分の手で動かす感覚を手に入れました。
Xデザイン学校も、イシス編集学校も、ProtoOut Studioも、おそらく自分の中で明確な目的がなければ選ばない学校かもしれません。でも、いずれも僕にとっては必要不可欠な学校だったと思います。
LXデザイン会社をつくる
3つの学校で学び、それ以外にも様々な本を読んだ結果、「よし、揃った」という感覚になりました。学んだことを全て統合して、いよいよLXデザイン会社として事業を推進していこうと決めました。
LXデザインを行う上で必要なスキル体系はこちら。
現在は、いくつかのプロジェクトを行いながら、サービスデザイナーと共に、LXデザイン手法の研究・開発中です。
株式会社ビータップの由来
ビータップには、2つの意味を込めました。
①「Bridge between Theory And Practice(理論と実践の架け橋)」
理論と実践の間には隔たりがある。どうしたら理論知を実践知に繋げることができるのか。その理論と実践の間を繋げる架け橋になりたい。
② ファミコンのBボタンを押す(Tap)
小さい頃、Bボタンを押して熱狂したような体験を作りたい。
現在進行中のプロジェクト
①レア人材へのパラレルキャリアコーチングRYOMEI
パラレルキャリアを持ち新たな価値を創出できるレア人材になるサポートをしています。
②フリーランスや副業人材へのOJT型受託事業
・企業のインターンシッププログラム開発
・動画の撮影・編集
③Youtube「パラキャリch.」の運営
④人材開発・組織開発の研修講師
・大手企業を中心として、新入社員から管理職までのリーダーシップ開発、アセスメントを実施
・組織開発クラウドを活用した組織開発の研修
・スポーツチーム向けのチームビルディング(現在、筑波大学硬式野球部の支援を開始)
⑤Xデザイン学校でのデザイン研究
テーマ「2つ目のキャリア形成の成功可否を分ける要因は何か?」
実績・スキル・その他
■研修実績
・新入社員研修 100回以上登壇
・リーダーシップ開発 100回以上登壇
・管理職試験アセスメント 100回以上登壇
特に業界問わず。老舗メーカーからIT企業まで様々。
得意領域:体験型による個々の強みと課題を発見すること。ビジネスリーダーの延べ1000人以上にフィードバックをしてきた。
■スキル
・アセスメント
・ファシリテーション
・変革メソッドImmunity to Change
・UXデザイン
・編集
・プログラミング初級(Javascript)
■人材育成において大事にすること
「過去に敬意を払い、現在を解釈し、未来をデザインする」
「個性中心にデザインする」
これまで培ってた1人1人の経験やストーリーに寄り添う。その上で、現在の文脈から解釈し直し、未来に向けて個性をデザインし直すこと。
メンタルモデルを更新(=発達)するお手伝いをすること。それを大事にしていきます。
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