創造性の時代_アートエデュテイメント#02
前回はアートエデュテイメントって何? ということで口火を切らしていただきました。今回はその続きになります。キーワードは「創造性」です。
創造性の時代
「創造性」が大事な世の中になってきたようです。例えば、2018年に閣議決定された、第5期科学技術基本計画の中で、
とのことで、なるほどこれは目指すべき社会かなと思います。
また、2020年の世界経済フォーラム、いわゆるダボス会議では、2025年に 仕事をする上で必要なスキルとして、「創造性」がリーダーシップやテクノ ロ ジーの理解より、上位のスキルとして挙げられています。「創造性」は社 会をよりよく生きる上で、不可欠の要素として認められてきているようです。
では、普段の生活で、私たちは「創造性」を発揮しているでしょうか? 意識している場面はあるでしょうか? 正直、「創造性」といっても、あまりピンとこないか、何か特別なものを「想像」したりしているのが日常のような気がします。例えば、「創造性あふれる仕事」として浮かぶのは、画家や小説家、音楽家といった芸術家か、有名シェフとかデザイナーとかいった「クリエイティブ」領域の人たちで、自分の仕事、まして人生を「創造性」あふれると見ている人は少ないでしょう。
かんじが、ない!
創造性は特別なものではない
すみません。突然、SFチックな物語を書き始めてみました。皆さんはこの文章を読んで、何かしらのシーンが頭に浮かんできたことでしょう。通勤電車の車内でオロオロしている主人公の姿や、いつもと様子の異なるスマホの画面…等々。実はこれが、私たちの誰もが持っている「創造性」です。小説や映画の登場人物に感情移入したり、宝くじを買ってドキドキワクワクしたりするのも、すべて「創造性」の賜物です。
私たち人間には、「創造性」は生まれた当初からビルトイン、組み込まれています。この世に存在しないものを生み出し、実在するかのごとく扱う力。それが「創造性」です。世界的ベストセラーとなったユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』では、「フィクション(虚構)を伝達する能力」として書かれているものですね。
貨幣の話がよく事例として出されるのですが、一万円札に価値があるという「フィクション」を皆が信じあうからこそ、貨幣経済が成り立つわけです。「フィクション」でなりたっているものは日常の生活にあふれています。つまり、私たちは、「創造性」を発揮しながら、普段の生活を過ごしているわけですが、あまりにも当たり前すぎて、「創造性」を意識していないというのが実態なのです。
この通常は無意識下にある「創造性」を、自身でカチッとスイッチを入れて自覚的に活用できるようになると、スティーブジョブスのように世界を変える商品・サービスを世に出したりすることができるようになります。いやいや、そんな大それたことでなくても、少なくとも、今よりも心豊かに生きていくことができますよ~、というのが、アートエデュテイメントの考え方です。では、どんな形でスイッチをいれるのか? 次回はその辺りを「感じる」お話としてお伝えしたいと思います。
ここまで読んでいただいたところで、「創造性」にカチッとスイッチ入れていただくと、途中のSFチックの話のタイトルの意味がわかりますね。
かんじがない話が、どれだけつまらないものなのか…。
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