転落から這い上がる【転落】

最近「TKO」のYouTubeをよく観るようになった。

TKOチャンネル

正直TKOさんには全く興味がなかった。
テレビを観ていた頃もコントは興味がなかったし、バラエティ番組も「あ、TKOか」ぐらいの感覚だった。
その後の騒動で私のイメージでは「ペットボトルを後輩に投げて炎上した人」と「投資で何か失敗をして炎上した人」という世間の人が抱いているイメージと同じような印象を抱いていた。
それが数ヶ月前にカジサックさんとヒカルさんのyoutube動画に出演された回を観たときに印象が変わった。
「なんかネットで言われてるような酷いひとたちではないやん…おもろいやん」
騒動を反省しながら上手くネタに持っていく。
さすが芸人さんやなぁと思う返し。
ヒカルさんとカジサックさんの提案で、その場でTKOのチャンネルを立ち上げを決め、動画を撮りながらyoutube運営についてアドバイスに耳を傾ける。
その後、TKOのチャンネルを観たら、そのアドバイス通りにコメント欄から視聴者の声を取り入れて「あーでもない、こーでもない」と試行錯誤してる様子が見えた。
頂いた意見を柔軟に取り入れて、譲れない部分は自分を貫き、チャンネルを作り上げていく。
ベテラン芸人のおふたりが新しいことに挑戦する姿がとてもかっこよく見えた。

TKO結成から今回の騒動までの一連の流れが、書籍化された「転落」という本。
せっかくの機会なので最近読んでみた。

転落 (幻冬舎単行本)

TKOのおふたり、とくに木本さんが話されたことを作家さんが文章にしている本だが、これが本当に面白い。
人の騒動が書かれた内容が面白いというのも失礼な話だと思うが「これは映画化できるぞ」と思えるぐらいの濃い物語だった。

東京に出てブレイクするまでの道のりも凄いが、やっぱり騒動のときの話は読み応えがある。
ペットボトル事件もなぜ投げてしまったのか、なぜあんなにも炎上してしまったのかが丁寧に書かれていた。
それを読むと、投げたほうが絶対的に悪いが、その時の心情も少しは理解できる。(※ほんの少しだけ)
投資については全国区の芸人さんでサラリーマンよりは収入が高いのに、やっぱりお金についての不安、コンビ感の格差不安、ペットボトル事件の不安、あとはコロナでの仕事がなくなってしまった不安、全ての不安が重なったことと、木本さんの人の良さが全部が悪い方向に出た結果が騒動に発展したことが分かる。
「不安」って人を狂わせる。
何千、何億のお金を人に預ける感覚が庶民には想像できないが、やっぱり持っている人はお金を持っているんだなぁと思った。

1番すごいと思ったことが、事件が発覚した時に木本さんを責める訳でもなく、お金を作るために家のものや自分が必死に働いて買ったお気に入りのブランドバッグなどを売って、木本さんを支えた奥さんが凄い。
奥さんには投資のことを秘密にしていたらしい。
こんなこと旦那がしでかしたら、普通は愛想つかしそうな気もする。
学生時代からの長い付き合いみたいで、おふたりの関係性にも感動してしまった。
TKOさんががどうこうというよりかは、木本さんの奥さんが報われてほしい。

一度失敗してしまった人が這い上がる姿は、勇気をもらえる。
私も自分が思い描いていた理想のレールから外れてしまって、その自分とTKOさんを重ねてしまっているのかもしれない。
全く規模感は違うし、一緒にすると失礼だと思うが…。
とにかく私も頑張ろう！と思った。
TKOさんがどんな風にこれから変わっていくのか、私も陰ながら応援しようと思う。
とにかく、木本さんの奥さんが幸せになりますように…。