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花火大会の花火は覚えてないが

子どもの頃は毎年、大阪府池田市と兵庫県川西市が合同で開催している花火大会「猪名川花火大会」に連れて行ってもらった。
約4000発が猪名川河川敷で打ち上げられる。
大人になってからは全く行ってないが、今年の開催日の日、Xに「猪名川花火大会」がトレンド入りしていたので懐かしい気持ちになった。

花火大会の当日は母親がおにぎりを握ってくれた。
会場に行ったらもちろん屋台で何かしら買うのだが、屋台で買いすぎないように節約のためのおにぎり。
その屋台のメニューとおにぎりが晩御飯だった。
会場に着いたらレジャーシートを敷いて、場所取り。
場所を確保したら食べたいものを買いに行く。
基本的には焼きそばを買っていたような気がする。
お祭りといえばたこやきだが、屋台のたこ焼きは当たりはずれが激しいので買ってもらえなかった。
私はじゃがバタを買ってもらっていた。
ふかしたじゃがいもをお店の人が割ってくれて、大きい缶の中に入ったバターを好きなだけつけていいと言われるのが嬉しくて、文字通りバターを塗りたぐった。
最後に塩をふりかけて、見るからにカロリーが高そうな食べ物だが、お祭りのときにしか味わえない背徳感が好きだった。
家でも母にお願いしてじゃがバタを作ってもらったが、やっぱり圧倒的にバターが足りない。
かといって家で好きなだけ塗ると母に怒られる。
屋台だけの特別なメニューだった。

帰りの電車が混むから最後まで花火は見させてもらえない。
帰り道は迂回しながら駅に向かう必要があるので、早めに会場を出る。
その帰り道にピカチュウかドラえもんの形をしたベビーカステラがあったら買ってくれた。
普通の丸い形のベビーカステラは買ってくれなかったが、なぜかピカチュウかドラえもんの形をしていたら買ってくれる不思議な価値観の親だった。
会場の周りお家は庭やベランダに出て、花火を楽しんでいた。
地元民の特権!
帰りの激混みの電車にも乗らず、花火をお家で楽しめるなんて、なんて羨ましいと思った記憶がある。
花火がきれいだったことよりも屋台や帰り道のことを鮮明に覚えている。
それだけあの時間が楽しく、懐かしい思い出なのだろう。

大人になって淀川花火大会に当時お付き合いしていた彼氏と行く機会があった。
一応私も当時は恋人らしいデートを求める女ではあった。
そこで地獄を見たのでもうそれ以来花火大会は行ってない。
人の多さが猪名川花火大会とはケタ違い。
どれだけ迂回させんねん!!ってぐらい帰りの駅までの道のりが長くて大変だった記憶がある。
彼氏と見た花火の思い出より、帰り道の方が鮮明に覚えている。

もう花火大会は暑さ的にも体力的にも見に行くのは無理な自信がある。
最近は「有料席」なるものもあるらしいので、そういったサービスを利用するのもアリだなと思うが、やっぱり花火大会自体にそこまで興味が持てない。
子どもの頃に「ザ・夏」な経験をさせてもらっていて良かったなぁと今は思う。

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