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ペン1本が自分や周りを幸せにする

「ペン」を買うとき、どんな基準でペンを選んで買うだろうか。
私は適当に「ペン」を買う。
なにかのついでの買い物に行ったとき、売り場に行って、パッとペンを取り、かごにいれる。
ペンなんてどこで買っても同じだという考えだ。

最近、ある方から聞いた話。
その方はペンを買うとき、書き心地などをひとつひとつ確認してから買うそうだ。
ノートも同じで紙質や厚さ、大きさなどを色々と吟味して選ぶらしい。
とにかく自分にぴったりしっくり合った文房具を探していると言っていた。
その方が憧れるペンがあるそう。
「モンブラン」というブランドのペン。
高級なペンのブランドで高いものなら10万を超える。
そのペンを買うのが夢だと話してくれた。

その方は最近、とあるデパートにあるブランドショップで買い物をしたそうだ。
そこで最後に自分の名前をサインする必要があって、店員さんからペンを渡された。
パッとそのペンを見たら「モンブラン」のロゴが目に入った。
そのブランドショップ自体がモンブランのペンを導入して使っているのだと思い「これモンブランですよね、このお店で使用しているのですか?」と店員さんに聞いたら「いえ、自分の私物です」と返されたらしい。
店員さんいわく、モンブランのペンが好きで、お気に入りの1本を仕事で使っているそうだ。
店員さんが使っていたそのペンはモンブランというブランドの中では低価格のものらしいが、本当に好きじゃないと普通は買わないぐらいの額らしい。
その方は、自分と同じペンが好きな店員さんと出会えて、嬉しい気分になったと話してくれた。

この話を聞いたときとても素敵だなぁと思った。
店員さんは自分のお気に入りの1本のペンを仕事で自分が使うだけでなく、お客さんにも使ってもらっている。
お客さん側は名前を記入するときに差し出されたペンを使う。
モンブランのペンと気付く人は気付くかもしれないが、知らない人にとっては普通のペン。
ほとんどの人が気づかないと思う。
でも、そこで気づいた人は、そのロゴに反応する。
思わず「これモンブランのペンですか」と聞いてしまうかもしれない。
そこから生まれる会話とか、親しみとか、自分と同じ物を好きな同士みたいな仲間意識とか、色々な感情を抱く。
たった1本の自分のこだわりから始まるコミュニケーションがあるんだなぁと考えると、ものすごく素敵なエピソードだと感じた。
自分も相手もちょっと嬉しい感じが良い。
こだわって選んだ物を身につけるとモチベーションも上がるし、もしかしたらそれが他人の気持ちも一緒に上げる、なにかのきっかけになるかもしれない
やっぱり嬉しいと思う、自分のお気に入りのものを気づいてもらえるって。
私が店員さんの立場なら、その日は1日幸せな気持ちになると思う。
お客さんの立場でも嬉しくなる。
物を買ったことよりも、そっちの気付きの方が嬉しいかも。
お気に入りのものを持つことは、自分の気持ちを高めたり、ちょっとした良い運や縁を引き寄せるのかもしれない。

ペンなんて「書ければなんでもいいやん」と思っていた。
よくよく思い出してみると、子どもの頃、文房具屋さんに行ったとき、ペン売り場で試し書きの紙に文字とかを書いて、書き心地や触った感触などを毎回確かめてペンを買っていた。
いつのまにか「自分で試して選ぶ」ということを忘れて、適当に「これでいいや」で選んでしまっていた。
こだわって選んで、自分のお気に入りや、自分の手にしっくりと馴染むものを探すことって、思っている以上に大事なことだと感じた。
毎日使うものや、身につけるものなら尚更、選ぼうという気持ちになった。


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