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自転車に乗って出かけたい気分になった【臆病者の自転車生活】

安達茉莉子さんの「臆病者の自転車生活」を読んだ。
自転車があまり好きではなかった著者が、ひょんなきっかけで電動自転車に乗り、自転車に興味を持ち、電動自転車を購入し、最後はロードバイクまでハマり込み、長距離を走る経験を書いたエッセイ。

自転車の魅力にどんどんハマっていく様子が細かく描写されていて、とても読み応えがあり、面白かった。
ロードバイクやクロスバイクなど、ちょっと素人が手を出すにはハードルが高い自転車から始まるのではなく、電動自転車から興味が始まっているのが良かった。
自分の身近なところから始めて、どんどん深みにはまっていく感じが読んでいてワクワクした。

自転車の印象って、近所に買い物に行くときに乗っていく乗り物なイメージ。
楽しんで乗る乗り物というよりは、移動を楽に、荷物を運ぶための乗り物というイメージがあった。
最近は自転車ブームで自転車にハマる人が多いが「自転車が楽しい」という感覚がよく分からなかった。
私の中の自転車での長距離移動といえば、自転車を40分ぐらい走らせて行くショッピングモールぐらい。
自転車で県を超えて移動するなんて、想像もできない。

本には自分が走れる距離を少しずつ伸ばして、少しずつ経験を積み重ねて、長距離へ挑戦する楽しさやしんどさなどが細かく書かれていた。
長距離を走るのに服装や持ち物、雨対策、パンク対策など、ただ単に走ることだけを考えれば良いわけではないことが分かった。
体力も必要だが、思った以上に頭を使う。
毎回順調に走れるわけでもない。
ハプニングが起こるたびに、ひとつひとつ対応していく。
自転車で走れば走るほど、気持ちの上でもたくましくなっていく姿が羨ましいと思った。
たまに人から「自転車で○○まで行ってきたんですよ~」と長距離移動の話を気軽な感じで聞いていたが、そこまで到達するまでに小さな経験を積み重ねてきたからこそできることなんだと思った。
今度から真剣に話を聞こうと思う。

読み終わったあとは、私も自転車に乗ってどこかに行きたい気分になった。
私も自転車は所有している。
だが、最近は全く自転車には乗らず、自転車置き場に放置したままになっている。
今の家に引っ越してきたときに、ホームセンターに行って「ここで一番安い自転車をください」と店員さんに頼んで、買った自転車。
お気に入りで近所を乗り回していたが、自転車に興味がなくなり、次第に乗らなくなった。
今の動く状態かは分からないが、久々に引っ張り出して自転車に乗って出かけたくなった。
私の場合、長距離といってもショッピングモールまでぐらいの距離だが。
それでもゼェハァ息を切らせながらたどり着くレベルなので、プチ達成感は感じるだろう。

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