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私のスペイン900km巡礼記 in 2023春 #10 【8日目】牛追い祭りの大都市パンプローナへ

こんにちは、ナガイです。今日は牛追い祭りで有名な大都市、パンプローナ(Pamplona)へ向かいます。
前回の記事はこちら。

天気予報(パンプローナ) 曇り時々晴れ 最高気温22℃ 最低気温1℃

6時起床、6時半出発。外は真っ暗。月が明るい。一羽の鶏が鳴いているのが聞こえる。

昨日の歩行で右足の人差し指を少し痛めてしまったようなので気をつけながら歩く。早朝の時間帯はダウンジャケットと手袋を身につけていないと寒い。

一人で黙々と歩いていると色々と考えてしまうが、朝の澄んだ空気と鳥の鳴き声に囲まれながらだと深刻になったり落ち込んだりせずに済む。

歩いていると一人、二人と50代か60代の男性が横を通り過ぎて先に歩いていく。その後ろ姿を見ながら、自分も将来リタイアしたら再びこの道に戻ってくるのもいいかもしれないと思う。

しばらく車道を道なりに歩いていると、どうやら道を間違えていることに気付く。早めに気付いたので400mほどの距離を往復するだけで済んだが、道を間違えて余分に歩くと少し損した気分になる。そもそもこうして歩いているのも誰かに頼まれた訳ではなく好き勝手にやっていることで、それなのに余計に歩いたら気分を悪くするというのも変な話だ。

9時近くになると日差しも当たり始めて暖かくなってくる。軽く休憩がてらダウンジャケットを脱ぎ、チョコレートと水を取る。

今日の道中はすれ違う他の巡礼者とは一言挨拶を交わすだけで終始一人で歩いたが、元々はこちらの方が性に合っているのだと感じる。

時たま現地の人たちとすれ違う時も必ずといっていいほど挨拶をする。知らない人同士では決して挨拶を交わすことがない日本がダサく思えてくる。

9時半頃に山道を抜けるとビリャバ(Villava)という町に出る。橋を渡ったところにバシリカ(礼拝の場所)があり、そこでクレデンシャルにスタンプを押す。

今までの町と比べると街並みはすっかり大都会といった感じで、今までの風景とあまりに違うので少し混乱する。しばらく歩き、次のブルラダ(Burlada)という町にあるバルで遅めの朝食を食べる。ハムとトルティージャの入ったボカディージョとカフェコンレチェ。3.4ユーロ。

地元の人向けのお店なのか店主の愛想があまりよくなかったが、お店で注文や会計をするくらいのスペイン語は話せるようにしてきたので、特に問題なく食事することができた。

街中にも巡礼路を示す目印が至る所にある

バルから今日泊まる予定のパンプローナのアルベルゲへ向かう途中にも一度道を間違えて引き返していると、それを車中から見ていたらしい地元の人がクラクションを鳴らして「あっちだよ!」と指を差して教えてくれた。地元の人たちにとってはごく日常の風景なのだろう。

11時過ぎにパンプローナのアルベルゲに到着。すでに十数人の巡礼者が先に着いて受付開始を待っていた。

列に並んで待っていると、先に着いていたアニータが話しかけてきた。彼女は英語と中国語を話せるのはもちろん、フランス語やスペイン語も勉強しており、さらに日本にも交換留学生として来たこともあるそうで日本語も少しだけ話せる。言語を学ぶのが好きなのだそうだ。それと彼女から昨日はあなたがいびきをかかなかったおかげで今までで一番よく眠れたとお礼を言われた。
12時にアルベルゲの受付がスタート。気がつくと後ろに長蛇の列ができている。

ここは大きなアルベルゲのようだが、着くのが遅れるとベッドが埋まってしまう可能性もありそうだ。宿泊代は11ユーロ。

シャワーと洗濯を済ませて14時頃に街へ出かける。アルベルゲの近くにあるパンプローナ大聖堂はとても大きく、中も広かった。

パンプローナは人口約20万人の大きな都市のため、巡礼者の中には休養日も兼ねて一日余分に滞在する人もいるようだ。

パンプローナ市役所
Palacio de Navarra

暑かったのでトリュフのジェラートを食べる。3ユーロ。

日差しを浴びながら庭園や史跡などをあてもなく散歩していると、ふとなんて贅沢な時間を過ごしているのだろうと思う。

タコネラ庭園
Ciudadela de Pamplona

この日はちょうどイースター前の聖金曜日と重なっているため、店は繁華街を除いてほとんどクローズしているようだった。

Plaza Merindades
パンプローナ闘牛場

3時間ほど歩いて疲れてしまったのでアルベルゲ付近で昼食代わりに軽食を食べる。初めて赤ワインも飲んだ。4.2ユーロ。

一度アルベルゲに戻り、しばし休憩する。今日のベッドはバルセロナから来た5人組の近く。彼らはイースター休暇を利用して5日間だけ巡礼しに来たそうだ。
ベッドでゴロゴロしていると、アニータが「早く来て!今すぐ!」と叫びながら呼びにきた。何事かと思い行ってみると、アルベルゲの目の前をパレードが通過しているところだった。どうやらイースターのパレードのようだ。大勢で運ぶ山車が何台も目の前を通過し、数え切れないほどの人が顔を隠して行進している光景は異様だった。パレードはかれこれ30分以上続く大規模なもので、あらためてキリスト教の影響の計り知れなさを感じた。

人の多さを見て外に出るのがおっくうになってしまったため、夕食はアルベルゲで残りのチョコレートを食べて済ませた。寝る支度と明日の準備を一通り終えてから眠る。この辺りのルーティーンは少しずつ手際がよくなってきた気がする。22時に就寝。

歩いた距離

今日16.2km 合計68.2km 残り712.2km

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